特別企画

同時にプラモを作るギネス記録も達成!プラモファン熱狂のオフラインイベント「HYPER PLAMO FES 2023」レポート

【HYPER PLAMO Fes.2023】

開催日:2月19日

開演時間
昼公演:14時開場 / 15時開演
夜公演:18時開場 / 19時開演
会場:豊洲PIT

入場料
当日券:9,500円
前売り券:9,000円

 BANDAI SPIRITSは、2023年2月19日に豊洲PITでオフラインイベント「HYPER PLAMO FES 2023」を開催した。このイベントは、プラモデル未経験者からプラモデル好きまで誰もが楽しめるエンターテインメントフェスとして開催されたものだ。プラモデル関連としては珍しくステージイベントがメインとなっており、豪華なゲスト陣とともにプラモデルの魅力を伝えるというものになっていた。

 イベントは自体は昼公演と夜公演の2回に分けて開催されたのだが、今回昼公演に参加してきたのでそのレポートをお届けする。

 豊洲PITの会場外には物販コーナーも用意されており、13時過ぎには長い行列が作られていた。この物販コーナーでは、一般店頭で販売されていたガンプラなどに加えて、イベント限定アイテムも5種類購入することができた。中でも人気だったのが、「MG 1/100 エールストライクガンダム Ver.RM[リサーキュレーションカラー/ネオンピンク]」だ。昼の部の開場は14時からだったのだが、その直前の13時54分には、スタッフから売り切れのアナウンスが出されていた。

一般のライブ会場と同様に、会場外に物販コーナーが用意されていた
物販コーナーで販売されていたプラモデルはこちら
イベント限定アイテムの「MG 1/100 RX-78-2 ガンダム Ver.3.0 [リサーキュレーションカラー/ネオングリーン]」
イベント限定アイテムの「MG 1/100 エールストライクガンダム Ver.RM[リサーキュレーションカラー/ネオンピンク]」
奥のピンク色のガンプラが、今回の1番人気だった「MG 1/100 エールストライクガンダム Ver.RM[リサーキュレーションカラー/ネオンピンク]」
パーツを取り付けることで、奥行きのある仕上がりになる
こちらもイベント限定アイテムの「ハロプラ ハロー ベーシックグリーン[クリアカラー]」(写真左)と、「ハロプラ モモハロ[クリアカラー]」
物販コーナーには、このように長い列ができていた

 ちなみに今回会場に訪れていたファンの年齢層は、概ね20代~40代といった感じで、そのほとんどが男性だ。この会場で販売されていたものに加えて、来場者特典としてふたつのプラモデルがもらえたということもあり、多くの人が袋を多数抱えている姿を見かけた。

チケットにはイベントで使用するプラモデルがふたつ付属しており、入り口で来場者に配られていた

 会場内のロビーには、すでに発売済みのものに加えて今後発売予定の「HG 1/72 ブレイディフォックス(TYPE G)」や「SDW HEROES オルタナティブジャスティス インフィニットドラゴン」などの実物も展示されていたほか、バラエティ番組「プラモにめされて」の収録も行なわれていた。また、イベントの総合司会も担当する9人組アイドルグループLINKL PLANET(以下、リンクル)のメンバーが作ったプラモデルも展示。こちらも多くのファンが写真を撮っている様子が見られた。

2023年3月発売予定の「HG 1/72 ブレイディフォックス(TYPE G)」
2023年2月25日に発売予定の「SDW HEROES オルタナティブジャスティス インフィニットドラゴン」
リンクルの各メンバーが作ったプラモデルも展示されていた
いずれの作品も、個性豊かなカラーリングになっていた
ねこのプラモデルも、アイドルが作るとこうなる!?
それぞれの作品に、どんな思いで作ったのか直筆の説明も書かれていた

リンクルのライブで一気に会場内がボルテージアップ!?

