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髪の毛が可動、究極の布表現! 「METAL BUILD 初音ミク」は4つの姿で展示、そのディテールに酔いしれろ!

【METAL BUILD 初音ミク】
10月発売予定
価格:36,300円
4月3日予約受付開始(一般販売)
【METAL BUILD EXPO】
開催期間:3月27日~7月6日
会場:TAMASHII NATIONS STORE TOKYO
(東京都千代田区神田花岡町1-1)

 3月27日から開催されている「METAL BUILD EXPO」の大きな目玉の1つが「METAL BUILD 初音ミク」である。ライトアップされたステージで4つの姿で展示、そのポテンシャルを発揮している。

 合金フィギュアブランド「METAL BUILD」で「初音ミク」を表現する。BANDAI SPIRITSではまずメカニカルな後ろ姿を見せることで興味を惹き、今回一気に4体もの姿で「METAL BUILD 初音ミク」を表現した。とても華やかで目が奪われる展示だが、本稿ではその見所、展示のポイントを紹介したい。

最初に公開されたのは後ろ姿。とてもメカニカルなデザインであることがわかる
会場で4つの姿で表現、見所を紹介したい

 「METAL BUILD 初音ミク」はまずコンセプトを社内で決めた上で、様々なクリエーターが参加することで現在のスタイルを確立させている。その1つが”人体を模したフィギュアにしない”というもの。本フィギュアは初音ミクが機械でできたアンドロイドのように表現されている。

 その理由は「生の人間の姿を表現したフィギュアは関節でどうしても不自然に見えてしまう。それならばいっそ“メカの関節”として割り切って表現しよう」というものだ。この“メカのような関節”設計により、多彩で面白い動きを表現できる。会場の4つの初音ミクは可動フィギュアならではの動きを表現している。

衣装をまとっていない姿で、メカニカルな姿を印象づける
あえてロボット風のデザインにすることで可動を重視

 肘の二重関節に回転軸、肩の可動軸などメカ風に表現することで可動域を大きく広げている。特にユニークなのが股関節で、足の付け根が腰パーツを基部に左右に大きく開く構造になっている。これはメカ風デザインだからこそ可能な表現と言える。「METAL BUILD 初音ミク」は金属を多用し、金属感を強調している

 また、体の大部分を金属質にしながら、顔以外は“お腹”を皮膚で表現し、ドキリとさせるような艶めかしさを加えている。ここにも可動に工夫があり、このお腹パーツは見た目より長い設計がされており、体を大きく反らしても肌色のパーツが隙間を塞ぎ、より自然なポーズ表現を可能としているのだ。

艶めかしさを感じさせるお腹は、フィギュアの背をそらしても肌パーツのつなぎ目が出ないように長めに設計されており、自然なポーズが作れる

 今回、「METAL BUILD 初音ミク」は4つの異なるポーズで展示されているが、1つ1つを見るとその姿が違っているのがわかる。それは“衣装”である。初音ミクがまとっている衣装の着こなしが違うのだ。そこで気づかされるのはその衣装の質感である。「METAL BUILD 初音ミク」の全高は約180mm、そのフィギュアサイズなのにとても凝った布製衣装を着ている。その衣装は銀色をベースに黒いライン、ジッパーがアクセントに、黒いベルトも確認できる。

 フィギュアは“布”が苦手である。人間が着ている衣装をフィギュアサイズに縮小すると、どうしても表現に齟齬が出る。フィギュアサイズに縮小すると布の繊維が相対的に大きくなり、縫製の糸目などもものすごく大きく見えてしまう。「METAL BUILD 初音ミク」はわざとその苦手な表現に挑戦している。細いベルトは非常に細かな繊維の素材を使い、わざと質感を強調。ジッパーはこのサイズ用にきちんと設計されている。

 このフィギュアが人間サイズだったらかなり大きなジッパーを使っているという面白さを出している。また、スカートのポケットなどでわざと“縫い目”を表現している。ものすごく細かい糸で、非常に小さな縫い目を表現している。他にもベルトのバックルなど、しっかり造形がなされているところも目を惹かれる。ドールなど、人形の服について知識を持っている人ならば、「METAL BUILD 初音ミク」の衣装の凄さに驚かざるを得ないだろう。

衣装をまとった3つの姿はジッパーの開閉などでそれぞれ着こなしが違う。それだけで印象が変わる
ジッパーの大きさ、ベルトの緻密さ、その密度と精度には驚かされる。知識がある人も注目だろう
すね部分の布はワイヤーが入っており、表情付けができる
服のデザインを担当したアパレルブランドの「MAYLA (マイラ)」。企画者はこのブランドの衣装で会場を歩いていた

 「METAL BUILD 初音ミク」は衣装を着けていない状態では非常に細身の体型をしている。衣装は少しだぼっとしたラインで衣装をまとうことで大きくシルエットが変わる。さらにジッパーを閉じたり、開けることでも印象が変わる上、上着、スカート、すねの部分とパーツの着脱でも印象が異なる。ちなみにこの衣装デザインは、アパレルブランドの「MAYLA (マイラ)」が担当しているという。

 そして「髪の毛」である。「METAL BUILD 初音ミク」はまるで金属のプレートのような非常に印象に残るメカニカルな髪の毛のデザインになっているが、これはPVCのシートに印刷しワイヤーを挟み込んでいる。つまりこの髪の毛は、波打たせたり、任意に曲げるなど、“変形”が可能なのである! 昨今ではスカートなどにワイヤーを使い広がった姿などシルエットを調整できるが、「METAL BUILD 初音ミク」はPVCのシートに使うことで金属風の質感と自由な変形を可能にしているとのことだ。

メカニカルな髪の毛はPVCをシート状に成型、ワイヤーを挟み込むことで曲げたり、波打たせる表情付けが可能。念のため2セットつけているという親切さもうれしい

 一方「ワイヤー可動」は変形させすぎると中のワイヤーが金属疲労で折れてしまうのが怖い。このため動かせるポテンシャルはあるけど、あまりいじることができなくなってしまうところがある。「METAL BUILD 初音ミク」はその点も抜かりない。髪の毛は2セット付属。片方を“予備”として、思う存分遊べるようにしたとのことだ。

 最後に、ブースでずっと流されている本商品のコンセプトを表現するPVにも触れたい。ここで最高に面白いのが、連呼されているキャッチフレーズ「メタかわ」である。もちろん「METAL BUILD」×「かわいい」から作られている。本商品にぴったりのキャッチフレーズだ。硬派な「METAL BUILD」でいかにカワイイをプラスしたかも見所だ。

 「METAL BUILD 初音ミク」はぱっと見ただけでもとても印象的なフィギュアだが、“人体”と“メカ”という2つのアプローチを突き詰めた素体のシルエットと関節設計、服のデザインとジッパーでの表情の多彩さ、そして髪の毛の技術など、他の商品同様、見れば見るほどその込められた開発者の情熱に、ため息をついてしまうほどに見所満載のフィギュアだ。ぜひ会場でチェックしてほしい。

本商品のキャッチフレーズ「メタかわ」、硬派な「METAL BUILD」に新しい風をもたらす言葉だ
このイラストを元にしてフィギュアが作られたのではなく、デザインが決まってから描かれたものだ