インタビュー

「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> 量産型νガンダム(フィン・ファンネル装備)」企画者インタビュー

フィン・ファンネルで広がる遊びと設定に近いカラーリング追求

【METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> 量産型νガンダム(フィン・ファンネル装備)】

予約期間:9月13日(金)16時~11月3日(日)まで

2025年3月 発送予定

価格:26,400円(税込、送料・手数料別途)

 BANDAI SPIRITSのロボットアクションフィギュア「ROBOT魂」シリーズで展開されるメカニックデザイナー・カトキハジメ氏プロデュースの「Ka signature」ブランドでフィン・ファンネル装備のモビルスーツ「量産型ν(ニュー)ガンダム」が登場。魂ストアにて11月3日まで受注を受け付けている。

「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> 量産型νガンダム(フィン・ファンネル装備)」
※画像は試作品を使用しています

 「量産型νガンダム」は映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』にてアムロ・レイが搭乗した「RX-93 νガンダム」の量産化計画の中で生まれたモビルスーツ。メカニックデザイン企画「M-MSV(ミッシングモビルスーツバリエーション)」にてメカニックデザイナーの大河原邦男氏によってデザインされ、準サイコミュ装備であるインコム・ユニットと「νガンダム」を象徴するフィン・ファンネルを装備したものがある。

 2023年3月に魂ストア限定商品としてインコム・ユニットを装備した「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> 量産型νガンダム」(受注終了)が登場し、今回フィン・ファンネルを装備した「量産型νガンダム」が商品化となった。

魂ストア限定商品「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> 量産型νガンダム」 2023年3月 発送

 「Ka signature」ブランドで再び立体化される「量産型νガンダム」。最大の特徴となるフィン・ファンネルをはじめ、特徴的なカラーリング表現や「Ka signature」オリジナルの連動ギミックなど、気になる本商品の魅力をBANDAI SPIRITS コレクターズ事業部で本商品の企画担当をされている宮邉優希氏に話を聞いてみた。

本商品の企画担当であるBANDAI SPIRITSコレクターズ事業部の宮邉優希氏

設定に近いカラーリング再現にフィン・ファンネルで広がるアクション

――最初に「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> 量産型νガンダム(フィン・ファンネル装備)」の立体化の経緯をお聞かせください。

宮邉氏:2023年に発売されたインコムを装備した「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> 量産型νガンダム」を商品化するにあたって、カトキさんとお話を進めていた段階でフィン・ファンネル装備は出ていました。

 「νガンダム」もバリエーションに富んだ機体ですので、インコム装備、フィン・ファンネル装備の量産型があり、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』でアムロ・レイの搭乗機となった「νガンダム」や「Hi-ν(ハイニュー)ガンダム」が展開されています。

 その中で「同じ系統機体、兄弟機としてどの『νガンダム』を展開していくか」をカトキさんと話していく中で、順番についても色々試行錯誤をしました。今回は連動ギミックや、色味の追及をすべく、フィン・ファンネル装備の量産型νガンダムの商品化を決めました。

フィン・ファンネルを装備した量産型νガンダム
※画像は試作品を使用しています

――次にデザイン面で「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> 量産型νガンダム」から変わった点はありますか?

宮邉氏:まずカラーリングが大きな変更点になります。「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> 量産型νガンダム(フィン・ファンネル装備)」では青味を濃くして、ライトブルーを基調としたカラーとなっております。

 「M-MSV」の大河原邦男さん画稿にありました青のイメージを持っている方も多いかと思います。「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> 量産型νガンダム」でも青の色合いは検討をしておりましたが、ホワイトが強めの青となり、手に取っていただいたユーザー様のお声を聞きつつ、今回カトキさんともお話して、より青の強いカラーリングにして印象を変えてみました。

 比較するとその違いがより分かりやすいかと思います。

「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> 量産型νガンダム(フィン・ファンネル装備)」(左)と「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> 量産型νガンダム」(右)を比較
※画像は試作品を使用しています

――今回2度目の立体化となる「量産型νガンダム」ですが、本体の造形変更などはありますか?

宮邉氏:先ほどお話しました機体の繋がり的な部分で、基本的には「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> 量産型νガンダム」の段階から連動も意識しており、造形面では共通している部分が多いです。

――バックパックは新規造形なのでしょうか?

