レビュー

京商「マイクロヘリコプター モスキート」レビュー

安定したホバリングと操作の楽しさ! 極小ボディに技術を詰め込んだヘリRC

【マイクロヘリコプター モスキート】

4月30日発売

価格:6,578円

全高:約54mm

ローター直径:約84mm

重量:約12.5g

稼働時間:約5分(充電1時間)

※送信機用に単3電池4本使用

 「マイクロヘリコプター モスキート」は全高54mm、ローター直径84mmの手の中にすっぽり収まるような小さいサイズで、「空の散歩」が楽しめるヘリラジコンだ。以前のモデルにはなかった「気圧センサー」を備えており、ワンボタンでの離陸、着陸が楽しめる。

「マイクロヘリコプター モスキート」は手の中にすっぽり収まる小さい機体だが、ヘリRCとしてしっかり操作が楽しめる

 風に敏感で、操作は赤外線通信で操作範囲は約5mなため、本商品は室内専用となっている。安定した飛行が楽しめるため、家の中でも障害物に気をつければ気軽に操縦が楽しめる。ちなみにドローンの法律規制は本体とバッテリーで100g以上の機体100g以上の機体は国土交通省に登録が必要だが、「マイクロヘリコプター モスキート」はわずか約12.5gなので何の手続きもなく遊ぶことができる。

 小さな機体が浮かび上がり、空を飛ぶ。この感覚は非常に楽しい。うまくヘリを誘導するためには、細かい操作も必要となり、トイRCならではの操作する楽しさがしっかり感じられる商品である。その感触をレビューしていこう。

【【京商エッグ】マイクロヘリコプター NEWモスキート!】

"二重反転式ローター"により飛行するメカニズム

 まずは「マイクロヘリコプター モスキート(以下、モスキート)」の外観をしっかりと見ていこう。「モスキート」の飛行の原理は"二重反転式ローター"にある。通常のヘリコプターでの1枚のメインローターでは、機体を浮遊させるためにローターを回転させるとその動きで機体も回転してしまう。

【機体外観】
大きな特徴が上下2つのメインローター。上下のローターが別方向に回転することで機体の回転を抑える

 このためヘリコプターには機体後部に「テールローター」があり、メインローターの動きに対し機体を反対側に回すことで機体を安定させる。これに対し、二重反転式ローターは上下2つのローターがそれぞれ逆方向に回転することで、機体が回転することを防ぐのだ。この方式はロシアの航空機メーカー・カモフが得意としており、カモフのヘリはこの方式をとっている。

通常のヘリはメインローター1つと、テールローターで構成されている。画像はハセガワのプラモデル「UH-1H イロコイ」
ロシアの航空機メーカー・カモフは二重反転式ローターを採用したヘリコプターを製造している。画像は「カモフ Ka-29」、トランペッター社のプラモデルのボックスアートだ

 「モスキート」は2つのローターを2つのモーターで動かし、さらにその上のスタビライザーで安定した飛行を実現している。2つのモーターによる回転のバランスを制御することで様々な挙動を実現するその技術はその小さなボディを見ることで改めて驚かされる。

【二重反転式ローター】
2つのローター、そしてその上にスタビライザーがある。ローターの角度、軟質素材で耐久力を持たせたスタビライザー、2つの逆回転するローターを支えるシャフトなど、様々な技術が込められている
カバーを外すと2つのモーターが確認できる。このモーターを制御することでローターの回転に変化を与えヘリの操縦を実現するのだ

 「モスキート」は送信機用の電源として単3乾電池4本を使い、本体は内蔵のバッテリーで駆動する。ボディを外すと小型のバッテリーが見える。「モスキート」の小さなボディはよく見ると基板やモーターがむき出しで、ボディを外すことでバッテリーも確認できる。バッテリーは1時間の充電で約5分の飛行が可能だ。

テールローターは飛行中はあまり回転しない様に見えた。飛行を安定させるために使われる
尾部にスイッチがある。隣の丸い穴が充電に使うためのプラグ
USB電源からコードで給電。機体にはLEDがあり、充電中は赤、作動時は緑に光る
コクピット風のカバーを外すとバッテリーが確認できる

