レビュー
「ROBOT魂(Ka signature)<SIDE MS>RX-105 Ξガンダム(機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイVer.)」企画者インタビュー
2024年7月4日 08:00
- 【ROBOT魂(Ka signature)<SIDE MS> RX-105 Ξガンダム(機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイVer.)】
- 7月5日16時より魂ウェブ商店にて予約開始
- 12月 発送予定
- 価格:33,000円(税込、送料・手数料別途)
BANDAI SPIRITSのロボットアクションフィギュア「ROBOT魂」シリーズで展開されるメカニックデザイナー・カトキハジメ氏プロデュースの「Ka signature」に『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の主役機「Ξガンダム」(クスィーガンダム)が登場。
「ROBOT魂(Ka signature)」シリーズでは今回3度目となる立体化で、2021年6月11日公開された映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』のデザインをもとに立体化されている。
「Ξガンダム」は反地球連邦政府運動「マフティー」のリーダーであるマフティー・ナビーユ・エリンであり、主人公のハサウェイ・ノアが受領したモビルスーツ。存在感を放つ頭頂高26mを超える巨体と大気圏内での飛行を可能としたミノフスキー・フライト・ユニットを搭載し、“ガンダム”の名を冠しながらも異形なシルエットで強いインパクトを放つ。
武装にはビーム・ライフルやシールド、ビーム・サーベルなどを有し、映画クライマックスでは迫力ある空中戦を披露した。
今回、BANDAI SPIRITS コレクターズ事業部で本商品の企画担当をされている宮邉優希氏に話を聞いてみた。
隅々までこだわったギミックとカラーリングで立体化された「Ξガンダム」決定版
――最初に「ROBOT魂(Ka signature)<SIDE MS> RX-105 Ξガンダム(機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイVer.)」の立体化の経緯をお聞かせください。今回「ROBOT魂(Ka signature)」シリーズでは3体目となる立体化になりますが、いかがでしょうか?
宮邉氏:そうですね。過去2回立体化されておりますが、今回は映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』のデザインに合わせた「Ξガンダム」となっております。ケレン味が増えていたり、カラーリングの部分、デザインなど過去商品との違いが楽しめるかと思います。
――今回の商品は新規造形でしょうか?
宮邉氏:「ROBOT魂(Ka signature)<SIDE MS> RX-105 Ξガンダム(機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイVer.)」は中の関節部も含めて新規造形となっております。なので、今回は映画で見たカッコイイ「Ξガンダム」を再現するために可動から造形まですべてこだわった商品となっております。
――ディテールの作りこみは「ROBOT魂(Ka signature)」シリーズならではの情報量で圧倒されます
宮邉氏:細かい塗分けは本商品でもこだわっています。装甲の内側の塗分けはもちろん、私のおすすめのポイントとしましては脚部のフィンのオレンジ部分など造形も含めて力を入れています。また、手首パーツも関節のシルバーなど細かく塗り分けています。
――こだわりポイントというところで「Ξガンダム」の頭部デザインはいかがでしょうか? 過去商品の“ガンダムフェイス”らしさとは異なる原作小説版に近いイメージになっているかと思います
宮邉氏:頭部デザインはカトキハジメさんと密に打ち合わせをして、細かい部分までこだわりました。その中でもアンテナ部分は長いのが特徴だと思います。そのイメージの中でアンテナは曲線的に後ろに伸びている印象がありました。
当初はそのイメージで試作品を出力したのですが、カトキさんのこだわりポイントでもあるのですが、アンテナの半分までは曲線的な造形を取りつつ、残り半分は後ろに直線で伸ばす造形になっています。よく見ても気づかないくらいの小さな変化ではありますが、立体にしたときの美しさにこだわっています。
――カラーリングもかなり変更されていますね
宮邉氏:そうですね。映画のホワイトを基調としたカラーリングになっています。ホワイトの色味を表現するのは難しい部分でもありまして、「真っ白にすれば立体として綺麗に映えるか?」というのもありまして、白の中に少しだけグレーを感じられるような調色となるように進行しています。
――今回はデコマスを拝見してサイズ感もそうですが、色の情報量が圧倒的でものすごい重厚感を感じました。特に差し色のガンメタルカラーなどで重厚感が増しているように思いました。
宮邉氏:そうですね。ちょっとした差し色を入れることでワンランク上の高級感を演出できたかと思います。籠手や膝アーマーの内側にありますミサイルも細かく色分けして存在感を出したり、普段は見えない部分も可動によって金の差し色が露出するなども仕込んでいます。
――今回新規造形ということで可動面ではどのような工夫がありますか?
