特別企画

TGSカプコンブースでコトブキヤの「モリガン」と「フェリシア」のフィギュア原型を展示

【ヴァンパイア美少女 モリガン】

2022年3月発売予定

価格:14,300円(税込)

 TGS2021のカプコンでは今後展開するホビーグッズを展示していた。本稿ではその中から、弊誌でインタビューを行なった「ヴァンパイア美少女 モリガン」と、「ヴァンパイア美少女 フェリシア」をピックアップしたい。会場ではどちらも工場生産の見本となる"原型"が出展されていた。モリガンの方は彩色まで行なわれた彩色原型。フェリシアは無彩色で造形をチェックする原型となる。

 「ヴァンパイア美少女」とは、カプコンが1994年に開発した「ヴァンパイア」から始まる「ヴァンパイア」シリーズに登場するキャラクターを、イラストレーターの山下しゅんや氏がアレンジ、フィギュアとして商品化を行なう。シリーズとして「モリガン」、「フェリシア」、そしてもう1人が進行中だ。

 フィギュアの細かいこだわりに関しては、弊誌のインタビューを見て欲しい。特にモリガンについて掘り下げている。「ヴァンパイア美少女 モリガン」は、「これまでのモリガンフィギュア以上のセクシーさの追求」がなされている。企画者のしょーぐん氏がこだわって提示したコンセプトに山下氏が応えた形でイラスト化されたモリガンは、妖艶な目つき、挑発的な口元と、ゲームでのクールなイメージとはひと味違う姿となっている。

特にセクシーさを強調したというモリガン。誘うような目つきと、突き出された舌が印象的だ
手は繊細な表現がなされている。左手で服をつまみ上げているのは特にこだわりがある

 注目して欲しいのは"手"である。右手はこちらを誘うような手の形。指先には爪も造形されており、その繊細な表現に目を奪われる。そして左手は、くいっと服のファー(毛皮)をつまむことで、服で胸の膨らみを持ち上げるようになっており、左右で胸の形が変わっている。その柔らかさ、ボリュームを強調する何気ない動きが、こちらを誘惑するサキュバスそのものである。フィギュアは、こういったキャラクターの掘り下げがしっかり行なわれているのだ。

 今回の展示では残念ながら確認できないが、「ヴァンパイア美少女 モリガン」の開発者イチオシのポイントが"お尻"なのだ。服のしわを寄せさせず、きれいな曲線を描くお尻のラインはぜひインタビューで確認して欲しい。また、背中から延びるコウモリのような羽は、一転してモンスターそのままのリアルで恐ろしい造形である。「かわいらしくてセクシーだけど、人ではないモンスターの側面も持っている」という、「ヴァンパイア美少女」のコンセプトを見事に表現するフィギュアなのだ。

セクシーな足と、生物的なコウモリの羽の表現のギャップも魅力
舌は光沢があり、光を当てると光る。とてもセクシーだ

 「ヴァンパイア美少女 フェリシア」は、モリガンの"妖しさ"とは異なる、健康的なかわいらしさが前面に出ている。屈託のない明るい表情、もこもこの毛のボリューム、ポーズにも力がこもっていない。

 しかし、肉球があるもののこちらに向けた指の先には鋭いかぎ爪が生えていて、このかわいらしいフェリシアも間違いなくモンスターであることがわかる。はっきりとボディラインがわかる体はセクシーだが、肋骨や腹筋もわかり鍛え上げられているのがわかる。足もしっかり筋肉の描写がされており、その高い格闘能力が想像できる。

 「ヴァンパイア」は特に米国のハロウィン文化と親和性が高く、日本以上に人気を得ている側面もある。日本のファンにとっては懐かしさも感じるキャラクターだが、海外のファンの強い声でフィギュア化が決定した。このセクシーで、かわいらしく、ちょっと怖い絶妙なバランスの「ヴァンパイア美少女」は、ファンはもちろんそうでない人も魅力的なフィギュアだろう。現在はモリガンが受注中であり、フェリシアも今後予約が開始される。この機会を逃さないようにしたいところだ。

フェリシアは健康的でかわいらしい表情が魅力だ
鍛え上げた筋肉と、恐ろしいかぎ爪はしっかり表現。こういったリアリティが楽しい