特別企画

リアルとゲームの融合! 「マリオカート ライブ ホームサーキット」はARホビーの起爆剤になるか?

10月16日 発売予定

価格:9,980円(税別)

CEROレーティング:A(全年齢対象)

プレイ人数:1~4人

 Nintendo Switch用アクションレースゲーム「マリオカート ライブ ホームサーキット」は非常にワクワクさせられる商品である。あの任天堂が、RCカーと連動したAR(拡張現実)ゲームを発売するのだ。

【Nintendo Switch マリオカート ライブ ホームサーキット 初公開映像】

 RCカーはドライブゲームとはもちろん、現実のドライブとも違った独特の楽しさがある。実車では体験できないようなスケールスピード、ドライバーのGを無視できる大胆なドライブテクニックなどもあるが、大きな楽しさの1つが「ミニチュア感」だろう。まるで自分がRCカーのドライバーとして身体が縮小したような感覚で、RCカーを走らせる。空間が何倍にもなったような、現実の世界と、RCカーのから見た世界の大きの違いがない交ぜになり、見慣れた世界が全く別な雰囲気になる。RCカーを走らせるだけで新しい世界を探検しているような気持ちにさせられる。

 「マリオカート ライブ ホームサーキット」はRCカーと「マリオカート」を融合させた楽しいプロダクツだ。カート(RCカー)にカメラをつけ、プレーヤーはNintendo Switchでその画面を見て操作する。カメラからの映像は見慣れた部屋とは全く違う視界だ。自分の体が小さくなったような感覚になれるし、Nintendo Switchでゲーム感覚でカートを操作できるのが良い。

Nintendo Switchからカメラを通じて見ると、現実空間が「マリオカート」のコースに!

 そしてARだ。現実に重なり、実際の目では見えない、カメラの中にだけ見えるオブジェクトが現実の世界をマリオカートのコースに変える。コース用のゲートを設置するとレースのコースを示すラインが引かれ、様々なコースを設定できる。ライバルカーも画面には登場するので1人でも白熱したレースが楽しめる。

 甲羅やバナナなども入手でき、他のプレーヤーを妨害できる。「ダッシュキノコ」を使うとカートがダッシュし、コースに潜む「パックンフラワー」に食べられると現実のカートが止まる。画面の中の“現象”が“現実”を変化させるのだ。この感覚はたまらなく刺激的だ。

ゲート置くとコースが設定できる

 RCカーの技術は日々進歩しており、小さくて驚きのアクションをしてくれる「ギガストリーム」や、京商からはオフロードを爆走できる「マリオカート バギーR/C」といった商品も出ている。タミヤの「コミカル」シリーズは本格RCカーと共有の部品を使いながらも走る風景そのものが楽しいRCカーで人気を博している。

 しかし、「マリオカート ライブ ホームサーキット」はそれらとは一味違う。Nintendo Switchを通じて、現実の場所を舞台に、「マリオカート」が楽しめるのだ。これは応答の良好なカメラと通信環境、なにより「ゲーム開発者の感覚」がなければ実現できないだろう。専用コントローラーではなく、Nintendo Switchというところがエキサイティングだ。「マリオカート ライブ ホームサーキット」はRCカーで遊ぶ“玩具”ではなく、ゲームと現実を融合させた新しい“遊び”なのである。

小ささを活かしたド派手なアクションが楽しめるタカラトミーの「ギガストリーム」
マリオの雰囲気と悪路をものともしない走破性が楽しい京商の「マリオカート バギーR/C」
手軽でダイナミックな走りが楽しめるタミヤの「1/10RC コミカル アバンテ (GF-01CBシャーシ)」。これらはそれぞれ魅力的なRCカーだが、「マリオカート ライブ ホームサーキット」はARという新しい方向を提示した、別次元の存在だ。もちろんゲームがきっかけとなって、RCカーの楽しさにも感じて欲しい

 やはり本商品をきちんと任天堂が販売するという所に注目がある。ゲーム開発者の理念、ノウハウ、想いが、いかに現実のRCカーの楽しさを変化、そして倍増させるのか。ゲーム空間の出来事を現実に反映させる技術に注目である。

 現実の目には見えないが、カメラを通じると様々なものが現われ、現実世界をゲーム空間と変える。AR技術はその面白さから注目は浴びるものの、まだ現実との最高のマッチングというものは見えず、「大ヒット」した作品はない。何らかの作品がヒットすれば各社がもっとARゲームを作り、技術は加速度的にアップするだろう。「マリオカート ライブ ホームサーキット」はそのブレイクスルーになってくれるか? 大いに期待したい。

「マリオカート ライブ ホームサーキット」は「ARホビー」という革命をもたらす可能性を持った商品だ。大いに期待したい