特別企画

ガンダムベース限定ガンプラ「HG ユニコーンガンダム」をクリスマスカラーで全塗装

赤と緑のサイコフレームにゴールドのアクセントが光る

【HG 1/144 ガンダムベース限定ユニコーンガンダム(デストロイモード)[ペインティングモデル]】

発売日:2018年6月

価格:2,530円(税込)

全塗装した「HG 1/144 ガンダムベース限定ユニコーンガンダム(デストロイモード)[ペインティングモデル]」

 今回はホリデーシーズンに合わせたクリスマスカラーの作例をご紹介します。使用キットはガンプラ「HG 1/144 ガンダムベース限定ユニコーンガンダム(デストロイモード)[ペインティングモデル]」。ガンダムベース限定で2018年6月に発売し、ペインティングモデルという名称の通りシンプルな成形色を採用で塗装に適した製品です。

UC計画を代表する試作型モビルスーツ

 今回制作する「HG 1/144 ガンダムベース限定ユニコーンガンダム(デストロイモード)[ペインティングモデル]」は2007年に小説として発表された「機動戦士ガンダムUC」に登場した主役MSです。宇宙世紀0096年にアナハイムにて建造され、内部骨格にサイコフレームを使用した機体となっています。通常時はリミッターによって制御されたユニコーンモードとして運用されていますが、ニュータイプを感知することでリミッターが解除されたデストロイモードでは劇的に性能が向上します。

【第1話|ガンダムUC(TV)【ガンチャン】】
ユニコーンガンダムが登場する「ガンダムUC」TV放送版第1話はYouTubeで配信中

拡張性のあるシンプル色キット

 今回作成するキットはガンダムベース限定で2018年6月に発売したガンプラオリジナルのペインティングモデルです。基本的な構造は「HGUC 1/144ユニコーンガンダム(デストロイモード)」と同じですが、成型色がシンプルな構成となっており塗装を前提とした仕様となっています。また、付属品についても1号機であるユニコーンに加え、2号機バンシィと3号機フェネクスのアンテナパーツ、追加武装であるアームド・アーマーDEが付属しています。

シンプルなランナーカラーを採用したペインティングモデル
オリジナルカラーのユニコーンガンダムを作るのに適したガンダムベース限定キット

「HG 1/144 ガンダムベース限定ユニコーンガンダム(デストロイモード)[ペインティングモデル]」をクリスタルイルミネーション風に全塗装。

 それではユニコーンガンダムを制作していきましょう。今回はクリスマスイルミネーションカラーに塗装ということでサイコフレームの塗装に注力して塗装をしていきます。

使用したツール類。合わせ目消しやモールドの彫り直しを行なっていますのでニッパーややすりに加え、ラインチゼルなどの工具やパテを使用しています。
使用した塗料。ラッカー塗料を使用しメタルカラー中心で塗装を行なっていきます。

 まずはこれまでの作例と同様にキットを仮組していきます。

仮組を行なったユニコーンガンダム。シンプルなカラーリングとなっています。

パーツを分割し合わせ目を除去

 本キットはほとんど合わせ目がありませんが、一箇所注意すべき箇所がありました。太もも部分の合わせ目はサイコフレーム部分が挟み込みとなっているため、そのまま合わせ目消しを行なってしまうと分解ができず、塗装が大変になるのです。そこでパーツを分割することでこの問題を解消していきます。

合わせ目が発生する太ももパーツ。パーツ株に合わせ目が発生します。
パーツを分割した太ももパーツ。サイコフレーム取り付け部分に合わせて分割しています。

 分割を行なったパーツはタミヤのタミヤセメントを使用して接着していきます。接着後はやすり掛けを行ない、合わせ目を処理しました。

合わせ目処理を行なった太ももパーツ。ここから塗装を行なえば合わせ目は消えています。

肉抜き埋めで密度感アップ

 プラモデルはその成型方法からパーツに肉抜き穴が発生する場合があります。放置すると出来栄えが良くないので、肉抜き穴はポリエステルパテで埋めます。

一部パーツには肉抜きが多くあります。
肉抜き穴にポリエステルパテを盛りつけ。ポリエステルパテは硬化時に肉痩せがするため多めに盛りつけます。
やすり掛けを行なったパーツ。やすり掛け時に発生した気泡はラッカーパテで埋めています。これを塗装することで肉抜き穴がなくなります。

丸くなった先端をシャープ化することでディテールアップ

 ガンプラなどのプラモデルは安全性の確保のために先端が丸くなっています。先端部にプラ板を貼り付け、形状を調整することで先端をシャープ化します。

先端が丸くなっているシールドのフィン。先端部分をシャープ化していきます。
プラ板の接着面を多く確保するために先端部に切り込みを入れます。
先端にプラ板を瞬間接着剤で接着し延長します。
延長したプラ板を削り、形状を調整すれば先端がシャープになります。
加工前のパーツ(写真左)と加工後のパーツ(写真右)を比較してみました。加工を行なうことでディテールがアップしています。

