レビュー

「Figure-rise Standard ルナマリア・ホーク」レビュー

「機動戦士ガンダムSEEDシリーズ」からプラモデル化第2弾!軟質素材のインナーパーツがポージングの幅を広げる

【Figure-rise Standard ルナマリア・ホーク】

開発・発売元:BANDAI SPIRITS

発売日:2024年7月20日

価格:4,180円

ジャンル:プラモデル

サイズ:全高約150mm

 2016年のシリーズ開始以来、人体の造形を追求してきたプラモデルシリーズとしてFigure-rise Standardは様々なアニメや特撮作品のキャラクターをプラモデル化してきました。ガンダムシリーズからは2018年発売の「Figure-rise Standard BUILD DIVERS ダイバーナミ」をはじめ、複数の女性キャラクターモデルが発売されています。本記事では、「機動戦士ガンダムSEEDシリーズ」からの立体化第2弾「Figure-rise Standard ルナマリア・ホーク」を紹介します。

SEEDシリーズでも人気を誇るルナマリア・ホークが待望のプラモデル化

 Figure-rise Standardシリーズは2016年より「人体構造プラモデルの核心に挑戦し続ける」をテーマに様々なキャラクターモデルを展開してきました。今回紹介する「Figure-rise Standard ルナマリア・ホーク」は2021年発売の「Figure-rise Standard SEED ラクス・クライン」に続いて「機動戦士ガンダムSEEDシリーズ」から2人目のプラモデル化となります。

 ルナマリア・ホークは2004年に放送されたアニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場するザフト軍エースパイロットです。劇中前半では専用カラーに塗装した赤いガナーザクウォーリアに搭乗し、後半からはインパルスガンダムに搭乗して活躍しました。本キットではザフト軍の赤いパイロットスーツ姿のルナマリア・ホークを立体化しています。

7月20日に発売する「Figure-rise Standard ルナマリア・ホーク」

細かい箇所の色分けも極力パーツ分割による再現を目指したキット

 それではキットを組み立てます。本キットのランナー構成は色プラランナーが2枚、ホワイトのランナーが3枚、レッドのランナーが2枚、フレッシュのランナーが2枚、ミントグリーンのランナーが2枚、その他水転写式デカールと色分け用シールが付属しています。

「Figure-rise Standard ルナマリア・ホーク」パッケージ
「Figure-rise Standard ルナマリア・ホーク」を構成するランナー。水転写式デカールは表情やザフトマークが含まれています。

3種類のフェイスパーツと様々なアイデカールを選択可能な頭パーツ

 頭パーツは通常タイプとヘルメット着用の2種類が選択可能です。フェイスパーツはタンポ印刷済みが1種類、水転写式デカールにて表情選択ができるものが2種類付属します。

フェイスパーツとデカール。1種類はタンポ印刷済み、2種類は水転写式デカールにて表情をつけるタイプとなっています。
フェイスパーツに水転写式デカールを貼り付けました。今回は説明書の使用例に倣って貼り付けました。
通常タイプの頭は全11パーツにて構成されています。
組み立てが完了した通常タイプの頭。フェイスパーツは組み立て後も差し替え可能です。
組み立て前のヘルメット着用の頭。全12パーツにて構成されています。
組み立てが完了したヘルメット着用の頭。ヘルメットはバイザーの有無が選択可能です。

 また、ヘルメット着用の頭は内部のフェイスパーツを外すことでヘルメットのみを展示することも可能です。この際にはフェイスパーツの代わりにインナーパーツを使用します。

組み換え前のヘルメット着用の頭。差し替え用パーツが1パーツあります。
ヘルメットパーツの差し替えは一度各パーツをバラバラに分解した後にパーツを差し替え、組み立て直します。
組み換えが完了したヘルメット。バイザーパーツは取り付け有無を選択可能です。

パイロットスーツの状態は2種類のボディパーツで選択

 ボディパーツの造形は正面ファスナーの閉じた状態と開いた状態の2種類を制作可能です。これらボディパーツは2セット分付属するため、完成後も差し替えて好みの状態で展示することができます。また、正面ファスナーが開いた状態のボディパーツはインナーシャツのパーツが軟質樹脂にて成型されているため、上半身の可動に対し自然に追従してポージングを決めることができます。

