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市販キットじゃ満足できない! 自分のこだわりを活かした「R-TYPE」の自機「R-9」、「マクロス」の「VF-171」をフルスクラッチ!
2020年11月8日 23:08
静岡ホビースクエアにて11月22日まで開催されている静岡県内を活動拠点としている模型愛好家のサークル(モデラーズクラブ)主体の模型展示イベント「静岡モデラーズ合同展示会」。ここでは様々なモデラーの力作を見ることができる。
今回は設営中の会場を取材し、モデラー達の話を聞くことができた。このイベントは静岡のモデラークラブが中心、だからこそ「模型のメッカ・静岡」ならではの風景を聞くことができた。作品の思い入れやサークル活動などをお伝えしたい。
静岡は模型メーカーの集う街である。毎年ホビーショーを開催、街を挙げての「模型のメッカ」としてアピールしている。戦後から度々あったプラモデルブームの中、静岡の人々は世代を超えてプラモデルに親しんできた。メーカーのバックアップだけでなく、プラモデルメーカーの社員や関係者達も模型サークルに参加、ファン達が積極的に交流し、作品を持ち寄り技術を磨く文化ができている。今回取材で見えてきたのは、そういうファンの多い静岡ならではのモデラー達が作る作品の風景だった。
同世代ならではのこだわりを活かしたモチーフで作品を見せ合う同好会
模型サークル「静岡県東部模型同好会すとらいくべぜる」は、30~40代のメンバーが多いサークルで数カ月に一度は集まって作品を見せ合ったり、色々な雑談をしているという。市の施設を借りてそこで集まるような集会を行なっているとのこと。
1人でプラモデルを作っているのではなく、好きな人達でモチーフや世代ならわかる文化のこと、同世代だからこそ通じる話で盛り上がり、そこから模型技術の情報交換もしている。「すとらいくべぜる」は年齢の近いメンバーだが、若い人から年配の方まで様々なサークルも、年配の方のみのサークルもある。
今回は「R-TYPE」の自機「R-9(アール・ナイン)」と、「ゼビウス」の自機「ソルバルウ」を出展している方に話を聞いたが、ゲーム内の期待をこのようにプラモデルにしている商品が好きで、本当は今年開催されるはずだった合同模型会では「ゲームモチーフ」をテーマにサークルで作品を募って出したかったとのこと。
「R-9」はプラムの、「ソルバルウ」はWAVEのプラモデルだが、自分の好みに合わせるためにディテールなどかなり手を入れているとのこと。特に「R-9」はキットには上下につく「オプション」がなく、自作したところがこだわりポイントだという。「ソルバルウ」はちゃんとゼビウスのマップ用の台座がついているところが楽しい。こう言った自分のこだわりを活かして展示しているのはとても楽しそうだった。
「マクロス」の可変戦闘機「バルキリー」オンリーの同好会!
「VF-1RIDERS」はその名の通り、「超時空要塞マクロス」に登場する「VF-1」、そして可変戦闘機バルキリーシリーズを好む人達のみで結成された模型サークル。出展されているのもバルキリーのみだった。
元々はハセガワから「VF-1」のプラモデルが出たところが同好会のスタートだったという。バルキリーは「ロボットが飛行機に変形する玩具」としての商品化が殆どだったが、“可変戦闘機”というように、やはり戦闘機形態こそがメインであるという想いは製作側、ユーザー側にもあった。航空機プラモデルを手がけるハセガワが航空機の解釈で商品化した「VF-1」はまさに同好会を作るきっかけになったとのことだ。
その後「マクロス」の商品化は進んでいく中、同好会も様々な作例を作っていく。現実の航空機に寄せるアレンジだけでなく、宇宙で使用する、宇宙線などが遮るものなく通る空間で運用するための塗装や、独自解釈の武装など様々な方向性を持って製作しているとのこと。
話を聞いた方は商品化されていない「VF-171 ナイトメアプラス」をプラ版でフルスクラッチしたとのこと。さらにVF-25で使用されている次世代技術「EX-ギアシステム」を取り入れた「ナイトメアプラスEX」も製作した。これはきちんとコクピット部品をVF-25のものを流用しているというこだわりだという。VF-17を改修し、航空機として細く、空力を向上させたこのファイター形態をどうしても作りたかったとのことだ。