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「チョコサプ 機動戦士ガンダム」をシタデルカラーでポスター風に塗ってみた【夏休み特集】

【チョコサプ 機動戦士ガンダム】
7月14日 発売
価格:1個385円

 7月14日に食玩「チョコサプ 機動戦士ガンダム」が発売された。価格は1個385円。「チョコサプ」はホワイトチョコとミルクチョコのカプセル型チョコの中に全高45mmほどのABS製フィギュアが入っている製品で、今回は「機動戦士ガンダムシリーズ」の名場面を再現したフィギュアが合計19種ラインナップされている。

 フィギュア本体カラーはグレーでアニメ劇中シーンや劇場版ポスターをイメージした造形のため、もっと楽しむならカッコよく塗装してみたい。ということで今回は、シタデルカラーを使って簡単に油彩や劇画風に見える塗装をしてみる。

 シタデルカラーは英国ゲームズワークショップが販売する水性エマルジョン系塗料で、小さなミニチュアを筆で塗装することに特化した速乾性、色伸びを持ち、塗料のタイプによって「カバー力が高く、色が暗目だがしっかりと食いつく色」、「カバー力は低く水っぽい点もあるが、原色に近い鮮やかな色で重ね塗りに向く色」などがある。同社が販売する「ウォーハンマー」シリーズはもっぱらこの塗料で塗られる。

 今回、プレミアムバンダイで7月中に予約を受け付けていたこと、全19種で1箱では揃わないと思ったことから、プレミアムバンダイで2セット(20個)を購入し、そのうちから2個、「ドム」とそれに対峙する「ガンダム」を選んで塗装する。

チョコは到着後1週間で全て食べた
チョコの中にカプセルがあり、その中に袋にパックされたフィギュアが入っている
「ドム」と「ガンダム」

 また今回、塗料の食いつきをよくするためにシタデルカラーのスプレー「ケイオスブラック」でアンダーコートを行なっている。シタデルカラー自体は水性エマルジョンで、ベースカラーをしっかりと塗れば多少のプライマー成分を含むため食いつきはするのだが、普段からこの工程を行なうため、その一環として行なった。

シタデルスプレーで下地塗り

 また、ABS樹脂は大量の有機溶剤に触れると割れやすいことにも注意が必要だ。もしラッカー塗料、アクリル塗料、エナメル塗料を使用して塗装を行うなら、あらかじめサーフェイサーを吹いてフィギュア全体をコーティングしておくことが望ましい。

ガンダムを明るい色から塗る

 今回は劇場公開時のポスターを参考に塗るため、「ドム」は向かって左、「ガンダム」は向かって右から光が当たっているように塗る。「ガンダム」は明るいトリコロールカラーが特徴なので、まずは白を全体に塗り、そこから色分けをし、暗目の色で影になる部分を塗っていく。

 シタデルカラーは塗料の食いつきをよくする下地のスプレーを吹き、彩度は低いが下塗りに向く「ベースカラー」、原色に近い鮮やかな「レイヤーカラー」の順に塗っていく。まずはベースカラー「コラックス・ホワイト」で全体を塗る。最初のスプレーを「ホワイトスカー」にしておけば、黒地に白を発色させるより少し楽に塗れる。

コラックス・ホワイトを塗る

 ここから明るい色の「イーヴィルサンズ・スカーレット」、「テクリス・ブルー」で赤と青の色分けをした上で、バックパックを「コルヴス・ブラック」で塗る。黄色い部分は「ユリエル・イエロー」だ。シタデルカラーの色名は「○○・色」がほとんどだが、ゲームズワークショップが製造する「ウォーハンマー」シリーズに登場する地名や陣営などから取られている。