宮邉氏:バックパックに関しても今後の商品展開も含めて、基本的には同じデザインとなっております。

 しかし、中央部分にフィン・ファンネルの展開状態を再現できるようにジョイント部分が設けられています。ここはカバーを外すことでジョイントが露出する形にしたりとギミックを仕込んでいます。

 また、左側のフィン・ファンネルをマウントするラックと右側のビーム・サーベル・ラックがありますが、パーツを差し替えることでダブル・フィン・ファンネル装備形態ができるなど、差し替えがしやすいようになっています。そのうえでパーツの差し替えによる形状の違和感がないようにしておりますし、「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> 量産型νガンダム」のインコム・ラックも差し替えることも可能となっております。

――可動部分についてもダイキャストの重厚感や安定感、可動の柔軟さを引き継いでいるのでしょうか?

宮邉氏:そうですね。例えば、膝関節の可動に合わせてシリンダー部分が露出するなどのところがわかりやすい部分かと思います。

 METAL ROBOT魂の重厚感や高級感に加え、遊んだ際のパーツの保持力やポージングの広さなど遊びの安心感といった利点を生かしつつ、カトキさんがプロデュースする「Ka signature」ならではのデザインラインもしっかりと取り入れ、両立した形となっております。

ライトブルーの特徴的なカラーリングや細かな差し色表現
※画像は試作品を使用しています
細かいマーキング表現や質感の高さなど「Ka signature」の魅力が詰まっている
※画像は試作品を使用しています
膝など動かした際に露出するメカ表現にも注目
※画像は試作品を使用しています

――本商品の最大の特徴であるフィン・ファンネルについて質問です。立体化にあたり、バックパックでのフィン・ファンネルのマウント状態の保持力はいかがでしょうか?

宮邉氏:そこはお任せください。METAL ROBOT魂シリーズの利点が活かされておりまして、まずバックパックのマウント部分は保持力に加えて、縦横の可動、根元のひねり可動も入っております。

 そのためマウント状態での表情付けはもちろん、がっちりと接続ができますので自重によるヨレなどを抑えて安定していろんな角度でフィン・ファンネルを配置できます。

バックパックのフィン・ファンネルのマウント部分は柔軟に可動
※画像は試作品を使用しています
マウントした状態から横へ倒す動き
※画像は試作品を使用しています
前側に起こすような角度調整も可動
※画像は試作品を使用しています
軸可動で大きく位置を変えることもできる
※画像は試作品を使用しています

宮邉氏:また、フィン・ファンネル同士の連結部分についても、接続軸を2つ設けより安定感ある保持力を持っています。こちらもガッチリとした接続になっているので、ディスプレイも決まるようになっています。

――フィン・ファンネル同士の接続がしっかりしていると、オリジナルの配置遊びも安心ですね

宮邉氏:そうですね。また、フィン・ファンネルのラック部分の接続箇所も表面と基部で共通の径にしておりますので、上下の配置も変えて遊ぶことができます。

フィン・ファンネル同士の連結は片側に収納されている接続軸2つを出して連結
※画像は試作品を使用しています
がっちりとした保持力で6基連結による片マントのような状態もしっかり決まる
※画像は試作品を使用しています
背面から見た独特なマウント状態もしっかり再現
※画像は試作品を使用しています
高い保持力で横に倒しても外れたり、ヨレなどもほとんどない
※画像は試作品を使用しています

――バックパックのビーム・サーベルに関してですが、こちらはインコム装備の「量産型νガンダム」と同型でしょうか?

宮邉氏:そうですね。アムロ・レイが乗っていた「νガンダム」のビーム・サーベルとは異なり、カトキさんと打ち合わせて設定画を見直していく中で、「量産型νガンダム」は大型のビーム・サーベルとなっておりまして、今回も設定に準じたものになっています。

――ビーム・スプレーガンなどの武装も共通のものでしょうか?

