ニュース

松村しのぶ氏がキングギドラの"生物感"を追求したプラモデル! 海洋堂「ARTPLA キングギドラ Re:イマジネーション」【#全日本模型ホビーショー】

【2025年 第63回 全日本模型ホビーショー】
開催期間
10月18日:9時30分~17時30分
10月19日:9時30分~16時30分
(業者招待日:10月17日)
会場:東京ビッグサイト 南3・4ホール
入場料
当日券:1,200円
※中学生以下は無料

 海洋堂が「2025年 第63回 全日本模型ホビーショー」で新作プラモデルとして発表したのが、「ARTPLA キングギドラ Re:イマジネーション」だ。2026年発売予定、価格は未定。

会場で発表された「ARTPLA キングギドラ Re:イマジネーション」。2026年発売予定、価格は未定
原型を松村しのぶ氏が担当。完全新規造型となる

 本商品の担当は生物をフィギュア化する第一人者と言える松村しのぶ氏。「ARTPLA」シリーズは海洋堂が過去に発売したガレージキットをプラモデル化した商品も多いが、本作は完全新規の設計となる。松村氏が手がけた「ARTPLA ゴジラ Re:イマジネーション」も新規設計だったが、その流れを受け、キングギドラが最初に登場した1964年の映画『三大怪獣 地球最大の決戦』のキングギドラをモチーフとしている。

 松村氏が「ARTPLA キングギドラ Re:イマジネーション」で追求したのは"生物"としてのキングギドラ。映画の着ぐるみではどうしても尻尾部分を引きずるような表現になってしまうが、生き物として尾は地面につかず、綺麗に反り返って体とのバランスをとるような曲線を描く。

 さらに翼の曲線も注目だ。キングギドラの翼にはコウモリの翼のような爪が複数生え、しかもその爪は骨組みに支えられているのだが、その骨組みが大きく外側に沿ってから曲線を描き爪を前方に向けている。キングコブラが鎌首をもたげるように敵に向かって爪を向ける力を感じさせる動きになっている。

地面につかず、反り返る尻尾
生命感に満ちたうねりを見せている

 翼の皮膜の血管表現も圧倒的だ。こちらもコウモリの翼を間近に見たような、皮膜にこまかく血管が走っており、生き物としてのリアリティを増している。3つの首がそれぞれ明確な意思を持ち、バラバラに動いているのもキングギドラらしい不思議な雰囲気を増している。東洋の竜を思わせる造型の頭部の表情も生命感に満ちており、松村氏だからこその造型といえるだろう。

 首元の筋肉の表現、独特の太い足、そして全身を覆うとがったうろこなど、こちらも非常にこまかい。ちなみにパーツ分割はこれから検討するとのこと。どのようにプラモデル化していくかも注目ポイントだ。特に巨大な翼は分割するのか、1パーツで表現するのか、興味深い。

前方に急角度に曲がる羽の表現
表面に走る血管の情報量が凄まじい
それぞれが別々の意思を持つ3つの首

 さらに怪獣の巨大感を演出する手法として、「ARTPLA ゴジラ Re:イマジネーション」同様ジオラマの台座が用意されている。『三大怪獣 地球最大の決戦』では神社の鳥居をキングギドラが壊すシーンで怪獣の巨大感や、地球の神聖なものを壊す宙怪獣としての暴虐ぶりが演出されるのだが、「ARTPLA キングギドラ Re:イマジネーション」ではゴジラが吹っ飛ばされた時に破壊される鉄橋を台座として加えている。実はここは神社につながる道がある、という設定としている。

 鉄橋はすでに一部が破壊されており、このすぐ後にキングギドラがその足と体でバラバラにすることが容易に想像できる。鉄橋の巨大さ、そしてそれを易々と破壊するキングギドラの恐ろしさがしっかり表現されている。鉄骨の表現、地面のテクスチャーなど、キングギドラはもちろんだが、台座の方も塗装でしっかり表現したくなる。こちらの造型にも注目したいところだ。

配置することで怪獣の巨大感と力強さを強調する鉄橋のジオラマ