レビュー
「加藤恵 レーシングVer.」1/7スケールフィギュア レビュー
水着よりもセクシー?「冴えカノFineレーシング」のレースクイーン衣装が待望の立体化
2022年2月17日 00:00
- 【加藤恵 レーシングVer.】
- ジャンル:フィギュア
- 開発・発売元:グッドスマイルカンパニー
- 価格:13,500円(税込)
- 発売日:2022年1月
- サイズ:全高約225mm、1/7スケール
今回はTVアニメ化、映画化した大好評のライトノベル「冴えない彼女の育て方」(以下、「冴えカノ」)から、メインヒロイン「加藤恵」のフィギュアをレビューしよう。「加藤恵 レーシングVer.」ということで、グッドスマイルカンパニーから2022年1月に前倒し発売となった1/7スケールフィギュアだ。
「冴えカノ」を知らない方からすると、「なんでこの地味な感じの子がメイン?」と思うかも知れないし、僕もイラストだけ見てたらそう思った。だって対抗馬が、黒髪ロング+パンスト属性の「霞ヶ丘詩羽」先輩と、金髪ツインテール+幼なじみ属性の「澤村・スペンサー・英梨々」という学園の二大美少女(生徒公認)だからね。なので第一印象からすれば、詩羽先輩が推しキャラになるのかなーと思ってた。そう……テレビアニメ版の5話で遊園地に行くまでは……。いやもうね。加藤いいんですよ。見れば見るほど好きになるのが、叶巡璃……じゃなかった、加藤恵なのだ!
「加藤恵」と「加藤恵 レーシングVer.」って何?
まず、知らない方のために改めて「冴えカノ」と「加藤恵」を簡単に紹介しよう。「冴えカノ」は丸戸史明氏によるライトノベルだ。2015年に同名のTVアニメ第1期が放送。2017年に続編となるTVアニメ「冴えない彼女の育てかた♭」、2019年にはシリーズ完結編の映画「冴えない彼女の育てかた Fine」が公開されている。
ストーリーはギャルゲーや美少女アニメ、ラノベなどが好きな高校生「安芸倫也」が、メインヒロイン(役)となる加藤恵と「運命的」な出会いから始まる。そして、ラノベ作家の霞ヶ丘詩羽をシナリオライターに、18禁同人誌イラストレーターの澤村・スペンサー・英梨々をビジュアル担当として無理やりスタッフに勧誘し、同人ギャルゲーを作るというもの。制作現場のガチな物語ではなく、加藤をのぞく詩羽や英梨々は、過去のいきさつから倫也にゾッコンなので、その辺りの微妙な恋愛関係を描くラブコメになっている。
まあ、そんな風に書くとありがちなライトノベルの王道のようにも聞こえなくもないが、オモシロイのは加藤の立ち位置なのだ。倫也にとって、ギャルゲーを制作するきっかけとなるほどの「運命的な出会い」であったにも関わらず、実はその相手が同級生で、なおかつ1年から同じクラスであることが発覚。ここでフツーなら「あの娘と出会えた」となるところが、そこそこ可愛いのにギャップ萌えもなくキャラが弱い……みたいに暴言を吐き、そしてなぜかギャルゲーサークルの一員として勧誘することになる。んで、フツーは「イヤだよ~」的に逃げ回る相手を追いかける話が入るところだが、なぜか「私に拒否権はないんだね」みたいなことを言いながら成り行き任せでサークルに加入し、微妙な4角関係(実際はもっと増えるけど)が構築される。
この作中では「フラット」など形容される、流されやすいというか自主性がないところが加藤の魅力で、両親が留守にしている主人公の家に行き、朝までギャルゲーを体験プレイするのに付き合ったりしてくれる。それでいて、女の子らしさがないかというとそうでもなく、適度のファッションにも気をつかっているし、ご飯も作ってくれる。そして、学園の二大美少女には劣るもののスタイルもルックスも悪いわけではなく、クラスの2番目に可愛い子のような立ち位置でありながら、ステルス性能を持つと言われるような存在感の薄さがヒロインとしての致命的な欠陥であり、そして加藤の魅力となっている。
……と、長々説明してしまったが、そんな加藤がレースクイーンになったらこんな感じであろうというのが、今回紹介するフィギュア「加藤恵 レーシングVer.」である。これは、キャラクターのイラストを担当した深崎暮人先生が、2019年3月に鈴鹿で開幕されたピレリスーパー耐久シリーズ2019に参戦した「冴えカノFineレーシング with RFC」用描き下ろしたイラストが元になっている。レースクイーンといっても、よくあるレオタード系の衣装ではなく、主人公たちが通う私立豊ヶ崎学園の制服をアレンジし、ところどころにサークルのロゴマークなどが入っているというもの。加藤のフィギュアは大半が制服か出会ったときの服など清楚系のファションなので、普段の加藤とは違う魅力を感じるファンも多いハズ!
