レビュー
「SSSS.DYNAZENON 南 夢芽」1/6スケールフィギュア レビュー
夢芽の「なんとかビームっ!」を食らいたい人必見!
2022年8月30日 00:00
- ジャンル:フィギュア
- 発売元:ポニーキャニオン
- 販売元:グッドスマイルカンパニー
- 価格:19,980円 (税込)
- 発売日:2022年7月
- サイズ:全高約160mm
完全新作劇場版「GRIDMAN×DYNAZENON(仮称)」の公開が待ち遠しいグリッドマンユニバースファンに超絶オススメなのが、グッドスマイルカンパニーから発売された南夢芽フィギュアだ。
南夢芽はアニメ「SSSS.DYNAZENON」のメインヒロインで、「ダイナウイング」のパイロット。だが、スーパーロボット系のメインヒロインでロボに乗るからといって、夢芽は正義に燃える感情豊かなタイプではない。どこか、達観した雰囲気で、あまり感情を表には出さない。しかし、どこかに熱い心を持っているのか、なんだかんだ言って率先して「ダイナウイング」に乗り込むし、戦闘中も「なんとかビームっ」とか言いながら攻撃するのだ。個人的には、この一見つまらなそうに見える無表情にも関わらず、本当の名前である「ペネトレーターガン」と叫びたいのに、「武器の名前とか知らないし、言いたくないし」とかいう雰囲気を醸しながら、「オマエ絶対テンション高いだろ!」というのが透けて見えるシーンにヤラレマシタよ。
ということで、今回は「なんとかビームっ」でハートを直撃された僕が、グッドスマイルカンパニーから発売された南夢芽フィギュアを紹介しよう!
「SSSS.DYNAZENON」&「南夢芽」って?
まずは、作品を知らない人のために、アニメ「SSSS.DYNAZENON」の概略と、「南夢芽」についての補足をしていこう。まず、アニメ「SSSS.DYNAZENON」は、実写版の特撮ドラマ「電光超人グリッドマン」、アニメ「SSSS.GRIDMAN」に続く、グリッドマンユニバースの第三弾だ。この3つの世界は一応繋がっており、「SSSS.DYNAZENON」の主人公ガウマは、「電光超人グリッドマン」に出てきたミイラだと言われているし、「SSSS.GRIDMAN」からはナイトくんと二代目さんが「SSSS.DYNAZENON」に途中参戦する。
とはいえ、直接的にストーリーが繋がっているわけではないので、単品で見ても十分に楽しめる。内容としては、特撮ドラマであろうとアニメであろうと、基本的には町に現れた怪獣を主人公たちが倒すという展開だ。いずれにしろ、怪獣に勝てなそう……みたいな状態になると、根性とか友情とか気合いとか、そういった要素で逆転のチャンスをつかむと主題歌がかかって一気に勝ちパターンになる熱い展開が楽しい。
特に「電光超人グリッドマン」も「SSSS.GRIDMAN」も、ヒーローはグリッドマンという超人なのだが、「SSSS.DYNAZENON」のヒーロー枠はダイナゼノンというロボット。しかも、「ダイナダイバー」「ダイナソルジャー」「ダイナウイング」「ダイナストライカー」という4つのメカが合体してダイナゼノンになる仕組み。さらに、ダイナレックスにも変形できるし、さらにゴルドバーンとグリッドナイトと合体すればカイゼルグリッドナイトになる。もうなんというか、胸熱の展開しか存在しないんですよね。
……とそれくらい「SSSS.DYNAZENON」が熱い話であることはともかく、そんなダイナゼノンに合体する「ダイナウイング」のパイロットとして選ばれた(巻き込まれたともいう)のが、今回紹介する南夢芽だ。夢芽はフジヨキ台高校の生徒で、「ダイナソルジャー」のパイロットとなる「麻中蓬」と同級生。「嘘つき体質」のように言われることがあるが、これは夢芽の姉の死がトラウマとなり、精神に影響を与えていると思われる。まあ、そんな暗い設定はさておき、性格については冒頭で触れた通りなので、ちょっと面倒そうだけど「俺が何とかしてあげなきゃいけない」可愛い子って感じなのが、南夢芽なのだ。なお、デザイン的には前作「SSSS.GRIDMAN」の宝多六花系だが、髪色や服装が大きく違うので、かなり違った印象を受けるはず。ということで、そろそろ本題のレビューに入っていこう!
パッケージ開封の儀
何はともあれ、まずは今回早速パッケージを見ていこう。今回のモデルは、立ちポーズでの立体化ではないので、パッケージは横型である。元が特撮作品ということもあり、空や風景写真がコラージュされている。
開封すると、なかから夢芽登場! いや待っていました。実は、本フィギュアは4月の発売予定から約三ヶ月後ろ倒しになっていた。その上、夢芽はこれまでプライズなどでしか立体化されておらず、スケールフィギュアで発売されるのは初めてなのだ。これは期待しないわけがない!まずはぐるっと8方向を見てみよう。
今回の夢芽は、まさに「ダイナウイング」のコクピットに乗り込んだ瞬間を切り取ったようなレイアウトで躍動感抜群。オプションとしては、ダイナウイングのコントローラーをにぎった手と、姉の形見ともいえる「知恵の輪」がついてくる。この知恵の輪は古代エジプトで「死者蘇生」の意味を持つ、白黒のア十字架(アンク)。夢芽のストーリーで重要な役目を持つ、キーアイテムだ。
夢芽らしい物憂げな瞳がキュート!
まずは夢芽の「顔」から見ていこう。いや、正直素晴らしいデキではないだろうか。最初に書いたように夢芽はあまり感情を表に出さないため、少し顔の表情が平面的になるんじゃないかと心配していた。だが、完成品は期待通りのもので、物憂げな瞳に見つめられるとドキドキする(いや見つめているわけじゃないが)。髪の毛の表現は、あまりエッジが立っている造型ではないが、逆にアニメ作品のフィギュアらしさにも見える。また、今回のポージングに合わせて乱れた感じの髪の動きの表現がいい。
だだ上半身で一番心をつかむのは、胸の造型かもしれない。あるのかないのかわからないような貧乳の魅力を、とてもよく再現している。
下半身の魅力はフェチになりそうなくらいリアルなタイツ
何というかね。下半身ヤバいです。前述したように、「SSSS.GRIDMAN」の宝多六花とは服装が違うのだが、極端にイメージが異なるのが、このタイツなのだ。六花はミニスカートで健康的な生足を「これでもか!」と見せてくれるのに対し、夢芽は見せないという逆のアプローチをしてくるのが素晴らしい。これは、きっと多くのタイツフェチを産んでしまうのかしれない。
大満足の夢芽フィギュアで、次回も期待!
何だか脚のハナシばかりに集中してしまったが、とにかく全体的に「ここいい!」ってポイントが多いのが特徴。メーカーや造形師さんが違えば、また別のアプローチもあると思うが、個人的には今回の夢芽はツボに入る造形と彩色で、大満足である。できれば、次は水着バージョンなどに挑戦してもらいたいが、でもそうなるといろいろ失うものもありそうだ。美少女フィギュアというと、1/4とか1/7が多い気がするが、本作は1/6サイズ。アメリカでよくある1/6フィギュアと同じなので、ヘッドだけ使ってオリジナルの夢芽フィギュアにチャレンジするのも楽しそう。
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