 イベントは、リンクルのライブからスタート。プラモデルのイベントでありながら、アイドルのライブステージで始まるというのもなかなかユニークだが、一気に別世界に引き込まれた感じがあり、会場内の雰囲気も徐々に盛り上がっていった。

プラモデルと世界を繋ぐことを目指して誕生した、9人組アイドルグループLINKL PLANETのライブでイベントがスタート

 リンクルのライブに続き、最初に行われたコーナーが「『プラモにめされて』出張版!」だ。こちらは今年の1月11日からテレビ東京で放送開始されたバラエティ番組「プラモにめされて」の出張版を、この会場で行なうというものである。ということで、番組のメイン司会を務めるなすなかにしが登壇した。

リンクルメンバーと一緒に番組に出演している、お笑い芸人なすなかにしの2人。

 同番組では、リンクルのメンバーが街を歩いている人に声をかけて、ひとつのプラモデルを作り上げていくという企画が進行中だ。こちらのステージでは、その続きをこの会場内でも行なう内容になっていた。番組ではガンダムを作っているところだが、そちらはすでに収録した分ですでに完成済みとなっていた。そこで今回は、来場者から参加者を募り、ザクのバズーカ部分の組み立てに挑戦してもらうことになった。

 ガンプラ好きが集まっているイベントということもあり、2名の参加者が挑戦。両者とも、特に悩むような場面もなく、サクッとパーツを作り上げていた。

大勢の人が見守る中でガンプラを作るという体験はなかなかないが、2人の来場者が企画に参加してパーツを作り上げていた

スレッタ役の市ノ瀬加那さんとグエル役の阿座上洋平さんがゲスト登場! 「FULL MECHANICS 1/100 ガンダムエアリアル」を開封

 続いて行なわれたのが「世界最速プラモデル新商品開封コーナー」だ。こちらはゲストとして、アニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」(以下、水星の魔女)で主人公スレッタ・マーキュリーの声を演じる市ノ瀬加那さんと、グエル・ジェタークの声を演じる阿座上洋平さんが登壇。声優陣2人の名前が呼ばれたときに、会場内からは「おおー!」という大きな声が沸き起こっていた。

 こちらのコーナーでは、声優陣2人の軽いトークに加えて、2023年4月発売予定の「FULL MECHANICS 1/100 ガンダムエアリアル」の開封が行なわれた。

声優の市ノ瀬加那さん(写真左)と阿座上洋平さん(写真右)

 アニメのシーズン1を、多くの人に見てもらったことを実感したと語る市ノ瀬さん。アニメのエンディングが終わってからのCパートが衝撃的で、シーズン2がどんなふうに始まるんだろうと疑問に思ったそうだ。一方、阿座上さんはグエルとしてはずっと虐げられていたので、シーズン1の最後で見せ場が来ると思っていたらとんでもないことになったと感想を述べていた。

「水星の魔女」のシーズン1を振り返る市ノ瀬さん

 声優陣の2人ともガンプラを作るのが趣味だと公言しているが、市ノ瀬さんはやはり「エアリアル」を全般的に作っており、自宅にはガシャポンなども含めて5体ほどが飾られているそうだ。プラモデルは元々作っていたという阿座上さん。しかし、ガンプラを作るようになったのは割と最近だった。

 阿座上さんは、「水星の魔女」に参加する前に、ウェブで公開されたアニメ「ガンダムブレイカー バトローグ」で、仮面の男の声を演じていた。そのキャラクターが乗っている「ガンダムバルバタウロス」を作ったのが初めてのガンプラ体験だったそうだ。その後、「ディランザ」を作って現在は「ダリルバルデ」が塗装待ちの状態であると、なかなかのガンプラファンぶりを披露していた。

 じつは阿座上さんは、昨年開催ガンプラコンペにも参加していた。そのときの作品は、「水星の魔女」の1話を再現したもので、スレッタとミオリネが婚約しているシーンをイメージしたジオラマになっている。結婚指輪や羽が散りばめられているほか、自分で作ったガンプラを塗装した後に汚して、さらにバラバラにするというかなりこだわった作品となっていた。

