ニュース

フジミ模型、15年ぶりに「静岡ホビーショー」に出展、「お客様に弊社の商品がどう楽しまれているか、社員と共に認識したかった」【#静岡ホビーショー】

【第63回 静岡ホビーショー】
会期
業者招待日:5月14・15日
小中高校生招待日:5月16日
一般公開日:5月17・18日
会場:ツインメッセ静岡(静岡市駿河区曲金3丁目1-10)
入場料:無料
※入場には事前登録が必要

 今年の「静岡ホビーショー」の話題の1つがフジミ模型の静岡ホビーショーへの出展だろう。フジミ模型としては15年ぶりの出展となるという。フジミ模型は静岡の老舗模型メーカーであるが、1992年に静岡模型教材協同組合から脱退、2010年からは静岡ホビーショーへの出展も見送っていた。

 今回、フジミ模型は接着剤を使わず組み立てる「スナップ式」の艦船モデルをはじめ自社製品の今後の新商品を大きくアピール、「新しいフジミ模型」を前面に押し出したブース展開を行っていた。フジミ模型は2024年2月に、新社長である中村誠一氏にバトンタッチしている。スタッフも新しい人が多く、「新生フジミ模型」というイメージを強調していた。

フジミ模型の新社長/中村誠一氏

 今回会場では新商品を積極的に告知していた。1つめが「波」シリーズ。喫水線から下を立体化せず、洋上を浮かぶ船をイメージした艦船模型に、クリアパーツで形成された「プラ製波ベース」を新規造形、波を蹴立てて進む艦船を表現する。これらの手法は自作模型でジオラマとして行うユーザーもいるが、「波」シリーズはこれを製品でできるようにする。もちろん塗装を施すことで見栄えはさらに上がる。

 第一弾は「日本海軍戦艦 大和(天一号作戦/昭和20年)」5月発売予定で、価格は4,290円。接着剤を使わないスナップ仕様だ。人気の高い大和で、新シリーズのファンをつかんでいく。

【「波」シリーズ】
艦船モデルとエフェクト付き土台のセット。第一弾は「日本海軍戦艦 大和(天一号作戦/昭和20年)」
プラ製波ベースで洋上を進む戦艦を表現

 さらに新海誠監督のアニメーション作品「雲のむこう、約束の場所」に登場する小型飛行機「ヴェラシーラ」を商品化する。発売日、価格は未定だが、精度の高いレジンパーツを使い、特異な形状の飛行機をしっかり再現するという。

 また、6月には「1/24 20ftコンテナ」というプラモデルを展開する。価格は3,520円。他にも「ゴジラ-1.0」に登場した迫力のある「ゴジラ(2023)」を精密な造形はそのまま、デフォルメ体型というユニークなアレンジでのプラモデル「ゴジラ(2023)70周年記念バージョン」を9月に発売。「マクロス」シリーズにも参戦、1/144で「VF-1 バルキリー」を立体化していく。

【多彩な新商品】
独特の繊細な形状を表現する「ヴェラシーラ」
クリアパーツも同梱され、車のプラモデルのディスプレイケースとしても使える「1/24 20ftコンテナ」
「ゴジラ(2023)」を精密な造形はそのまま、デフォルメ体型で表現
1/144で「VF-1 バルキリー」を立体化

 会場で中村社長に話を聞いたが、今回の出展を決めたのは「社員全員が自分たちの商品がどのように受けいられているか、お客さんがどんな感想を持っているか、目の前で見てほしい」という想いからとのこと。「静岡ホビーショー」は直接ユーザーと触れ合い、言葉を交わせる場所だ。それは商品の開発や、販売への意欲に繋がる。そう判断したとのこと。

 「言い方が合っているかわからないですが『プライドを持って仕事をしていこう』というのが、会場で私を含めた全員に意識してほしいところなんです。どうしても社内だけだと自分たちが一生懸命開発し販売している商品の評価がわからないことがある。褒められたり、喜んでもらえてる、ということをもっとちゃんと知りたいと思ったんです。僕らの商品の間口の広さとアプローチの面白さを感じてほしいです」と中村社長は語った。

 フジミ模型の強さとしては「金型技術のレベルアップ」があるという。社内に金型工場があり、金型に対しての経験値の蓄積と反映ができるところがこれからのフジミ模型の成長の柱の1つとのこと。

 昆虫シリーズの独自路線、ハイクオリティな艦船や車などフジミ模型はこれまでも独自のファンを獲得している。今後さらに新しい挑戦で進化していくか、注目したい。

金型工場を社内に持っているのも強みだという
「スズキ ジムニー シエラ」が7月登場
こちらは発売中の「トヨタ FJ クルーザー」無塗装のボディの光沢がセールスポイント