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タミヤは「楽プラ」にこう挑戦する! 「クリックロック」が提示する接着・塗装不要のコンセプトでの「タミヤらしさ」【#全日本模型ホビーショー】

【第64回 全日本模型ホビーショー】
開催期間:10月3日、4日
(業者招待日:10月2日)
会場:東京ビッグサイト 南3・4ホール
入場料
当日券:1,500円
※中学生以下は無料

 タミヤの新たな挑戦、それが「クリックロック 1/24 カーモデルシリーズ」だ。「接着剤不要、塗装無しで美しく組み上がるプラモデル」というコンセプト。第一弾の「1/24 フォルクスワーゲン タイプ2 (T1)」が「レッド/ホワイト」、「ブルー/ホワイト」の2色で12月に発売予定、価格は3,960円。

 会場発表として第2弾の「1/24ポルシェ911カレラ RS2.7」を「レッド」と「ホワイト」の2色で展開。2027年1月発売予定で、価格は同じく3,960円となる。

 「接着剤・塗装不要、組み立てるだけで美しい仕上がり」というコンセプトをはっきり示したのがアオシマの「楽プラ」シリーズだ。「楽プラ」は大ヒットし、今や販売店には必ず「楽プラ」のコーナーが置かれている。

 タミヤは今回、この「ユーザーが好むコンセプト」に答える「クリックロック」という商品を生み出した。「接着剤・塗装不要」というコンセプトに対し「タミヤらしさ」を込めた回答はどのようなものか? 「クリックロック」の魅力を紹介したい。

会場では完成品を多く展示
フォルクスワーゲン タイプ2 (T1)の実車も設置されている

「クリックロック」のコンセプトを提示する「1/24 フォルクスワーゲン タイプ2 (T1)」

 タミヤは「クリックロック」を提示する最初の車として「フォルクスワーゲン タイプ2 (T1)」を選んだ。1950年から1967年まで製造された、愛称「ワーゲンバス」として親しまれる初代モデルで、ちょっとずんぐりした愛嬌のあるフォルムだ。

 「1/24 フォルクスワーゲン タイプ2 (T1)」を開発するにあたり開発者は「昔はプラモデルを作っていたけど、現在は作っていない」というユーザー、40~60代くらいの男性をメインターゲットに、そしてさらに女性も視野に入れ、彼らに魅力を感じてもらうモチーフを選定した。それがこのフォルムとカラーリングのワーゲンバスだ。

 モチーフの魅力に加え、追求したのはプラモデルとしての完成した姿。レッドとホワイト、あるいはブルーとホワイトのツートンカラーが組み立てるだけではっきりと組み上がる。そしてメッキパーツのアクセントだ。前面の左右に分かれるラインやワーゲンマーク、ライト。そしてホワイトのバンパーに走る銀のライン。これまでタミヤのプラモデルでは塗装技術がしっかりしているユーザーでなければ表現できなかったきれいなカラーリングが、組み立てるだけでできるのだ。実物を見ることで「クリックロック」第一弾に選ばれる理由が納得できる。

こちらはシールを貼っていない状態だが、色分けがしっかりされている
ボディの成型色の色分けは「フォルクスワーゲン タイプ2 (T1)」が選ばれた理由の1つだという
成型色の色分けでしっかり表現している

 こだわりを強く感じるのがホイールの表現。軟質素材のタイヤ、白い縁と中心が銀のホイール。かなりリッチな印象を受ける色分けだ。前輪がしっかり曲がるところも注目ポイント。ハンドルを切ることで車に表情が生まれる。車体のディテール、ドアの取っ手や車体に走る銀のラインなど、細かく見てもそのパーツ構成に驚かされる。多少簡素化されているが、シャーシの裏もきちんと表現している。

 その上でシールによるディテールアップが可能なのだ。これまでのような水転写式ではなく、台紙から剥がすだけで車体に貼り付けられるシールだ。このシールを貼ることで窓枠の境界線が際立ち、実車感が高まる。

 開発者はこれらの点を「工夫だらけ」と語る。接着剤不要のはめ込み式という場合、パーツを押し込んではめる感触。車体にはめ込んだときまるで接着したかのように隙間なくきっちりはまるその姿を表現するため、パーツ精度、設計に非常にこだわったという。「組む楽しみ」にフォーカスしているからこそ、「クリックロック」という名前になっているとのこと。これらの技術の蓄積はタミヤ社内でもあまりなく、手探りからこのコンセプトにたどり着いたと開発者は語った。

