特別企画
フィギュア史にその名を刻むνガンダムフィギュアが再販決定! 「METAL STRUCTURE 解体匠機 RX-93 νガンダム」の魅力を再確認する
2023年9月2日 00:00
- 【METAL STRUCTURE 解体匠機 RX-93 νガンダム】
- 2024年1月再販予定
- 価格:110,000円
BANDAI SPIRITSの「METAL STRUCTURE 解体匠機 RX-93 νガンダム」が2024年1月に再販となる。価格は110,000円。9月4日より一般店頭にて予約開始だ。解体匠機は、"かいたいしょうき"と読む。
「METAL STRUCTURE 解体匠機 RX-93 νガンダム(以下、解体匠機 νガンダム)」はアクションフィギュアというジャンルにおいて"歴史に残る商品"といっても過言ではないだろう。ディテール、ギミック、クオリティ……そしてプレイバリュー。全高約370mm、総重量約6kg、金属パーツを含めた約2,000パーツにより構成される圧倒的な情報量と密度は手に入れた人にとって「宝物」となるだろう。
弊誌では2019年12月、「解体匠機 νガンダム」発売に合わせたインタビューを掲載している。今回はそのインタビューを振り返りつつ、もう一度「解体匠機 νガンダム」の魅力を掘り下げていきたいと思う。この機会にぜひこの商品を手にして欲しい。
どこまで見ても情報量に圧倒される、ディテール密度の濃さが最大の魅力
「解体匠機 νガンダム」、10万円を超える価格に見合うだけのクオリティとギミックを持った究極のアクションフィギュアを企画したのはBANDAI SPIRITSコレクターズ事業部の野口勉氏だ。「ROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.」シリーズなどを立ち上げ、完成品アクションフィギュアの世界に様々な新たな驚きをもたらしてきた人物だ。
本商品での野口氏の企画のきっかけは「自宅のインテリアとして、ずっと飾っておきたくなるフィギュア」というものだったという。優れたモデラーならばプラモデルに手を入れ自分の思うままにこだわりを活かし、どこまでも完成度を上げた作品を追求し自分の作品を飾って眺めるという楽しみがある。しかし模型スキルがない人、プラモデル製作が趣味でない人はその楽しみが味わえないのだろうか? 野口氏はコレクターズ事業部の現在の技術ならば、究極まで凝った完成品アクションフィギュアで、自宅に飾りいつまでも眺めていられるような楽しさを提供できるのではないかと考えたとのことだ。
「解体匠機 νガンダム」の最大の魅力はここだろう。「ROBOT魂」のサイズが全高約13cmほど、「METAL BUILD」が18cmほど、これらに対し「解体匠機 νガンダム」のサイズは約37cm。圧倒的な存在感だ。大きな商品はディテールが甘くなるものも多いが、本商品は違う。マーキング、装甲の重なり、関節を形成する部品の細かさ……。目を凝らせばどこまでも新しい発見がある。まさに眺めるだけで時間を忘れてしまう情報量なのだ。
この情報量をもたらす要素の1つが「解体匠機」というコンセプト。江戸時代、杉田玄白らが翻訳し出版した日本で最初の解剖学の解説および図鑑「解体新書」から付けた名前で、νガンダムを「実在するメカ」として解釈し、商品デザインではパーツ単位でその機体を再現した上で完成品ロボットフィギュアとして構築している。解剖学のように構成部品1つ1つに意味を持たせて実在のロボット像を追求しているのだ。
本商品には「取扱説明書」に加え「解説書」が付属している。この解説書ではスタッフがいかにνガンダムの構造を考え、構成部品を検証し各部品の機能や役割を考察した上で立体物へと昇華させていったかが紹介されている。現在、魂ウェブでは「METAL STRUCTURE 解体匠機 MSN-04 サザビー」の解説の一端を見ることができる。商品がいかに多くの部品で構成され、その部品1つ1つに考察が行われているか見ることができる。解説を見ながら商品を見ても、時間を忘れてしまうだろう。
高機動戦闘、メンテナンスを意識した装甲展開ギミック
そして「解体匠機 νガンダム」は眺めるだけでなく、"遊べる"のだ。全身の可動によってポーズ付けが楽しめるだけでなく、装甲が可動し内部メカが現れる機構が盛り込まれている。ユニコーンガンダムのような"サイコフレームの露出"ではなく、「戦闘機動用」と「メンテナンス用」という2つの解釈で外装の可動が可能だ。
