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折りたたみ翼の新ギミックを搭載した“艦載型”がついに着艦!タミヤの1/72「F-35C ライトニング II」【#静岡ホビーショー】

【第63回 静岡ホビーショー】
会期
業者招待日:5月14・15日
小中高校生招待日:5月16日
一般公開日:5月17・18日
会場:ツインメッセ静岡(静岡市駿河区曲金3丁目1-10)
入場料:無料
※入場には事前登録が必要

 タミヤはウォーバードコレクション最新作「1/72 ロッキード・マーチン F-35C ライトニング II」を「第63回 静岡ホビーショー」で公開した。価格は4,400円、発売は2025年8月予定。これで1/72 ウォーバードコレクションにA・B・Cの全3タイプが勢ぞろいした。

ブースでは3機種の比較展示も行われていた

F-35 ライトニング II の開発と“C型”

 F-35は米国主導のJSF計画から生まれた第5世代マルチロール戦闘機で、レーダー低視認性と360°センサー融合により制空・対地・電子戦を1機でこなせるのが最大の特徴。シリーズは3タイプあり、空軍仕様で最軽量・最安、運用コストが低い標準のA型、海兵隊向けにリフトファンを搭載し短距離離陸/垂直着陸(STOVL)を実現したB型、そして艦載運用に特化したC型が存在する。

C型を象徴する翼端折りたたみ機構

 F-35Cは翼面積を約1.5倍に拡大し、翼端折りたたみ機構と強化脚、アレスティングフックを備えることで空母でのカタパルト発進とワイヤ着艦に対応。内部燃料搭載量もシリーズ最大で、艦載機としては例外的な長航続距離を誇る。2019年に初期作戦能力を獲得した後、空母「カール・ビンソン」などで実運用が進行中であり、長射程巡航ミサイルや強化電子戦機能の導入によって2030年代以降も米海軍航空の主力として運用が続く見込みだ。

作りやすさとシルエットを両立――“差し替え不要の折りたたみ翼”

 本キットは「作りやすさとシルエットの両立」を命題に設計。既発売のA・B型同様、ステルス面取りの角張りや RAM パネルの極薄モールドを踏襲しつつ、C型固有の大型主翼などを1/72用に最適化した。なかでも目を引くのが差し替え不要の折りたたみ翼だ。

 C型最大の特徴である折りたたみ翼を、タミヤは従来の“差し替え式”から固定選択式へ刷新。ランナーに付いたまま主翼ヒンジドアを接着すれば展開状態が、ヒンジ部をカットして貼り合わせれば折りたたみ状態が完成する。1/48と異なり、1/72では差し替え式だと差し込み箇所が厚くなりフォルムが崩れがちだが、この方式で解決したという。

機体上面部品と外翼が一体成形されているためアライメントが固定され、正確なフォルムを維持したまま組み立てられる。
展開時は主翼ヒンジドアを接続部に取り付ける。折りたたみ時は接続部をニッパーで切り離し、切断部に接着する。
主翼面や切断跡で外観を損なう心配なく、簡単に各状態を選択して組める。

 また、“Battle Penguin”の愛称で知られる特徴的な前脚・主脚も1/72用に再構築。着艦時の衝撃に耐える強化ダブルタイヤ、ランチバー、ドラッグブレースなど、艦載機ならではのディテールを余すところなく再現している。

F-35Aと比べると主脚構造やタイヤ径が大幅に強化されているのがわかる。
艦載機ならではのアレスティングフックも装備。
ランナー構成はグレー成形4枚+クリアパーツ。外観と脚部が新規金型で、それ以外はA型と共通パーツだ。
デカールには2024年11月、横須賀基地に配備された空母「ジョージ・ワシントン」艦載機を含む6種類のマーキングが付属。
開閉選択式キャノピーとRAMパネルモールドも高精度に再現されている。

 A・B型ゆずりの「組みやすさ」に加え、艦載型ならではの花形ギミックを盛り込んだ 1/72 F-35C。折りたたみ翼を差し替えなしで再現し、脚部の強度とディテールを両取りした本キットは「初心者でも失敗なし、上級者には作り込み甲斐が倍増」というタミヤ流モデリング哲学の結晶だ。A・B・Cがそろった今こそ、1/72スケールでF-35ラインを並べて楽しみたい。