タイトーのプライズフィギュア「ARTIST MASTERPIECE+」、桜ミク～桜提灯ver.～網タイツ姿の桜島麻衣などの新作を発表

　「アーティストのこだわりを活かしたプライズフィギュアを」というコンセプトで商品化が行われているのがタイトーのプライズフィギュア「AMP+(ARTIST MASTERPIECE PURUS)」だ。イラストレーターや、原型師、彩色師、さらには写真家がフィギュアの写真を作成するなど、作家性を前面に出したハイクオリティフィギュアだ。今回はJAEPOに出展された新商品の話を聞いた。

　各フィギュアはクリアパーツや、造型への注力、彩色の細かさなどフィギュア製作技術を結集しての商品となる。タイトーのハイエンドブランドであり、1年で数種類しか生産されないこだわりのプロダクトだという。今回出展されていた商品を紹介したい。

クリアパーツに漆風台座、マテリアルにこだわった「桜ミク～桜提灯ver.～」

　1つめが「桜ミク～桜提灯ver.～」で、4月第5週目展開予定。桜色に染まった髪を持つ春らしい初音ミクだ。大きな袖のある上着にミニスカート、ニーハイブーツ、ネクタイと基本要素は初音ミクのフォーマットなのだが、カラーリングだけでなく、柔らかくしわを作る袖などで和風の雰囲気がある。一方でブーツはエナメル加工がされており、服との違いを際立たせている。

　そして本フィギュアの大きな特徴が「マテリアル」だ。クリアパーツにかすれた塗装を施した提灯、長い髪の毛も途中からクリア素材になるような塗装によるグラデーションが施されて神秘的な雰囲気だ。髪の毛にも桜の花の印刷がされているのも良い。腰掛けている台座は漆塗り風の処理がしてあって、全体的な和風の幹事と、異なるマテリアルを組み合わせたリッチさが感じられる。

【桜ミク～桜提灯ver.～】

グラデーション塗装が施された温かみを感じさせる提灯。布の柔らかさが感じられる服

毛先が透明に変わる髪の毛の表現。エナメル加工のブーツとの対比も注目。電池(別売り)を入れると提灯を光らせることができるという

布の表現と密度が楽しい「イレイナ～魔女服ver.～」

　「イレイナ～魔女服ver.～」は、アニメ「魔女の旅々」の主人公イレイナの魔女服姿を立体化したもの。4月第5週展開予定。髪の毛の複雑な造型や、凝ったアイプリント、頬に入ったチークや、口の中の塗り分けなど、表情の表現が凝っている。プライズフィギュアは顔の塗り分けなども少なくなりがちだが、アニメのキャラクターの雰囲気に近づけるためにかなりリッチな塗装が施されているのがわかる。

　そして何より、服の表現だろう。大きめのサイズの体を包む魔女服はしわや、ホウキから垂れ下がるスカートの表現などかなり力が入っているのが確認できる。手で押さえた帽子の柔らかな曲がり具合や、左手の袖から出た白くて細い腕など繊細な表現に目が惹きつけられる。キャラクターのファンならずとも欲しくなってしまうフィギュアだ。

【イレイナ～魔女服ver.～】

このフィギュアの見所の1つは表情だろう。元気が良くてかわいらしい。見ているこちらも楽しくなる

風を感じさせる魔女服。ボリュームのある布の表現が素晴らしい

網タイツが包むしなやかな足をプライズで！　「桜島麻衣～バニーver.～」

　3体目がアニメ「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」のヒロイン・桜島麻衣のフィギュアである。5月第4週展開予定だ。表題通りのかわいらしく色っぽいバニー姿でのフィギュア化である。ちょっといたずらっぽさを感じさせる表情など、アニメのデザインをしっかり立体化しておりその表現は感心してしまう。

　アニメの絵やイラストを立体化し、違和感なくしっかり表現する技術はどんどん進化していることが実感させられる。またグラデーションのかかった髪の毛や、エナメル加工の革のバニースーツに包まれたプロポーションの整った肢体の表現も見事だ。

　このフィギュアでの最大の注目点は網タイツだろう。バニー姿のフィギュアは今やフィギュア化の定番であり、その魅力が長くバランスのとれた足を包み込む網タイツだが、小さなフィギュアでリアリティのある編み目の細かい素材をきちんとフィギュアにかぶせる製作技術は難しい。約15cmというサイズでこの網タイツの表現は開発者の努力を感じさせる。このフィギュアは表情やバニースーツも魅力的だが、やはりその足が最大の注目ポイントではないだろうか。

【桜島麻衣～バニーver.～】

アニメのキャラクターの表情をどう立体化するかはフィギュア原型師が模索し続けるテーマだが、このキャラクターの表現は特に魅力的に感じる

網タイツは様々なメーカーが挑戦しそのノウハウはかなり高められている。15cmのプライズフィギュアで網タイツをしっかり表現するこだわりが嬉しい