ニュース
紙で作るミニ日本建築「ペーパーナノ 360」が登場。外国人観光客に向け販路も工夫【おもちゃビジネスフェア】
2024年4月12日 09:59
- 【夏~クリスマス おもちゃビジネスフェア2024】
- 4月10、11日 開催
- 会場:東京都立産業貿易センター台東館
「ナノブロック」で小さな3Dミニチュアが人気のカワダが会場で発表した新シリーズが「ペーパーナノ 360」、台紙からレーザーカットされた部品を切り出し、専用のノリで貼り合わせ組み立てていくペーパークラフトシリーズの新シリーズだ。
従来の「ペーパーナノ」は額縁に入れた絵のようにあえて見る角度を限定し、半立体の方式で世界の建物や、日本の風景などを表現していたが、「ペーパーナノ 360」はその名の通り、様々な角度から建物の造形や雰囲気を楽しむことができる商品となっている。
専用のアクリルケースを別売りしており、これに収めることで、手のひらサイズの空間に精密な日本の建築物が再現できる。ラインナップは「浅草」、「京都」、「東京タワー」、「松本城」。「名古屋城」の全5種で、価格は1,408円~1,078円。専用ディスプレイケース「ディスプレイケース 360」が528円。組み立ての際に使いやすい「ピンセット&ボンド セット」が1,078円。LED台座にも対応しており、ライトアップも可能だ。
手のひらに日本各所の様々な建築物が表現される商品コンセプトはとても魅力的だ。ナノブロックとは表現の方向性が異なり、非常に細かいディテールが持ち味で、「浅草」では影絵のように黒い人影で観光客を表現していたり、「京都」ではキラキラ輝く金閣寺を再現していたりとこれまでの「ペーパーナノ」の技術が反映されており、コレクションしたくなる。
カワダとしては今回のラインナップと商品コンセプトはインバウンド観光客(外国人旅行客)を重要なターゲットにしているという。手のひらサイズで日本ならではの建築物が再現される。日本の玩具ならではの非常に繊細な表現と、"紙"での模型というコンセプトは海外の人に強く訴求するのではないか、ということだ。
この商品企画はカワダの新しい"販路"も視野に入れている。カワダは1年ほど前から「ドラッグストアチェーン」に商品を置いている。このドラッグストアがインバウンド観光客との重要なアクセスポイントとなっているとのこと。昨今、タカラトミーの「トミカ」やサンリオのキャラクターグッズなどもドラッグストアチェーンの店頭に並ぶようになっており、カワダのナノブロックなども人気商品だという。
これまでもドラッグストアチェーンは、安価なコスメや市販薬などをアジアの旅行客が購入し、国内向けの市販薬が品切れ状態になるなどの話題になっていたが、薬、化粧品、食料品、お菓子、様々な便利グッズなど、インバウンド観光客にとって「ここに来れば何でも買える場所」として急速に認知され、人気を集めているという。玩具メーカーにとっても重要な販売スポットになっているとのことだ。
今回のおもちゃビジネスフェアで「インバウンド観光客向け商品」で面白かったのが、パズルメーカーとして知られるやのまん。ジグソーパズルのモチーフとして「天ぷら」、「寿司」、「豚骨ラーメン」など、日本をイメージする食べ物の写真を完成図とするパズルを7月より販売するという。こちらもお土産にはぴったりと言える。浮世絵や日本の風景を描いたパズルなども展開するが、「食べ物の写真」が完成するパズルというのは、なかなかユニークなアプローチと言えるだろう。インバウンド観光客が玩具業界にどんな影響を与えるかは見ていきたいところだ。