肩部分のスラスターの熱を逃がす肩アーマーの開放。腰アーマーはずれてスラスターが現れる。「RX-78GP01/Fbガンダム試作1号機(フルバーニアン)」の胸のスラスターのように、作動時にだけ現れるイメージ。足部分は装甲が連動して動きムーバルフレームが露出する。そしてふくらはぎの装甲が展開、中から2つの大型バーニアが現れる。このふくらはぎは他の部分から見ても変化が大きいギミックだ。
宇宙空間には空気がないが、ムーバルフレームを露出させることで"放射"によって廃熱を効率的に行うことができる。ムーバルフレームの露出はこの効果を狙ってのものだが、この技術が後のユニコーンガンダムの変身システムに繋がったのではないか? そういう空想も楽しいとのこと。ムーバルフレームに緑の差し色が入っているのもニヤリとさせられる要素だ。
ここからさらに装甲を大きく可動させ、「メンテナンス」を意識した装甲開閉も用意されている。頭部の装甲なども開き様々な場所の内部メカを見ることができるようになる。胸のダクト部分も開き、ガードで覆われていた内部機構を見ることができる。現実の機械を参考にしたと思われる場所も随所にあり、この形態はνガンダムの"実在感"を高めてくれる。"本物のガンダム"を前にしたような気持ちがさらに高まるだろう。
「解体匠機 νガンダム」はコクピットハッチも開閉可能だ。このメンテナンスモードではコクピットを開く場面がぴったりだ。しかもコクピット内部や胸部、頭部にはライトが仕込まれており、コクピット内部から漏れ出る光も楽しめる。専用台座にもらいとがあり、スポットで光を当てることも可能。部屋を暗くしてライトの中に浮かび上がるνガンダムを楽しむのも良いだろう。
特にこのメンテナンスモードで有用なのが台座に付属しているタラップだ。自由な高さに足場を渡せるように組み立てられる上、作業員のフィギュアも付属しているので、ストーリー姓を感じさせる飾り付けも可能だ。
この装甲展開はユーザーの想像力でさらに遊びの幅を拡げてくれる。νガンダムが最大の機動力を活かす形態はどういうものだろう? 内部機構が見えるカットモデルのように右半身のみ装甲を分割してみるのは? 色々なイメージで装甲を開閉し姿が変わるνガンダムを楽しみたいところだ。
そして武器である。「解体匠機 νガンダム」はビーム・サーベルと、ビーム・ライフル、シールドそしてニュー・ハイパー・バズーカが用意されている。各武装ともオリジナルの解釈が込められていて、バズーカは携行用に砲身が折れ曲がるギミックを搭載している。ライフルは上部のグレネードランチャーや、マガジン部分が外れる。
シールドは特にギミックが集中している。装甲が展開し内部フレームが出たり、フィンが展開する。ビームを受けた際の熱をより速く拡散させるためだろうか? 盾についているビームキャノンは特にデザインが凝っている。
台座もこだわりポイント。前述した足場を設置したジオラマベースにも使え、武器も懸架できる。台座は裏に鉄の支えが入っているので約6kgの「解体匠機 νガンダム」の重さをしっかり支えてくれる。
今回販売される「解体匠機 νガンダム」ではνガンダムの最大の特徴と言える「フィンファンネル」が別売という扱いになっているのは議論されるところだろう。今回はフィンファンネルを装備した「METAL STRUCTURE 解体匠機 νガンダム フィンファンネル装備」が2024年1月に抽選販売を。「METAL STRUCTURE 解体匠機 RX-93 νガンダム専用オプションパーツ フィン・ファンネル」も抽選販売ということがアナウンスされた。こちらの詳細は9月4日に正式に発表される。
「解体匠機 νガンダム」はやはりユーザーの"宝物"となる商品だ。ガレージキットメーカーなどこれまでもホビーでは高額な商品があったが、BANDAI SPIRITSがその商品技術を活かし高額商品にチャレンジしたという意味合いは大きい。特にプレイバリューと耐久性においての安心感がある。飾るだけでなく遊べる商品だ。この玩具史、模型史に刻まれる商品が再販され、より多くのユーザーの手に届くようになったのは喜ばしいことだと思う。この機会を逃さず、手にして欲しいところだ。
(C)創通・サンライズ