パッケージ開封の儀
さて、早速パッケージを見ていこう。パッケージは白をベースに主人公たちのサークル名である「blessing software」のロゴなどがあしらわれたもので、レーシングVer.とはいえ、加藤の清楚な魅力を十分に引き出している。サイドや裏面もフィギュアの魅力がアピールされ「欲しい!」と思わせるデザインだ。
開封すると、ブリスターに包まれた加藤が出てくる。背景となる保護用紙に「blessing software」のロゴが使われているのも気が利いている。パーツ構成としては、頭部・上半身・下半身・スカート・帽子・パラソル・ベースの7つである。特に細かい部品はないので、うっかりとなくしてしまうパーツはないだろう。
加藤らしいショートカットと吸い込まれるような瞳
まずは、一番大事な「顔」部分から。加藤の顔の造形は、これまで発売されたフィギュアでも解釈が異なっていて、正直なところ「コレジャナイ」感のある商品もあった。問題の根本としては、深崎版イラスト加藤と、高瀬版テレビ加藤が、どちらも別の魅力を持っているので、原型師を迷わせているのではないかと感じることもある。それほど、どちらの加藤も魅力的だからだ。
だが、今回の加藤は深崎版がベースなので完全にイラストよりである。そのため顔の輪郭が少し丸めで、少し幼さを感じさせるような加藤の顔立ちを再現できていてメチャ可愛い。瞳の彩色もリアルで、目が合うとドキッとする。マジで見ているだけで吸い込まれそうだ。頬を赤らめている感じは、少し強めな気もするが、今回の衣装を考えれば恥ずかしく感じるのは仕方ない。
髪型は、物語初期や後期のショートカットタイプ。ロングの加藤も可愛いが、やはりショートがよく似合う。イラストに合わせてかなり精緻なディテールとなって、思わず触ってみたくなるだろう。髪の間からのぞく耳もキュートだ。
ベレー帽は取り外しができるので、好みに合わせて着脱しよう。でも、このベレー帽はストーリー上の重要アイテムなので、付けたままがいいかもね。
加藤のプロポーションを魅力全開に表現できたボディ
次ぎにボディだが、加藤は清楚系なファッションが多いのであまり気づかないが、結構いいプロポーションをしていたりする。だから、大胆にカットさら私立豊ヶ崎学園の制服を着ると、加藤のスタイルがとてもセクシーに見えてくる。
特に胸部分は両腕を内側に寄せているため、胸が寄せて上げた状態になり、元のサイズより大きいんじゃないかと思うくらいのボリュームに発達。さらに制服が大胆にカットされたデフォルメ制服なので、より胸が強調された造形になっていて造形作家さんに大感謝レベルだ。
レースクイーンチックなポージングを見事に再現した下半身
このフィギュアで一番の見所はスカート部分である。前から見るとスカートのプリーツとシワのより方が超絶リアルで、加藤がこのポーズをした瞬間をスタープラチナで止めたかと思うほどの躍動感溢れる造形が素晴らしい。深崎先生の元イラストは上から見た感じだったので、この辺りは造形作家さんの独自解釈だろう。
逆にヒップ側は突き出たお尻がスカートに張りを与え、ミニスカートであるが故にずり上がってしまい下着が見えそうになっている感じとてもセクシーだ。余談だが、下着のカラーは純白と言えば聞こえがいいが、この衣装なら別のカラーでもよかったのではなかろうか。「まったく、詰めが甘いぞ加藤!」いや加藤が悪いわけではないのだが……たとえそんなツッコみをしても許してくれるのも、加藤の魅力だからね。
脚は膝上までのニーハイソックスとロングブーツの組み合わせ。あまり加藤にニーハイのイメージはなくて、むしろ英梨々っぽいと感じるが、逆に新鮮かも。そういう意味ではハイソックスは「冴えカノ」っぽいが、ロングブーツはフツーのレースクイーン風というか、女王様チックというか、完全にセクシー路線のブーツだ。素材もエナメル素材なのか、シワのよる部分とストレートな部分がきっちり分けられているところが、いい仕事してるなーという感じ。
加藤の魅力で胸がキュンキュンするはず!
結論から言えば、セクシー系の加藤が欲しい人には、オススメのフィギュアではないだろうか。アレンジされた制服も可愛いし、レースクイーンさながらのポーズもいい。何というか、360度どの角度から見ても加藤の魅力を感じさせてくれた。じっくりと鑑賞するように、画像と動画を用意したので、もし胸がキュンキュンしてきたら、ぜひコレクションのひとつに加えてほしい。
©2019 丸戸史明・深崎暮人・KADOKAWA ファンタジア文庫刊/映画も冴えない製作委員会