レビュー

「ロボ道 ガリアン(ケルヴィン・サウ アレンジ版)」レビュー

造形、ギミックすべてが最高峰。伝説の鉄巨人がアクションフィギュアでよみがえる

【ロボ道 ガリアン(ケルヴィン・サウ アレンジ版)】

開発・発売元:threezero

2022年12月26日 出荷

価格:26,400円(税込)

ジャンル:アクションフィギュア

サイズ:全高約245mm

 threezeroは、アクションフィギュア「ロボ道 ガリアン(ケルヴィン・サウ アレンジ版)」を2022年12月26日に出荷した。価格は26,400円(税込)。

 本商品は1984年に放送されたTVアニメ「機甲界ガリアン」の主役ロボ「ガリアン」を立体化したもの。赤く厳つい装甲に覆われた騎士のようなデザインで、ロボットアニメの中では作品としての知名度は高くない方だろ。しかし、ガリアンが手にする武器ガリアンソードは、様々な作品に影響を及ぼしたといわれている。

 劇中のデザインを再現しつつ、threezeroのアートディレクター、ケルヴィン・サウ氏によるアレンジが加えられたものとなっている。

ロボ道 ガリアン(ケルヴィン・サウ アレンジ版)

 ガリアンの立体は放送当時のものを除けば、食玩プラキットで登場し、OVA版ガリアンである「鉄巨人」はROBOT魂シリーズとPLAMAXシリーズでも立体化されている。そのため、TV版のデザインでのフィギュアは近年では珍しいものとなっている。

 筆者はガリアンの殺陣のカッコよさに惹かれ、悪役であるマーダルのカリスマ性などその世界観にどっぷりハマった。また、TV版は飛行系たちとなる飛装型や強化型となる「ガリアン重装改」などロボットらしいギミックや丁寧な描写からも目が離せない。

 今回はそんなTV版ガリアンの立体物「ロボ道 ガリアン(ケルヴィン・サウ アレンジ版)」を紹介していく。

惑星アーストの「伝説の鉄巨人」がよみがえる

 ガリアンは前述の通り、TVアニメ「機甲界ガリアン」は1984年に放送されたアニメだ。舞台はクレセント大銀河にある惑星アーストとなっており、第1話では剣や城など中世的な文化や王子である主人公、ジョルディー・ボーダーの誕生から始まり、マーダル軍の侵略で王である父の死や母との別れ、王国の陥落、逃げ落ちる王子が描かれている。はじめこそファンタジー色の強い始まりであるが、マーダル軍が率いるケンタウロス型のロボット「人馬兵 プロマキス」と兵士が持つ未来的な銃など文明の違いが明確に描写され、さらにアーストからそれらロボットが発掘されるなどSF要素もふんだんに盛り込まれ、引き込まれるドラマとなっている。

 主役ロボであるガリアンは第2話で登場し、「人馬兵 プロマキス」を撃破するシーンは劇判と合わせて最高の盛り上がりを見せた。ロボットの重厚感アクションもさることながら、ロボットに乗らない兵士たちの戦い方もガリアンの世界観ならではの戦の描き方にも引き込まれた。また、鳥のようなシルエットの飛行形態である飛装形態がある。

 そして、ストーリーが進むにつれて敵であるマーダルの野望が明かされていき、そのカリスマ性も「機甲界ガリアン」のドラマをより強く印象付けるものとなっている。

【【第1話】機甲界ガリアン〔サンチャン〕】

 作品を手掛けたのは「太陽の牙ダグラム」「装甲騎兵ボトムズ」、「蒼き流星SPTレイズナー」などの監督を務めた高橋良輔氏。ガリアンのデザインはメカデザイナー・大河原邦男氏が務め、80年代ロボットアニメの一つとして放送された。

 高橋良輔氏といえば、「装甲騎兵ボトムズ」のローラーダッシュやパイルバンカー、「レイズナー」のV-MAXなど今でも語り継がれるギミックの数々を生み出している。

 ガリアンにもその神髄が息づき、剣から鞭の形態となるガリアンソードは有名なギミックだ。剣として敵機を斬り倒すだけでなく、鞭として相手をからめとったり、鍔迫り合いでは剣から鞭に変えて相手の体勢を崩したりと様々な場面で活躍する。

 そして、強化された「ガリアン重装改」では重装砲と飛装砲、盾が追加され火力がアップし、上半身と下半身で分離したガリアン飛装改と自走砲となるガリアン自走改の新ギミックも搭載された。

 本商品ではそれら武器と変形・分離ギミックも再現されている。また、エッジの効いたデザインアレンジに汚しの塗装アレンジが施され、荒野で戦う姿が演出されている。

パッケージを開けばガリアンが目覚める

 パッケージはファンタジーテイストで、力強いイラストが飾り、右下にはオープニングを再現したアニメのタイトルロゴが描かれている。裏面には各形態のイメージが掲載され、飛装形態やガリアン重装改などが迫力満点に表現されている。

 表面はマジックテープでとまっており、開くことができる。中にはガリアン本体が見ることができ、内側には本商品のコンセプトイラストが掲載されている。

【パッケージ】

 中はブリスターが二段重ねとなっており、ガリアン本体と交換用手首、背部のアーマー、各種武装とギミック用の差し替えパーツが封入されている。

【内容物】
ガリアン本体は股関節と肩がそれぞれフィルムで保護された状態で収まっている
交換用手首は開き手、剣の握り手、重装砲用の握り手の左右各3種
重装砲、飛装砲、剣(ガリアンソード)、盾
ガリアン本体に取り付けるリア・アーマーと背中の装甲パーツ
自走改用の脚部交換パーツとケーブルパーツ、交換用股間部パーツ、重装砲のグリップ、盾用の各ジョイントパーツ
取扱説明書
鞭形態の剣
通常の剣と比較すると刀身の長さが約2倍近く違う

 ガリアン本体はフィルムを外し、背面の装甲パーツを取りつけ、肘関節を引きのばすことで完成する。

【本体準備】
本体の背面パーツとリアアーマー装着
前腕部を引っ張り、肘関節を露出させる

 準備が整ったところで、ガリアンをじっくり見ていこう。