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エヴァが盛り上げたガレージキットの歴史を実感できる「エヴァワンフェス2025」【#ワンフェス】

【ワンダーフェスティバル2025[夏]】
開催日時:7月27日 10時~17時
開催場所:幕張メッセ 国際展示場 1~8ホール
(〒261-8550 千葉県千葉市美浜区中瀬2-1)
入場料 当日券:4,000円

 ワンフェスでの注目ブースの1つが「エヴァワンフェス2025」だ。今年はアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」が放映30周年を迎えた。「エヴァ」はこれまでのロボット玩具、プラモデルといった立体物から、より作家性の高いガレージキットや、キャラクターにフォーカスしたフィギュアが生まれる起爆剤となった。「エヴァ」によって造形文化の発展が加速したという側面は間違いなくあるだろう。

 「エヴァワンフェス2025」はそういった「エヴァ」と造形文化の発展を紹介する企画展示だ。海洋堂がワンダーフェスティバルで発売したガレージキットなど、当時の歴史を物語る展示や、各社の商品展示に加え、「エヴァ」をテーマにした一般ディーラー達の最新作品が展示されており、その歴史と発展に思いを馳せる展示となっている。

来場者を出迎える1/1フィギュア
グッズ販売や最新商品の展示も行われていた

 注目の1つは海洋堂と「エヴァ」の関わりを語る展示。「新世紀エヴァンゲリオン」は玩具メーカーのスポンサーではなく、セガがメインスポンサーとしてアニメがスタートした。このため放映時にフィギュアなどの立体物が少なかった。しかし社会現象ともいえる大きなブームとなっていく中で、いくつもの商品が販売されていく。

 しかし最初期はファンの望む立体アイテムは少なかった。主役メカであるエヴァンゲリオンは“人造人間”という、ロボットなのか生き物なのかわからない存在であり、既存の商品フォーマットに落とし込みづらかった。またブームを受けて企画された開発期間の短い商品も多く、ファンを満足させられる商品が少なかったのだ。

「エヴァ」とガレージキットの進化を紹介する展示
作画用参考モデルもガレージキットとして販売された
史上初のエヴァのガレージキットとなった「綾波レイ(病室にて)」。原型は寺岡邦明氏
ペンペンを松村しのぶ氏が、ミサトをBOME氏が造形した「ミサトとペンペン」
佐藤"ロボ師"拓氏が造形したガレージキット
「エヴァ」とガレージキット、フィギュア文化の発展を紹介
最初期のガレージキット

 そういった状況の中いち早く動いたのがワンフェスのディーラー達だった。海洋堂もガレージキットを制作、固定ポーズであるがしっかりしたエヴァの造形物を制作する。そして何よりファン達が望んだのがキャラクターフィギュアだ。特に2人のヒロイン、レイとアスカは造形作家達が積極的に挑戦し、様々なガレージキットが生まれた。

コトブキヤやセガ、threezeroなどホビーメーカーによる最新商品の展示も

 展示では海洋堂だけでなく、当時販売されたガレージキットも紹介されている。「世の中にないなら、俺たちが作ってやる!」という当時の作家達の想いが感じられる。展示は過去のものだけではなく、現在のものもある。多くの作家が、より質の高いキャラクター表現を求め技術を向上させていったその"成果"も見ることができる。会場ではコトブキヤやthreezero、プライム1スタジオなどの最新の商品も見ることができた。「エヴァ」は30年間ずっと、造形作家達の挑戦する対象であり続けているのだ。

 現在でも一般ディーラー達は「エヴァ」に挑み続けている。その解釈、表現は様々でその幅の広さには圧倒される。会場では非常に多彩な作品を見ることができた。

【一般ディーラー作品の一部】

 会場ではさらに海洋堂の巨大展示も見ることができた。非常に見応えがある。「エヴァンゲリオン」はまだまだユーザーを魅了していくだろう。今後の立体物にも期待したい。

【海洋堂の巨大展示】