パーツの組み合わせでリアルな質感を実現
ホイールの色分けもしっかりされている
天井のハッチを広げ車内を見ることができる
底面もしっかり表現している

 はめ込む、押し込むという組み立てからパーツには強度が求められるためABSを使用している。ABSだからこそはめ込んだときの「ヌニュッという感覚」をぜひ味わってほしいとのこと。またABSはつや出しにも適しており、ボディのつややかな雰囲気も、そしてカチッとパーツが合う感触は、ABSだからこそ生まれるとのこと。

 「フォルクスワーゲン タイプ2 (T1)」はやはりボディの色分けが成型色で行われており、組み立てるとまるで塗装したかのようにしっかり組み合わさることが真骨頂だと感じた。天井が開いて車内が見えること、2つのカラーリングで車内の成型色も異なるところにも強いこだわりが感じられた。

シールを貼ることで質感がさらに向上

伝説のポルシェに挑む! 前面ハッチ分割はリアリティと組み立てやすさの追求

 そして「ポルシェ911カレラ RS2.7」である。1972年に発表されたグループ4GTレースのホモロゲーション(出場資格)取得モデル。グループ4GTレースとは、「市販車で行われるレース」である。逆説的にいえば、レースに出場するためにレース規格の車を市販車として販売するということ。カレラRS 2.7はこの資格を取得するために市販されたレーシングモデル、というわけだ。

 ポルシェ911はリアエンジン・リア駆動のスポーツカーで、カーブなどでお尻が振られやすい挙動を持つ一方で、加速に非常に優れる。911はこのコンセプトで1964年に初登場してから現代でも911というナンバーは受け継がれ、4WDやエンジンの水冷化、大型化など様々な技術を取り入れつつ進化し続けている。丸い目のようなライトと流麗な曲線を描くフォルムはポルシェを象徴するアイコンと言える。

「ポルシェ911カレラ RS2.7」はレースに出場するために市販された車。右のサイドミラーがないなど徹底的な軽量化が行われている

 その911の歴史の中でカレラ RS2.7は特別な意味を持つ。レースで勝つためエンジンのパワーアップと徹底的な軽量化を行った。それを象徴する1つとして右のサイドミラーがない。後席もなく、鋼板やガラスを薄くしている。そして後に「ダックテイル」と呼ばれるリアスポイラーだ。アヒルの尾のように後ろがピンとはねた独特の形状もこの時生まれた。そして「カレラ」という名前も現代までも受け継がれている。この「伝説のポルシェ」をタミヤが「クリックロック」のモチーフ第2弾として選んだのだ。

 「1/24ポルシェ911カレラ RS2.7」で開発者が特に自信を持っているのが、「車内の風景」。本製品の車内はいわゆるバスタブ形式の”見えるところだけ作り込む”という表現を行っているのだが、取り付けにシャーシ側につけるのではなく、わざとボディ側につけるように設計されている。こうすることでボディに隙間なく車内パーツがはまり、外から見たとき非常にきれいに組み上がるのだ。

 もう1つの注目が前面のハッチ。いわゆるボンネットなのだが、ポルシェ911はリアエンジンなので前面がトランクになっている。このハッチを別パーツにすることでボディ部分には穴が開けられる。この穴で車内パーツや他の部品をしっかり接続できるように工夫している。そしてこの穴はハッチパーツをつけることで隠せる。ハッチをちゃんと分割しているリアリティと、組み立てやすさを実現した設計とのことだ。

車内はバスタブ形式
ボディにぴったりはまり、独特の車内風景を実現
車内もしっかり表現している

 シャーシ部分がそれぞれのカラーの成型色のままなのも面白い。このカラーリングは実車も同様とのこと。さらに底面にもメッキパーツで色分けされているところがアクセントとなる。そしてポルシェならではの美しい曲線をしっかり再現し、美しく磨き上げられたボディはタミヤの技術をしっかり感じさせるところだろう。

 ユーザーの動向を受けてタミヤは変わりつつある。「クリックロック」はその新しい挑戦の1つだ。社内でも新しい方向の企画を求めているという。今後のタミヤはどのように進化していくか、ぜひ「クリックロック」に触れて確かめてみたい。

前面ハッチ部分の穴は組み立てしやすさをしっかり考えた設計となっている
成型色による色分けでしっかり組み立てられる
シールを使ってさらに質感が上がる