こちらが阿座上さんがガンプラコンペに出した作品。自分の演じるキャラが乗った機体をバラバラにして、「何をやっているんだろう?」と思いながら作ったそうだ

 軽いトークショーの後、「ご開帳」というかけ声と共に、新商品「FULL MECHANICS 1/100 ガンダムエアリアル」の開封が行なわれた。市ノ瀬さんが注目したのは、胸や太もも辺りに入っている赤いパーツだった。こちらは従来まではシールで再現されていたものだが、今回はしっかりとパーツとして作り込むことができるようになっている。

 このシェルユニットと呼ばれる部分が、今回の1番のポイントとなっており、立体的な凸凹でメカニカルな造形になっている。その上にクリアパーツを載せることで、煌びやかで立体感がある感じに見えるようになるのだ。また、「ガンダムエアリアル」のもうひとつのポイントが可動だ。膝と股にスライド機構が採用されており、つま先立ちができるなど従来よりも様々なポージングができるようになっているのである。

トークが弾んできたところで、「FULL MECHANICS 1/100 ガンダムエアリアル」が開封!
「FULL MECHANICS 1/100 ガンダムエアリアル」の主な特徴はこちら
市ノ瀬さんが注目したのが、シェルユニットと呼ばれる赤いパーツだ
完成品を阿座上さんがポージングを付けて、可動領域の広さをアピールしていた

 4月からは、「水星の魔女」のシーズン2がいよいよスタートとなるが、コーナーの最後に市ノ瀬さんは株式会社ガンダムを設立したものの戦争という状況になりGUND医療を通して人を救うことができるのかというところも楽しみにしてほしいと語った。阿座上さんは、1/100の素晴らしい「エアリアル」を目にしてしまうと「ディランザ」や「ダリルバルデ」が出ないのかなと思いつつも、グエルが今後どんな機体に乗って現れるのか楽しみだと語っていた。

作る楽しみを多くの人にアピールするキャンペーン「PLAY!PLAY!PLAMO!」が3月よりスタート

 続いて、BANDAI SPOIRITS ホビーディビジョンのプロデューサーである田口博丈氏が登壇。「PLAY!PLAY!PLAMO!発表会!」と題して、今年の3月から実施されるキャンペーンの紹介が行なわれた。プラモデルを通して、日本のもの作り文化をアピールするために様々な企画を行っているが、今回の「PLAY!PLAY!PLAMO!」では、もっと多くの人に作る楽しみを知ってもらうために行なわれるものだ。

ステージ中央が、PLAY!PLAY!PLAMO!プロデューサーの田口博丈氏

 キャンペーンではふたつの施策があり、ひとつは「PLAY!PLAY!PLAMO! PARK!」では大阪と東京というリアルな場で、プラモデルの魅力を伝えるパークが限定オープンする。大阪は3月18日と19日にグランフロント大阪 うめきた広場で開催。東京は現在のところ調整中だ。

東京と大阪で、リアルなプレイパークが限定オープンする

 もうひとつの施策が「PLAY!PLAY!PLAMO!VOICE!」である。こちらはプラモ体験を通して、リアルな声を届け、ファンとプラモデルの魅力を伝えていくというものだ。CMやウェブ動画などの広告展開、イベントなどを通じて、このメッセージを伝えていく予定である。

 この「PLAY!PLAY!PLAMO!VOICE!」では、5人のアンバサダーが参加する予定となっているが、今回のイベントではその中から俳優の本郷奏多さんと、写真家や映画監督として活躍する蜷川実花さんがゲストとして登壇した。

写真左から本郷奏多さんと蜷川実花さん

 人生で3回ぐらいガンプラを作ったことがあるという蜷川さん。特にファーストガンダムが好きで、ララァが乗っていた「エルメス」を作ったことがあるほか、シャア好きということもあり「シャアザク」も作成。それに加えて、今回の企画で作ったものを含めた3体だそうだ。また、自分の子供がガンプラを夢中になって作っているところを横目で見ながら、手伝うこともあるとガンプラエピソードを語っていた。