 送信機も見ていこう。送信機には電源スイッチと、2つのスティック、いくつかのボタンがある。左スティックは機体の上昇、下降を制御する。右スティックは左右で機体の回転、前後で前進と後退、斜めに入れることで旋回する。電源ランプの左右のボタンはトリムの調整。送信機上部の左ボタンはスピードの切り替え、右ボタンは自動離陸だ。

【送信機】
スティックとスイッチのオーソドックスなデザインの送信機
左右のスティック、真ん中は電源スイッチ。電源スイッチは3つのチャンネルがあり、切り替えることで3機まで同じ場所で操縦が可能だ。電源下の左右のボタンはトリムコントロール
送信機上部は赤外線発信装置と、右のボタンが離着陸、左のボタンがスピードの切り替え
送信機にヘリを収納可能

 「モスキート」の面白さは特に小さなヘリが空中に浮かび上がり安定して飛行をしている姿にある。小さなボディのヘリがセンサーとボディ内部の2つのモーターで、二重反転式ローターを制御することで安定して空中に浮かんでる姿は楽しい。次章では飛んでいる動画で見せていきたい。

小さなボディで空中散歩が楽しめる!

 まず何よりも「モスキート」が飛んでいる姿を見てもらいたい。こちらは撮影のため左手にスマホを持ち、右手のみで操縦をしている。このためこの動画では高さの調整ができていないが、それでもしっかりと飛んでいる姿を撮影できた。

【わずか全高約54mm! 京商「モスキート」で空中散歩を楽しむ】

 このように「モスキート」は送信機の離陸ボタンを押すだけで約1mほどの高さにホバリングしてその場に留まる。ホバリングは空撮ドローンのようにその場でピタリと止まるというほどではなく、ゆらゆらと動く。基本は旗手側にゆっくり前進するので、右スティックで機体の向きを調整すれば壁などにぶつからないように飛ばすことができる。

 この「機体の向きを変えてバランスをとる」というのは数回飛ぶだけで感覚がつかめる。もちろん両手で送信機を持ち、左右のスティックで機体を操縦すればより細かい動作も可能となる。次の動画ではカメラを固定してしっかり操縦した姿を見せたい。

【上昇、前進……! 京商「モスキート」で空を飛ぶ】

 右スティックを前に傾けての前進や、ブレーキのための後退、スティックを斜めに傾けての旋回などもできる。部屋の大きさもあってちょっとスピードを出すとぶつかってしまいそうだが、バランスをとりつつ機体を操縦するのが楽しい。

 「モスキート」は機構がしっかりしているだけでなく、スタビライザーなどは軟質部品が使われていて、ぶつかった場合わざと外れて部品の破損を防ぐ構造となっている。京商のトイRCの技術が活かされており、ぶつけても簡単には壊れないタフさがある。

 ただし小さな部品は外れると見つけにくい。テールローターはパッケージに予備の部品はあるが、スタビライザーを支えるアームは予備がないので、なくさないように注意したいところだ。このほか、ぶつかったときに傷つきやすいメインローターも交換部品が用意されている。

内容物一覧。予備のローターなども同梱

 最後にパッケージに入っている「着陸シート」も使って遊んでみよう。このシートはヘリの離発着場をイメージしたボール紙で作られており、置くだけでヘリポートになる。これを机の上に置いてうまく着陸できるかチャレンジしてみた。

【京商「モスキート」、ポイントを指定して着陸チャレンジ!】

 これが結構難しい。ふわっと着地するのは意外に難しく、着地できたものの機体が倒れてしまったり、着地点がずれてしまったりするのだ。機体の向きを制御することで思った方向には進められるのだが、正確な着陸地点を指定されると結構難しい。こう言ったチャレンジも楽しめる商品なのだ。

 「モスキート」は手軽に遊べるRCヘリコプターだ。空中にピタリと静止するのではなく、うまく操縦するためには機体の向きを調整するのが楽しい。以前から小さいヘリRCはあったが、「モスキート」ほど安定している商品は少なく、制御不能になることも多かった。「モスキート」は安定していながらも自分で操れる楽しさも味わえる独特のバランスを持っている。

 この安定感と操縦する楽しさは2つのモーターによる上下のローターを制御させる方法や、センサーの性能という技術の進歩がある。遊びやすく、面白いRCである。ぜひ手に取って欲しい。

パッケージに同梱されている着陸シート
小さなボディでしっかり遊べるオススメのヘリRCだ