お手軽にディテールアップが可能な万能パーツ。

 今回作成するキットに付属しているハンドパーツはビームマグナム持ち手(右手)と武器持ち手(両手)が付属しています。ガンプラのポージングをする際には握り手だけではなく開き手も欲しいものです。そこで、ハンドパーツを交換してしまいましょう。今回はBANDAI SPIRITSから発売中の公式改造パーツ、「ビルダーズパーツ」を使用しました。

キット付属のハンドパーツ。握り手のみのため交換していきます。
交換したビルダーズパーツ。握り手だけではなく開き手も付属しています。

簡単にできるディテールアップ。フロントアーマーの分割

 HGシリーズのフロントアーマーは左右がつながってしまっているため独立可動ができません。しかし、このフロントアーマーは中央で分割すると簡単に独立させることが可能となっています。今回の作例でもフロントアーマーを分割しておきましょう。

分割前のフロントアーマー。もともと分割可能な形状となっています。
分割を行なったフロントアーマー。これで左右独立可動が可能です。

簡単にできるディテールアップその2。安全フラッグのカット

 実際のMSのアンテナはシャープに尖っているのですが、ガンプラHGシリーズのアンテナは安全性のため先端にフラッグが付いています。ニッパーとやすりを用いて安全フラッグを加工することで、簡単にディテールアップができます。

加工前のアンテナパーツ。安全フラッグが付いています。
加工後のアンテナパーツ。安全フラッグがなくなりシャープになりました。

エッジのシャープ化とモールドの彫り直しでよりメリハリを与える

 ガンプラは成型時に装甲の分割線がモールドとして刻印されています。しかし、そのままではモールドが浅く、サーフェイサーや塗料によってモールドが埋まってしまうことがあります。塗装前に既存のモールドを彫り直しましょう。

 また、スジ彫りの彫り直しと並行してエッジのシャープ化作業も行ないます。ガンプラは成型時にパーツの角が丸くなってしまうことがあるので各面にナイフでカンナ掛けを行ない、エッジをシャープにしていきます。

モールドの彫り直しにはタガネを使用します。力を入れすぎないように注意しながら加工していきます。
デザインナイフでカンナ掛けを行なってエッジをシャープ化します。
加工前の太ももパーツ(写真左)と加工後の太ももパーツ(写真右)。モールドとエッジがはっきりしました。

 以上で加工は全て完了です。パーツをいつも通り超音波洗浄機にて洗浄し、続いて塗装工程に入ります。

サイコフレーム全体をグラデーションで塗装する

 今回の作例ではクリスマスイルミネーションをイメージして塗装するため、サイコフレームにグラデーション塗装を行ないます。グラデーションのバランスを整えるため、組み立てた状態で塗装を進めました。まずは下地にガイアノーツの「サーフェイサーエヴォ ブラック」を使用します。

サーフェイサーを塗布した本体。今回は組み立てた状態で塗装します。

 下地塗装が完了したら仕上げ色としてメタリックレッドを塗装。クレオスの「Mr.メタリックカラーGX GXメタリックレッド」を用いて、色彩の偏光を意識しながら塗っていきます。

メタリックレッドを塗装した本体。今回は斜めにグラデーションを入れてみました。

 メタリックレッドを塗装したら、2色目のグラデーションカラーとしてメタリックグリーンを塗ります。クレオスの「Mr.メタリックカラーGX GXメタリックグリーン」を使用しました。

メタリックグリーンを塗装した本体。きれいなグラデーションになりました。

外装パーツは上塗りの前に下地を整える

 グラデーション塗装が完了したら一度分解し外装部分を塗装していきます。メタリック塗装を行なったパーツにはそのままホワイトを発色させることが困難なため、一度下地色を塗り直します。クレオスの「Mr.カラー シルバー」を下地塗装として塗布しました。

下地塗装を行なったアームド・アーマーDE。クレオスのシルバーは隠ぺい力が高いため下地塗装に向いています。

 下地塗装が完了したら上塗りとしてガイアノーツの「Ex-ホワイト」を塗布していきます。ホワイトは隠ぺい力が低いので複数回重ね塗りが必要でした。

ホワイトを塗装したアームド・アーマーDE。光沢のあるホワイトに仕上がりました。

 バックパックや足先はアクセントカラーとしてゴールドに、関節部はグレーに塗装していきます。それぞれホワイト部分と同様に下地色を整える必要があります。今回はサーフェイサーと同じブラックで下地を作りました。使用したのはガイアノーツの「Ex-ブラック」です。