シャア好きということで、衣装も赤く寄せてきた蜷川さん

 一方、ガンプラ好きとしても知られる本郷さん。CMの撮影では巨大なランナーが浮いたセットで行なわれたのだが、まずはそれに感動したという。特に撮影現場ではランナーに興味津々で、スタッフと「これ何倍ですか?」「8倍です」「実際の3Dデータ使ってますよね?」「裏面を見てください」といったようなやりとりも行なわれていたそうだ。

 また、こちらのセットでは本郷さんの近くに5体ほどガンプラが並んでいるが、こちらは自作のものだという。自分が時間と愛を込めて作った作品がCMにも登場することになり、自分が出演するよりも嬉しかったと語っていた。

本郷さんが自作したガンプラにも注目しよう!

「同時にプラスチックモデルの組み立てた最多人数」でギネス記録を達成!

 今回のイベントの目玉企画のひとつが、「ギネス世界記録™にチャレンジ!」のコーナーだ。こちらは、同じ会場内で同時に以下に多くのプラモデルの組み立てができたかという記録に挑戦するというものである。来場者には入り口でこの企画で使用する「ねこ 組立体験会Ver.[LINKL PLANETカラー]」が配られていたのだが、そちらを使ってチャレンジが行なわれた。

チャレンジ自体は、昼公演と夜公演の両方で行われた
こちらが今回のルール。プラモデルは、会場入り口で配られたものが使用された

 ギネスのチャレンジというと、なんとなくやって人数を数えて申請することで認定できるのかと思いきや、会場には正確にチャレンジが行なわれているかチェックするためのスタッフも登場し、かなり本格的であった。

黄色いジャケットを着たスタッフによる厳正なチェックの中、ギネス記録へのチャレンジが行なわれた

 ちなみに今回の記録は、「同時にプラスチックモデルの組み立てた最多人数」というものとなっており、記録達成のために必要な最低人数が250人以上となっていた。ルールも厳密で、全員同じプラモデルのキットを組み立てる必要がある。また、スタート合図前にキットの箱を開けた場合や、開始合図に合わせて作り始めてしまったときは失格になってしまう。

 実際にチェックされるのは、5分以内に開封して少なくともふたつのパーツを組み合わせてひとつのパーツを作ればOKというところ。そのため、必ずしも最後まで完成させる必要はなく、チャレンジすることができるようになっていた。

 記録の挑戦には、リンクルのメンバーや本郷さんに加えて、先ほど登壇した市ノ瀬さんと阿座上さんも飛び入りで参加することになった。ということであっという間に5分が過ぎ、会場内でも見事最後まで組み立てることができた人が多数いた。

リンクルのメンバーも制限時間内にねこを完成させていた

 本郷さんも見事ねこのプラモデルを完成させていたのだが、表情や耳が選べるようになっていたところに惑わされたため、時間はギリギリだったと語っていた。今回のイベントのラストにギネス記録が達成できたかどうか発表されたのだが、見事ノルマを達成! この昼公演で実際に記録された人数は904人で、ギネスに世界記録として登録されることになった。

ギネス世界記録公式認定員の藤渕文香氏より、認定証が手渡された

 このほかにも様々なコーナーが行なわれた今回のイベント。ラストはふたたびリンクルのライブで締めくくられた。ゲームのイベントは多数行なわれているということもありイメージしやすいが、プラモデルのオフラインイベントってどんな感じだ? と最初は想像ができなかった。しかし実際に参加してみると、想像以上に豪華なゲストと濃厚なステージイベントが満載となっており、かなり満足できる内容となっていた。

 チケット代は9,000円と少々値段が張るが、イベント内で使用する2つの限定プラモデルがもらえるということもあり、かなりお得感があったのではないだろうか。今回会場に来ることができなかった人も、次回こうしたイベントが開催されるときはぜひとも参加して感動を味わってほしい。