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「MC☆あくしず Vol.77」の特別付録は堀場氏によるボードゲーム「ノモンハン事件1939」!6月20日発売

6月20日 発売予定
価格:1,980円

 イカロス出版は6月20日、季刊誌「MC☆あくしず Vol.77(2025年08月号)」を刊行する。価格は1,980円。

 「MC☆あくしず」は美少女イラストなどを交え、古今東西の兵器・戦史・軍人・戦術などを解説する異色のミリタリー誌。創刊19年号となる今号には特別付録として、打ち抜き加工のコマ、B3判のゲームマップからなる本格的な一人用ボードゲーム「ノモンハン事件1939」が同梱される。

 巻頭特集では、近いうちに自衛隊のいずも型護衛艦でも運用されるようになるF-35BライトニングIIを始め、姉妹機のステルス戦闘機F-35C、空戦映画にも登場するF/A-18E/Fスーパーホーネット、フランスのラファールMなど現在の空母艦上戦闘機を解説。また第2特集ではマジノ線やセヴァストポリ要塞など、第二次世界大戦で活躍した世界の要塞を特集するほか、「ルミナスウィッチーズ」、「ハイスクール・フリート」の描き下ろしピンナップも付属する。

ボードゲーム「ノモンハン事件1939」

 本作のゲームデザインを担当したのは、アニメ「ガールズ&パンツァー」のボードゲーム「ぱんつぁー・ふぉー」などを手掛け、軍事ライターとしても知られる堀場 亙氏。プレーヤーは日本陸軍の第二十三師団の師団長・小松原道太郎中将となり、7月中旬までにハルハ河とホルステン河の「川又」を占領して日本・満洲国の主張する国境線を確保することを目指す。

 史実と同じく、兵力の大きい小林支隊が西岸を進み、機動力の高い安岡支隊が東岸を迂回し、東西から挟み込んでソ連軍の包囲殲滅を狙うのがセオリーとなる。しかしソ連軍は機動力の高い戦車部隊や機械化歩兵部隊、強力な砲兵を有しており、機甲戦力で劣る日本軍が勝利するのはかなり難しい。この苦境を跳ね返し、ゲーム終了までに「川又」を占領。日本と満洲国が主張する国境線を画定させることを目指していく。

 なお、史実の戦況図や戦闘序列図、両軍の戦車の図版などによってノモンハン事件についても学ぶことができるほか、日本軍の主力戦車・九五式軽戦車ハ号とソ連軍の主力戦車・BT-5快速戦車の擬人化美少女イラストも掲載される。

「ノモンハン事件1939」のボードゲーム一式。B3判のゲーム盤、打ち抜き加工の厚紙コマシートが付く。ルールは本誌内に記載されている
「ノモンハン事件1939」のコマなどの初期配置。日本軍は二手に分かれてハルハ河とホルステン河の渡河流域「川又」を目指す。日ソ両軍の主力部隊の耐久力と戦闘力は、欄外の部隊トラックで管理する
「ノモンハン事件1939」のテストプレイ序盤の戦況。日本軍の戦車第三聯隊が、機動力と攻撃力を活かして順調に進撃しているが……
ノモンハン事件とは

 昭和14年(1939年)5月、満州国とモンゴルの国境・ノモンハン付近で、外蒙古軍と満州国警察隊による小競り合いが発生しました。満州国側が国境と認識していたのはハルハ河でしたが、外蒙古ではハルハ河のさらに東側を国境としていたために起きた事件でした。この些細な紛争に対し、ノモンハン周辺を守備していた日本陸軍の関東軍麾下の第二十三師団は東支隊、山縣支隊などの部隊を派遣します。一度は退却したモンゴル軍はソ連軍を伴って越境し、日ソ両軍が交戦。5月31日、日本軍が引く形で衝突はいったん収まりました。

 しかしソ連軍はノモンハン周辺に対する空爆を敢行、日本軍も報復としてタムスクを爆撃。そして第二十三師団は7月2日からノモンハンに出動し、ハルハ河の東岸からソ連軍を追い出すことにしました。

 日本軍は戦力を大きく二手に分け、歩兵中心の小林支隊にハルハ河を渡河させて西岸を進撃、ハルハ河とホルステン河が合流する川又を目指します。もう一つは戦車中心の安岡支隊に東岸を迂回させ、同じく川又に向かわせます。つまりこの両翼からの攻撃によって川又周辺を守るソ連軍を叩くというものでした。しかしソ連軍の戦車部隊や防御陣地によって日本軍の攻撃は食い止められ、7月下旬までに攻撃は頓挫します。

 ついに8月20日からは大規模な援軍を得たソ連軍が反撃を開始、歩兵第十六聯隊など奮闘した部隊もありましたが、日本軍は各地で撃破されていきます。そして9月15日には停戦合意に至り、ようやくノモンハン事件は終結しました。「事件」という名称とは裏腹に、実際は日本側は約17,300名が死傷、ソ蒙側は約26,000名が死傷した大規模な紛争でした。