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1パーツで巨大な羽を表現することで生まれる凄味! 海洋堂「ARTPLA エヴァンゲリオン 量産機 “襲撃”」【#全日本模型ホビーショー】
2024年10月13日 16:22
- 【第62回 全日本模型ホビーショー】
- 開催日:10月11日~13日(11日は業者招待日)
- 会場:東京ビッグサイト南1、2ホール(東京都江東区有明3-11-1)
- 入場料
- 当日券:1,200円
- 前売り券:1,000円
- ※中学生以下は無料
海洋堂ブースでは自社のプラモデルブランド「ARTPLA(アートプラ)」で「エヴァンゲリオン」を扱った新作を会場で発表した。本稿では特に「ARTPLA エヴァンゲリオン 量産機 “襲撃”」にフォーカスしていきたい。
海洋堂の「ARTPLA」は、ガレージキットメーカーである海洋堂が、各造型作家ならではの造型を最大限に活かしたプラモデルを製作する、というのが大きなコンセプトとなる。モチーフに対し造型作家がどんなアプローチをしたのか? アレンジ、ポーズ、パース、見せ方……様々な魅力を持った原型をプラモデル化する。このため基本は固定ポーズ、こだわりの造型を余すことなく再現する、というのが商品の見所となる。
また、もう1つのコンセプトとして「組みたて前のランナーの状態ですら美しい」、というポイントがある。造型を活かすためにいかにパーツ分割をしてランナーに収めるか? ランナーに接続されたパーツを見ながら組みたてた状態を想像し、また、パーツ状態でも造型師がこめたディテールへのこだわりを堪能する。とことん“造型”にこだわったプラモデルなのだ。
「ARTPLA エヴァンゲリオン 量産機 “襲撃”」では、“羽”が最大の注目ポイントだ。本キットではこの巨大な羽根を分割なしの1パーツで表現しているのだ。「このパーツを収める箱(パッケージ)はどうなるんだろう?」とも思うが、実に魅力的な設計である。1パーツでの羽根の迫力は凄まじい。
モチーフである「エヴァンゲリオン 量産機」は、旧劇場版「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」に登場する機体。ゼーレの意図によりNERV本部が戦略自衛隊に襲撃を受ける中、エヴァンゲリオン2号機に乗ったまま固定に隠されていたアスカが覚醒、エヴァは初めて人間に対してその力を振るう。この2号機に対抗するため投入された機体である。量産型の名の通り、5~13号機まで9体が存在する。
量産機がこれまでのエヴァと大きく異なるのは目のない顔と赤い唇のような意匠を持つ大きな口、そして巨大な羽である。戦略自衛隊と戦うアスカの2号機はまるで悪魔のように描写され、爆撃機のような輸送機から羽を広げて滑空し2号機を取り囲むような量産機はまるで天使のように感じられる演出がなされた。その後2号機と量産機は思わず目を背けたくなるような凄惨な戦いを繰り広げていく……。
「エヴァンゲリオンが羽を持っている!」というのは、当時のファンにとって驚くべき情報だった。筆者も劇場で映画を見てまずその羽に驚かされた。「ARTPLA エヴァンゲリオン 量産機 “襲撃”」はその印象的な羽を実に効果的に表現している。
この商品の原型を製作したのは谷明氏。今回パーツ展示は羽だけだったが、そのパーツが描く曲線の独特の形状とボリュームによる迫力が凄まじい。実際海洋堂社内でも「1パーツで行くのか、それとも分割するか?」で議論が巻き起こったとのこと。原型の迫力を再現するには1パーツで、というところで決定したとのこと。
「ARTPLA エヴァンゲリオン」は様々な造型師による商品が展開する。松村しのぶ氏がガレージキットとして製作した原型をプラモデル化した「ARTPLA SCULPTURE WORKS エヴァンゲリオン初号機“暴走”」、ARTPLA用に吉良かずや氏が原型を製作した「ARTPLA SCULPTURE WORKS エヴァンゲリオン2号機獣化第2形態ザ・ビースト“ジオフロント血戦”」。「ARTPLA エヴァンゲリオン 量産機 “襲撃”」は第3弾となる。元々はガレージキット向け原型だ。
前2つに比べると量産機そのもののデザインはアニメのものに近いが、ポーズとそして羽が強いインパクトをもたらす。塗装をするのも面白いし、その造型をしっかり味わうため無塗装や、スミ入れのみでも楽しそうである。羽が描く独特の曲線、そしてシルエットをしっかり味わいたい。発売が楽しみな商品である。
(C)カラー/EVA製作委員会