組み立て前のファスナー閉状態の胴体パーツ。全17パーツにて構成されています。
組み立てが完了したファスナー閉状態の胴体パーツ。腰部のグレーラインはシールによる色分けです。
組み立て前のファスナー開状態の胴体パーツ。全20パーツにて構成されています。
組み立てが完了したファスナー開状態の胴体パーツ。インナーシャツのパーツが軟質樹脂にて成型されているため、上半身の可動に対し自然に追従してポージングを決めることができます。

片側4種類、計8個の差し替えハンドパーツが付属する腕パーツ

 本キットの腕パーツは差し替え用手首パーツが片側4種類、左右合計で8個の交換用手首パーツが付属しています。また、左腕のザフト軍マークはシールによる色分けとなっています。

組み立て前の腕パーツ。全23パーツにて構成されています。
組み立てが完了した腕パーツ。交換用手首パーツは4種類が付属します。
左腕上腕にあるザフトマークはシールによる再現となっています。

複雑なパイロットスーツの色分けをパーツ分割にて再現した脚パーツ

 ルナマリアの脚パーツはパイロットスーツの中でも特に多い色分けがされています。従来のプラモデルであればシールによる色分けやユーザーによる塗装で対応となることが多いですが、本キットではパイロットスーツの細かなラインまでほぼ成型色による色分けを実現しています。

組み立て前の脚パーツ。全15パーツにて構成されています。
組み立てが完了した脚パーツ。足の甲部分に入る縦の白ラインのみシールによる色分けです。

 これにて各部パーツは完成です。全パーツを合体させてルナマリアを完成させましょう。

組み上げた四肢を胴体パーツに取り付ければルナマリアが完成。バックパックは一体成形となっています。

劇中イメージをそのまま立体化した「Figure-rise Standard ルナマリア・ホーク」

 まずは前後側面から完成したキットを見てみましょう。

 アニメでのプロポーションを緻密に再現しています。ここからはポーズを変えながら各部を見ていきます。頭部のバイザーは有無が選択可能で、組み立て後でも簡単に変更できます。

バイザー有のヘルメット。クリアパーツの透明度も問題ありません。
ヘルメットのバイザーを外すことで表情が見えやすくなります。
軽くポージングを取らせてみました。各部の関節は硬さも程よく、簡単にポーズを決めることが可能です。
足首のアップ。細いイエローのラインもパーツ分割による色分けです。

 本キットはアクションベースを使用した展示も可能となっており、腰部背面の3mmジョイントを利用して飾ることが可能です。

アクションベースを使用して展示してみました。宇宙空間をイメージした展示も可能です。
アクションベースを使用する際は腰の後ろにあるジョイントを活用します。

 ヘルメットパーツは取り外した状態で小道具としても使用できます。出撃前をイメージしたポージングなど、劇中の雰囲気を演出できる良いアイテムです。

ヘルメットを脱いだ瞬間をイメージしてポーズを取らせてみました。様々な表情パーツが付属しているので好みのシーンを演出できます。
ヘルメットを脇に抱えたポージング。関節の可動範囲も十分にあるため、ヘルメットを持ったポージングも余裕です。
ヘルメットのアップ。内部のパーツを差し替えているのでヘルメット単体でも違和感がありません。
もちろんヘルメットなしでも魅力的なポージングが可能です。
パイロットスーツのグレー、ホワイト、レッドの3色からなる複雑な組み合わせラインも隙間なくぴったりとパーツがかみ合います。

 最後にパッケージと同じポージングをさせてみました。本キットは可動も優秀なため様々なポージングが可能です。また、軟質パーツの採用により、胸部にねじりを入れてもインナーのパーツが変形して追従する点が素晴らしく、ポージングのリアリティを引き上げるのに一役買っています。

パッケージと同じポージングも難なく取らせることができます。
パイロットスーツの内側に着ているインナーは軟質パーツを採用。可動に合わせて変形してくれます。
ひじ関節も十分に曲がるため、敬礼ポーズもバッチリと決まります。

 今回ご紹介した「Figure-rise Standard ルナマリア・ホーク」にて最も驚かされた点は軟質パーツのインナーでした。従来のプラモデルでは、胴体のねじりに合わせてパーツ分割が必要でしたが、本キットでは軟質パーツの採用により、合わせ目なしに自然なポージングが可能となっています。材質が異なるため塗装派ユーザーにとっては一工夫が必要なポイントではありますが、プラモデルの進化を楽しむという点でも本キットを手に取り遊んでみてはいかがでしょうか。