宮邉氏:普通のモビルスーツよりも武装、つけている装甲などが大きいので、関節を新規にするにあたり装甲部分との干渉を避けたり、映画にありましたフライト・フォームへの変形のしやすさも一から考えた部分にもなっています。また、「ROBOT魂」シリーズでは珍しい、コックピットのハッチ開閉ギミックを搭載しています。
――映画で新たに追加されたフライト・フォームですが、こちらは過去商品にはなかったギミックになるかと思います。これを再現するにあたり工夫されたポイントなどをお聞かせください
宮邉氏:フライト・フォームへの変形にあたり、背面の翼には複数の関節が設けられていまして、差し替えなしで再現することができます。
――通常の状態だとコンパクトで「こんなに動くの!」と驚きました
宮邉氏:そうした綺麗に関節部を仕舞えるかも研究しました。脚部の側面にある小さい翼も下に下げることができ、つま先、かかと部分も折りたたんだ状態にすることができます。かかとの可動では差し色が出てきて、メカらしい色合いが見えるので、フライト・フォームだけでなくアクションの細かい表情付けも楽しめるようにしています。
――立体物としてガシガシ動かせる「Ξガンダム」は魅力的ですね
宮邉氏:かっこいいポーズはもちろん、2021年に発売された「ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS>ペーネロペー(機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイVer.)」とのバトルシーンの再現が楽しめます。
立体物としましては後発の商品になりますので、待っていてくださったユーザー様はもちろん、今回初めて「Ξガンダム」に触れるユーザー様にも満足いただける商品となっています。
――続いて武装はいかがでしょうか?
宮邉氏:今回は映画準拠となっており、ビーム・ライフル、シールドにもギミックを仕込んでいます。ビーム・ライフルのエネルギーパックは付け替えができ、予備のエネルギーパックもサイドスカート裏に装着することができます。
シールドもこだわっておりまして、シールド裏側にレールがついているのとアーム部分の関節を入れております。基部部分も通常だと真ん中にあるのですが今回は少し前に調整しております。これもシールドの大きさや可動を増やすたえに採用されておりまして、これによってシールドを前面に持っていくなど表情付けがしやすいようになっています。ビーム・サーベルも柄頭からのビームエフェクトも再現しています。
――立体化する中で苦労された点はありますか?
宮邉氏:そうですね。過去に商品化されている機体でもあるので、それらを踏まえて可動を考えるのが難しいところでした。開発最初期は「内部の可動は流用にするか?」という案もありましたが、ユーザー様に満足していただけるものにならないと思い、全部作り直そうということになりました。
過去商品で出ていた「こうして欲しかった」などのユーザー様の要望に応えられるように、今回の「Ξガンダム」は作りこんでいます。
――商品サイズ感を決めるときに苦労されたところはありますか? 例えば肩のアーマーが大きすぎると、どうしても干渉や関節の保持力が難しいなど
宮邉氏:全体のバランスでいうと、以前発売された「ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS>ペーネロペー(機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイVer.)」に合うサイズ感にしているので、少し大きめの印象になっています。
顔の迫力であったり、映画での迫力ある「Ξガンダム」のイメージを一つ一つこだわって作りこんでいます。
――今回の商品化にあたり「ROBOT魂(Ka signature)」オリジナルのギミックなどはありますか?
宮邉氏:あります。実は「ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS>ペーネロペー(機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイVer.)」と連動して、FF(フィックスド・フライト)ユニットを専用のジョイントパーツを使用することで、「ROBOT魂(Ka signature)<SIDE MS>Ξガンダム(機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイVer.)」に装着することができます。
――劇中でも姉妹機である2機なので「もしかしたら?」という想像が立体で実現したと
宮邉氏:装着のために「Ξガンダム」本体も例えば脚部の装甲を外すと、FFユニットを装着できる軸受けも設けています。ただ、「Ξガンダム」の装甲を「オデュッセウスガンダム」に着けることは残念ながらできません。
――最後にユーザーへのメッセージをお願いいたします。
宮邉氏:ようやく「ROBOT魂(Ka signature)」ブランドから「Ξガンダム」が立体化します。カトキさんとこだわってやっと立体化できたので、お待たせして申し訳ございませんという気持ちもありつつ、その分いい商品になっているかと思いますので、ぜひ手に取っていただきたいなと思っています。映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』第2部に期待に胸躍らせながら、遊んで待っていただけると鵜らしいです。
――ありがとうございました。
(C)創通・サンライズ
※画像は試作品を使用しています。実際の製品とは異なる場合がございます。ご了承ください。