宮邉氏:武装のビーム・スプレーガン、ビーム・ライフル、ビーム・サーベル、シールドなど「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> 量産型νガンダム」から引き続きのものになりますが、カラーリングは本体に合わせたライトブルーが採用されています。特にシールドはカラーリングの変化を感じていただけるかと思います。

ビーム・ライフル、ビーム・スプレーガンも引き続き同梱
※画像は試作品を使用しています
バックパック右側には大型のビーム・サーベルがマウント
※画像は試作品を使用しています
シールドなども本体のライトブルーに合わせたカラーリングに
※画像は試作品を使用しています

――フィン・ファンネルの展開状態についてお聞かせください。

宮邉氏:フィン・ファンネル用ジョイントパーツをバックパックに装着させることで、展開状態を表現することができます。ジョイントパーツはバックパックにフィットする形となっておりまして、安定感もあり、フィン・ファンネルを支える支柱は基部の根元部分はボールジョイントで先端にも可動がついているので、角度調整もできます。

――改めて展開状態を見ると、フィン・ファンネルの巨大感やディスプレイの幅広さがうかがえますね。

宮邉氏:そうですね。マウント状態から展開状態で6基のフィン・ファンネルの印象も大きく変わるかと思います。

フィン・ファンネルを展開すれば、迫力あるディスプレイが楽しめる
※画像は試作品を使用しています

――今回の「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> 量産型νガンダム(フィン・ファンネル装備)」こだわりポイントをお聞かせください。

宮邉氏:やはり、青のカラーリングですね。工場とのやり取りの中でもデコマス(彩色サンプル)では想定している青の色味を出すことはできますが、皆様のお手元に届く最終量産品で同じ色味を出していくのが現代の技術でも難しく、現在も調整を続けております。

 工場出力での青は難しい色で、デコマス同様の色、商品ページに掲載している色味になるように努めております。

 また、ギミック面でもフィン・ファンネルになったことでバックパックの片側のマウントやダブル・フィン・ファンネル状態の再現、展開状態の再現もこだわっています。

 そして、フィン・ファンネルの保持にもこだわりました。塗装済み完成品として保持はしっかりできる安心感を持っていただけるようにしております。

――本商品の塗装は全塗装になるのでしょうか?

宮邉氏:基本となるライトブルーなど装甲部分は塗装となっております。差し色の黄色やマーキングもしておりますので、質感にも注目していただけると幸いです。

――今回別売りの「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> 量産型νガンダム」との連動で「Hi-νガンダム」のような姿にできるというオリジナルギミックは立体物ならではの遊びですね。

宮邉氏:連動ギミックに関しては僕からカトキさんへのリクエストでもありました。フィン・ファンネルを装備した量産型νガンダムとしても高い完成度ではあります。過去の商品でも「Ka signature」ブランドでの連動もありましたので、「Ka signature」ブランドとしてオリジナルの要素を入れたいと思いました。

別売りの「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> 量産型νガンダム」とジョイントパーツで「Hi-νガンダム」のようなシルエットに

 今回はフィン・ファンネルというところで何かできないかとなった時に、インコム・ユニットのシルエットが「Hi-νガンダム」のフィン・ファンネル・ラックに似ているというところから始まりました。そこでインコム用のジョイントパーツを使用することで、「Hi-νガンダム」のようなシルエットが再現できるようになりました。

 インコム・ユニット側も下部が開くようになっていまして、こちらにジョイントパーツを差し込むことでフィン・ファンネルをマウントすることができます。

――この状態でインコム、フィン・ファンネルを同時展開する遊びもできそうですね。

宮邉氏:そうですね。この状態でもインコムを展開することも可能です。そのうえで、こだわりポイントでもお話しました青の色味が活きてきまして、本体を「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> 量産型νガンダム」の方にして、フィン・ファンネルを付けた状態にした時に青の色味の違和感がないように調整しています。

 「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> 量産型νガンダム」本体部分も濃い目の青が差し色に入っているので、バランスの取れた色合いになっているかと思います。

「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> 量産型νガンダム」に専用ジョイントパーツとフィン・ファンネルを装備することで「Hi-νガンダム」のようなシルエットが楽しめる。
※画像は試作品を使用しています

――最後にユーザーへのメッセージをお願いいたします。

宮邉氏:皆様のおかげで「Ka signature」ブランドを続けることができ、今回「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> 量産型νガンダム(フィン・ファンネル装備)」を商品化することができました。

 色味であったり、フィン・ファンネルの保持力や造形など様々な連動ギミックもこだわった商品となっております。

 本当に遊びながら“モビルスーツの系譜”を感じていただきつつ、モノづくりとしての進化を感じていただけますと幸いです。今後、「次は何が立体化するのか?」と想像を膨らませてワクワクしていただければと思います。

 また、11月15日からはイベント「TAMASHII NATION 2024」もあり、今年も「Ka signature」ブランドの展示もございますので今後とも何卒よろしくお願いいたします。

――ありがとうございました。