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57年ぶりの全面刷新!タミヤ渾身の1/35「アメリカ駆逐戦車 M36」が最新ディテールで再来!【#静岡ホビーショー】

【第63回 静岡ホビーショー】
会期
業者招待日:5月14・15日
小中高校生招待日:5月16日
一般公開日:5月17・18日
会場:ツインメッセ静岡(静岡市駿河区曲金3丁目1-10)
入場料:無料
※入場には事前登録が必要

 タミヤはミリタリーミニチュア(MM)シリーズ最新作1/35「アメリカ駆逐戦車 M36」を「第63回静岡ホビーショー」で公開した。価格は4,950円(税込)、発売は2025年8月予定。1968年発売のモーターライズ版以来57年ぶりのフルリニューアルで、カウンターウェイトの一体成形や細部まで作り込まれた新規パーツなど、「最新タミヤ設計哲学」が凝縮されている。

ブースではパーツ類や開放砲塔内部の精密再現が来場者の目を奪った。

アメリカ駆逐戦車 M36とは

 M36はM10駆逐戦車の車体に90mmM3高初速砲を搭載したアメリカ陸軍の自走対戦車砲(ガン・モーター・キャリッジ)。1944年10月にフランス戦線で実戦投入され、12月のアルデンヌ(バルジ)反攻ではティーガーIIやパンターの撃破に貢献した。終戦までに約1,400輌が生産され、朝鮮戦争でも「パーシング不足を補う対戦車火力」として活躍した。

 戦後は同盟国へ広く供与され、1両(M36B1)が日本にも試験評価用として付与されている。本車に搭載されている90mm砲は61式戦車の開発にも大きく貢献した。そのため、61式戦車の試作車であるSTAの防盾部は本車に類似している。このとき供与されたM36は現在も陸上自衛隊土浦駐屯地(武器学校)にて展示されている。

陸上自衛隊土浦駐屯地(武器学校)にて展示されているM36。桜の時期など一般公開日には間近で見学できるので、ぜひ訪れてみてほしい。

 ちなみに「ジャクソン」という愛称でも知られるが、この名称は1944年11月に兵器局が新聞などの広報目的で付けた呼称であり、とくに戦時中の前線部隊で使用されていたわけではない。

新金型で生まれ変わったM36

 本キットはタミヤが陸上自衛隊土浦駐屯地(武器学校)やベルギー王立軍事博物館など、国内外で新たに調査計測をしたうえでリニューアルされている。そのため、別キットのM10でも使用されている透明部品とM2重機関銃を除き、ほぼすべてのパーツが新規金型だ。

中央上部の透明部品とM2重機関銃を除き、ほぼすべてのパーツが新規金型による成形。

 最大の見どころは90mm砲身のカウンターウェイト。スライド金型による一体成形でパーティングライン処理が不要となっている。オープントップ砲塔内部も全面再設計され、砲弾ラックから消火器、ターポリン製弾薬カバーのジッパーまで細部を精密再現している。

特殊なスライド金型を使用することで、一体成形にもかかわらずカウンターウェイトの上部にもしっかりと表現が加えられている。
砲塔内部は消化器などの備品はもちろん、ターポリン製弾薬カバーのジッパーに至るまで極薄パーツで質感を再現している。

 別キットのM10では“閉口状態”だった車体前面のペリスコープは、M36では稼働状態を想定して“開口状態”に変更。足まわりはプラ履帯に刷新され、1945年ルクセンブルクで撮影された“穴なし履帯+穴開きロードホイール”を参考に、戦中仕様を新造している。また、糸材だったワイヤーロープは4分割プラ化にすることで、リアルな動きや取り回しが容易になる改善が施されている。

M10ペリスコープ
M36ペリスコープ
M10足回り
M36足回り
ワイヤーロープは毛羽立ちや接着が難しいといった問題がおきやすい糸材をやめ、4分割プラ化してレイアウと取り付けがビシッと決まるように変更
付属の搭乗員にも工夫が加えられており、銃器と手のパーツを一体化させることで、持ち手に隙間などが生まれないように配慮されている。

 57年の時を経て現代ディテールで復活したM36は開放砲塔の密度、各パーツの作り込み、どこを取っても「2025年型タミヤ」印の快作だ。8月の店頭到着が待ち遠しい。