イーヴィルサンズ・スカーレット
コルヴス・ブラック
テクリス・ブルー
ユリエル・イエロー

 ここから影色を付けていく。白い部分はプラモデルやフィギュアで見られた淡いミントグリーンをイメージして「ガウスブラスター・グリーン」で縁取りをしたのち、「ダークリーパー」で筆目を出しながら影を塗る。青は「カントール・ブルー」、赤は「コーン・レッド」で塗り、黄色は赤褐色「ブラッドリーヴァー・フレッシュ」で塗る。ビーム・サーベルは「ピンクホラー」と「フルグリム・ピンク」で、右腕にも「フルグリム・ピンク」を少量塗ることで発光しているように見せる。

ガウスブラスター・グリーン
ダークリーパー
カントール・ブルー
ピンクホラーとフルグリム・ピンク
コーン・レッド
ブラッドリーヴァー・フレッシュ

 影色が終わったら、光が当たる部分だ。白は「ホワイトスカー」、青は「ホエス・ブルー」、黄色は「ドルン・イエロー」、赤は「ワイルドライダー・レッド」をそれぞれ塗って、満月の光を受けて輝く色を作っていく。

ホエス・ブルーとドルン・イエロー
ホワイトスカーとワイルドライダー・レッド

 合計16色を塗って完成だ。影色をはっきりと塗っているので、正面や真後ろから見ると絵の具で描いたような見た目になっている一方、左右側面から見るといまいちな見た目になってしまう……のはもう少し磨ける部分があるということだろう。ポーズが固定されているので、一方から光が当たっているような表現はしやすい。

完成
背面
右側面
これが「決め角度」
胸部アップ
側面

ドムを暗い色から塗る

 変わって、「ドム」は暗い色から塗る。実際シタデルカラーは暗い色から明るい色へ塗っていった方が陰影を決めやすく、こちらの方が簡単に塗れる。

 今度は1色ずつ色を完成させていこう。まず紫を「ナガロス・ナイト」、「ズィレウス・パープル」、「ジーンスティーラー・パープル」、「ディシャーラ・ライラック」の順に塗る。今度は向かって左側手前から光が当たっているように、前面や左側をメインに明るい色を塗っていく。

ナガロス・ナイト
ズィレウス・パープル
ジーンスティーラー・パープル
ディシャーラ・ライラック

 肩やひざのブラックと胸部のグレーは同時に塗る。「コルヴス・ブラック」から始め、胸部に「メカニカス・スタンダードグレイ」、そこから明るい色の「ダークリーパー」、「フェンリシアン・グレイ」と進めていく。

コルヴス・ブラックとメカニカス・スタンダードグレイ
ダークリーパーとフェンリシアン・グレイ

 兜の赤い部分は「コーン・レッド」で、明るい色は「イーヴィルサンズ・スカーレット」。そこから最も明るい部分に「ホワイトスカー」のエアブラシ用に希釈されたものを使い、ヒート・サーベルは「ユリエル・イエロー」、「ドルン・イエロー」で明るく塗る。「ガンダム」と同様、右手に「ドルン・イエロー」を少量塗って光っているように見せる。

 エアブラシ用シタデルカラーは、エアブラシで吹き付けるより筆で塗った方が適度に希釈されていて使いやすいことがある。筆者はもっぱら筆を使って塗装するが、エアブラシ用塗料も何本か持っている。

コーン・レッドとイーヴィルサンズ・スカーレット
ホワイトスカー
ユリエル・イエローとドルン・イエロー

 完成してみると十分ポスター風に塗れているのでは、と感じる。筆塗りで生まれる筆目を生かし、細かく筆を動かして塗るため視覚的なグラデーションも生まれやすい。一筆で平滑に塗るのもいいが、同じ方向に何度も筆を走らせ、筆ならではのケバを作った方がカッコよく見えることもある。

完成
背面
胸部アップ
左側面
右側面

 完成品を並べてみると、実際のポスターとは違いがあるものの満足感は高い。自分でしっかり色を付けて、納得がいくまで塗装したモデルは自分だけのものだ。まだ磨くべき所はあったが、しばらくはこれを飾って楽しめそうだ。みなさんも小さなモデルは筆塗りで塗装してみるのはいかがだろう。

ポスターの風景をイメージして配置