下地塗装を行なったバックパック。ブラックは隠ぺい力が高く、重ね塗りは不要でした。

 下地塗装が完了したら上塗りです。ゴールド部分はガイアノーツの「Ex-ゴールド」で、グレー部分はガイアノーツの「ミディアムブルー」を使用しました。

上塗りを行なったバックパック。しっとりとしたゴールドに仕上がりました。
上塗りを行なった腹部パーツ。青みのあるグレーに仕上がりました。

完成時にメリハリを与える墨入れ

 ここまで塗装が完了したら各パーツの墨入れ作業に入ります。塗料はタミヤの「墨入れ塗料(ダークグレー)」と「墨入れ塗料(ブラック)」を併用しました。ホワイトの塗装を行なったパーツには「墨入れ塗料(ダークグレー)」を、その他のパーツには「墨入れ塗料(ブラック)」を使用します。

タミヤの墨入れ塗料のふたには筆が付いているのでそのまま流し込むことが可能です。
塗料が乾燥したらはみ出た部分にエナメル溶剤を含ませた綿棒で拭き取り仕上げていきます。

クリスマスイルミネーションの輝きを再現したユニコーンガンダム

 これにて塗装はほぼ完了です。最後に表面とトップコートで整えたら完成です。早速完成したユニコーンガンダムを見ていきましょう。まずは塗装前後の比較です。

【正面】
塗装前
塗装後
【側面】
塗装前
塗装後
【背面】
塗装前
塗装後

 サイコフレームのグラデーションが幻想的な雰囲気を表現できたように思います。

ビームマグナムを構えてみました。ゴールド部分はツヤ消し仕上げをしたことにより浮いてしまうことなく、調和がとれていると思います。
シールドのアップ。サイコフレームのグラデーションと外装部のホワイトがクリスマス感を演出できているのではないでしょうか。
2号機バンシィと3号機フェネクスのアンテナも塗装してみました。アンテナが変わるだけで雰囲気が大きく変わります。
肉抜き部のアップ。組み立て時にあまり見えない部分ではありますが埋めておくことでチラッと見えた時の重量感を増しています。
開き手を使用して神々しいポーズにしてみました。組み立てを行なった状態でグラデーション塗装を行なったのでグラデーションのバランスが崩れず仕上がっています。

 いかがでしょうか。クリスマスをイメージしたグラデーション塗装のユニコーンガンダムでしたが、もしかしたらお台場のユニコーンガンダム立像も同じようにクリスマス仕様のライトアップが行なわれるかもしれませんね。ガンプラは自分のオリジナルカラーで塗装することも楽しみの一つだと思うので、これをきっかけにオリジナル塗装のガンプラを作ってみてはいかがでしょうか。

今回使用した工具一覧
使用工具品名
ニッパーGSIクレオス Mr.シャープネスニッパー両刃タイプ
ニッパーゴッドハンド アルティメットニッパー5.0
ナイフタミヤ モデラーズナイフ
やすりピットロード PY07「フィルムスティックやすり 400番」
やすりピットロード PY06「フィルムスティックやすり 600番」
やすりゴッドハンド かまぼこやすり 8mm 単目 細目
接着剤クレオス Mr.セメントSPB(ブラック)
接着剤タミヤ タミヤセメント
接着剤ウェーブ 瞬間接着剤×3G
スジ彫りファンテック スジ彫りカーバイト0.15
ポリエステルパテウェーブ パテ革命モリモリ
ラッカーパテタミヤ ベーシックパテ
延長用プラ板ウェーブ プラ=プレート【グレー】目盛付き 1.0mm
今回使用した塗料一覧
工程使用塗料
下地色ガイアノーツ サーフェイサーエヴォ ブラック
上塗り(メタリックレッド)クレオス Mr.メタリックカラーGX GXメタリックレッド
上塗り(メタリックグリーン)クレオス Mr.メタリックカラーGX GXメタリックグリーン
下塗り(ホワイト)クレオス Mr.カラー シルバー
上塗り(ホワイト)ガイアノーツ Ex-ホワイト
下塗り(ゴールド)ガイアノーツ Ex-ブラック
上塗り(ゴールド)ガイアノーツ Ex-ゴールド
下塗り(グレー)ガイアノーツ Ex-ブラック
上塗り(グレー)ガイアノーツ ミディアムブルー
上塗り(スラスター)クレオス 焼鉄色
部分塗装(センサー部分)クレオス Mr.メタリックカラーGX GXメタリックグリーン
部分塗装(ツインアイ縁取り)タミヤ エナメルカラーフラットブラック
墨入れタミヤ 墨入れ塗料(ブラック)、タミヤ墨入れ塗料(ダークグレー)
トップコートクレオス Mr.カラーGX スーパースムースクリアー、クレオス Mr.カラーGX スーパークリアーUVカット<光沢>