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「METAL BUILD DRAGON SCALE ヴェルビン(コンセプトモデル)」とは何か? 明らかになる製作過程!【#魂ネイション2023】

【TAMASHII NATION 2023】

開催期間:11月17日~19日

会場:東京都千代田区「ベルサール秋葉原」・「秋葉原UDX」

入場料:無料

 会場注目の商品の1つが、「METAL BUILD DRAGON SCALE ヴェルビン(コンセプトモデル)」だろう。非常に精巧ではあるが、無塗装、そして無可動の立像なのだ。可動フィギュアの最高峰ブランドである「METAL BUILD」の名を冠していながら、この商品はどんな立ち位置なのか、新しいブランドなのか? ヴェルビンの姿を見たとき疑問に思う人もいるだろう。

 本商品はその名の通り「コンセプトモデル」だ。実際の商品ではなく、"商品化のための試作品"である。他のアクションフィギュアとは全く異なるアプローチから商品の仕様を詰めているということをアピールするための試作品なのだ。会場では既に発売されている「METAL BUILD DRAGON SCALE サーバイン」を例にとり、商品の仕様が決まっていくまでの過程を説明している。

「METAL BUILD DRAGON SCALE ヴェルビン(コンセプトモデル)」、今回は商品ではなく、原型師が製作した"手原型"である。ここから可動を盛り込んでいく。他の商品とは大きく異なる製作過程だという

 サーバインと、ヴェルビンはまずガレージキットのような精巧な立像を作るところから具体的な商品仕様を決めていくという。スタイル、ディテール、「METAL BUILD DRAGON SCALE」としてどんなフィギュアにしていくのか? 最初からアクションフィギュアとして設計するのではなく、その立ち姿を細部までしっかり作り込んでから、どう関節を盛り込むか? ポーズを取らせるためにはどんな機構を設定するかの検討に入るという。

 今回のコンセプトモデル、いわゆる「モックアップ(試作模型)」はデジタルデータで作られるのではなく、原型師が樹脂などを削って作る"手原型"で製作される。コンピュータ上ではない、昔ながらの原型師の造型技術を活かした独特のセンスで「オーラバトラー」という、生物と機械の中間のようなロボットを作り込んでいく。

会場では「METAL BUILD DRAGON SCALE サーバイン」での商品化への段階が解説されている
原型師による手原型。比べると商品とはプロポーションも異なる
可動を盛り込んでいく
こちらはVer.5の可動試作品。通常の商品よりかなり長い時間がかかったとのこと
工場生産のために設計をさらに突きつめる。"商品"としての完成度には、可動による耐久度なども考慮される。遊びやすくカッコイイ商品というのは、メーカーだからこそ実現できるポイントだ

 その上で「METAL BUILD DRAGON SCALE サーバイン」では数度にわたる「可動試作」が行われたという。原型をスキャンしデータとして取り込んだ上で他のフィギュアと同じようにCADデータでの関節設計を盛り込んでいったとのこと。その可動のの検証はVer.5まで重ねられたとのことだ。可動を盛り込みながら原型の味をできるだけ変えない。しかも可動域を広くし様々なポーズを取らせる。荷重のかかる金属部品は繊細な造型は難しい。全体の味を活かしつつプレイバリューをいかに大きくするか、その設計は非常に大変なものだろう。

 そしてここからが困難なところではあるが、この繊細な原型を"量産"しなくてはならないのだ。大量生産のための工場での生産品、組み立て工程を考えたパーツ設計など、1品ものの試作品と、工場用の試作品では乙女られる方向性が異なる。そこからいかに原型の味を再現するか、それは工場側の腕の見せ所でもある。BANDAI SPIRITSの技術がなければ実現しない商品である事を痛感させられる展示だ。

 その上で"ヴェルビン"という新しいキャラクターに挑戦していく。サーバインと異なり、メカニカルな要素もあり、力強さも感じさせるオーラバトラーだ。今回提示されたのは最初のモデルである原型師による手原型だ。ヴェルビンでは"装甲の重なり"も意識した設計が成されているという。サーバインとは異なるこのオーラバトラーが同可動域を設けられ、商品となっていくか、今後の情報を待ちたい。

【ヴェルビン】
手原型でのヴェルビン。これにどのように可動が仕込まれていくのだろうか?