レビュー

「魔神英雄伝ワタル」より「HG 邪虎丸」レビュー

アニメ劇中プロポーションを再現。迫力のアクションと猛虎形態は必見

【HG 邪虎丸】

開発・発売元:BANDAI SPIRITS

発売日:12月16日

価格:2,970円

全高:約120mm

 2024年に35周年を迎えるアニメ「魔神英雄伝ワタル」シリーズから、主人公・戦部ワタルの“トモダチ”でありライバルとなる虎王が駆る魔神「邪虎丸」がHG(ハイグレード)シリーズでプラモデル化する。

「HG 邪虎丸」

 7月に「HG 龍神丸」が発売され、HGシリーズならではの劇中のイメージを再現した造形に加え、SD(スーパーディフォルメ)的デザインながら幅広い可動域を備え、高いアクション表現が可能となった。

「HG 龍神丸」

 今回紹介する「HG 邪虎丸」も劇中プロポーションが再現され、さらに、特徴的な猛虎形態の再現も可能となっている。

 本稿では組み立て工程から造形美や可動など「HG 邪虎丸」の魅力を紹介していく。

魔界のプリンス、虎王が駆る邪虎丸とは?

 本商品を紹介する前に、「邪虎丸」について説明したい。

 「邪虎丸」はTVアニメ第1作「魔神英雄伝ワタル」の物語中盤で登場した魔神(本作のロボット)。そのパイロットである虎王は、ワタルたちの敵である悪の帝王ドアクダーの息子で、主人公のライバルといえるキャラクターだ。しかし、敵対勢力同士であるがひょんなことから互いが敵と知る前にワタルの“トモダチ”となる。

 ワタルとの友情や敵と知った際の葛藤など単なるライバルではない虎王の複雑な立場や側近のドン・ゴロとのやり取りなど魅力あふれるキャラクターとなっている。

「魔神英雄伝ワタル」公式ホームページより「虎王」

 そんな虎王が駆る「邪虎丸」は虎をモチーフとした魔神で、攻撃的なフォルムや背中のタイガーウイングによる飛行能力、巨大な盾タイガーシールド、剣のタイガーソードを装備し高い性能を備えている。そして、虎型の形態となる猛虎形態への変形とライバル機として多彩な活躍を見せた。

「魔神英雄伝ワタル」公式ホームページより「邪虎丸」

 塗装済み完成品フィギュア「ROBOT魂」や「NXEDGE STYLE」でも立体化されてきたが、今回HGシリーズでプラモデルとして立体化を果した。

 どのようなギミックが詰まっているのか、じっくり見ていこう。

パーツ数を抑えつつ、緻密に計算されたパーツ造形

 最初にランナーの確認だ。本キットのランナーは合計9枚で、「邪虎丸」本体に使用するパーツはイエロー、ブラック、レッド、ホワイト、シルバーに加えクリアグリーンの成型色で構成されている。またクリアパーツは小さいディスプレイパーツで構成されている。

 パーツもどこに使用するパーツか予想もしやすく、パーツの切り取りもしやすそうだ。

 そして、筆者が驚いたのがホイルシールなどのシールがないことだ。胸の虎の目やシールドの目のような意匠はシールで色分けするものかと予想していた。しかし、その真相は組み立て工程でわかってくるので、ここでは割愛しておく。

肩や胴体部分に使用するブラックの成型色のランナー
タイガーウイングや尻尾などが確認できるシルバー成形色のランナー
手足や胴体と全身に使用するイエロー成形色のランナー
タイガーシールドなどの武装パーツが確認できるレッド成型色のランナー
頭部やシールドなどに使用するホワイト成形色のランナー
頭部の瞳部分に当たるクリアグリーン成形色のランナー
小型のディスプレイとなるクリア成形色のランナー

 ランナーを確認したところ、次は組み立て工程を紹介していく。