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「ルービックキューブ40周年展」9月24日よりハンガリー文化センターで開催!

日本の技術の結晶「極小ルービックキューブ -0.99cm精密金属製-」も発売

9月24日~11月9日開催

会場:ハンガリー文化センター

入場料:無料

 メガハウスと駐日ハンガリー大使館は、9月24日より東京都港区麻布十番にあるハンガリー文化センターで「ルービックキューブ40周年展」を開催する。入場は無料。今回イベントに先がけて、「ルービックキューブ40周年展」とコラボレーション企画に関するメディア向け発表会と内覧会が実施された。

 現在でも多くの人に愛され続けている立体パズルの「ルービックキューブ」。その誕生は、ハンガリー出身で建築学の教授でもあるエルノー・ルービック氏が、三次元幾何学を学生に説明するために製作したのが始まりだ。

 日本では、1980年7月25日に発売され、わずか8ヵ月で400万個以上を販売。その後、様々なシリーズ商品が発売され続け、今年の7月の時点で累計1400万個以上を出荷している。9月24日から11月9日までハンガリー文化センターで開催される「ルービックキューブ40周年展」は、この「ルービックキューブ」の日本発売40周年を記念して行なわれるものだ。このイベントの内容や、目玉となる展示品を紹介していきたい。

「ルービックキューブ」の立て看板が目印の、ハンガリー文化センター

初代ルービックキューブから宙に浮くキューブまで! 様々な展示品

 館内では40周年にちなんで、40×40=合計1600個もの「ルービックキューブ」を使い、生みの親であるエルノー・ルービック氏を描いたモザイクアートが展示されている。これまで日本で発売されてきた「ルービックキューブ」シリーズも展示されており、それぞれの違いを見比べれるのも面白い。

「ルービックキューブ」の立て看板が目印の、ハンガリー文化センター

 中でも注目なのが、今ではかなりレアになってしまった初代「ルービックキューブ」が箱付きで展示されているところだ。懐かしいパッケージを見て、思いを巡らせてみるのもいいかもしれない。その隣には、「九谷焼ルービックキューブ」も並べられていた。こちらは、シールの色にあたる部分を陶器で作ったものだ。パズルというよりも、貴重なアートが展示されているような神々しさである。

貴重な初代も展示。当時購入した人も多いのではないだろうか?
日本の伝統技術である九谷焼で作られた商品。まるで発掘された宝飾品のようだ
歴代のシリーズもずらりと並べられている。こうしてみると、どれも個性的で面白い
「ルービックキューブ」が生まれ経緯やこれまでの歴史がわかるパネルなども飾られていた

 また、直接商品とは関係ないのだが、ハンガリー企業によって作られたディスプレイケース「フライビジョン」を使った、「ルービックキューブ」の展示も行なわれている。どのような仕組みになっているかは教えてもらえないそうだが、展示物が空中に浮かんでいるように見えるため、不思議な感じがする。

不思議なディスプレイケース「フライビジョン」を使い、空中に浮く「ルービックキューブ」

 イベント冒頭に登壇した駐日ハンガリー特命全権大使のパラノビチ・ノルバート氏は、「日本のすべての皆様に、ルービックキューブと、ハンガリーでの由来についてお伝えすることが私の駐日大使としての目標です」と、その思いを語った。

パラノビチ・ノルバート氏

 その理由は4つある。ひとつ目は、「ルービックキューブ」がハンガリーを代表するものであるということを確信しているからだ。ハンガリーという国は小さいが、潜在的な可能性、スマートな思考、「ルービックキューブ」のような発明・創意工夫にあふれているのである。

 ふたつ目の理由は、日本を「ルービックキューブ」の第2の故郷にするためだ。3つ目は、「ルービックキューブ」は身の回りにどこにでもあり、アートやクリエイティブな世界だけではなく、それに携わる人たちにヒラメキを与えてれるからである。

 駐日ハンガリー大使公式Twitterでは、「#ルービックキューブ インスピレーション・プロジェクト」を開催する。様々なクリエイターとのコラボが紹介されていく予定である。

パラノビチ・ノルバート氏

 4つ目の理由は、「ルービックキューブ」の影響力が永遠・不滅であるからだ。日本でも若者たちが芝公園でスマホをしまって、「ルービックキューブ」のに熱中している様子を見かけたというノルバート氏。これは、21世紀に「ルービックキューブ」とデジタル世界が完全に共存しているということを表しているひとつの例ともいえそうだ。

「ルービックキューブ」で脳活! 「極小ルービックキューブ」も発売決定

 日本国内で「ルービックキューブ」を展開しているメガハウス 代表取締役社長の榊原博氏からは、ふたつのプロジェクトが発表された。玩具業界は厳しい状況にあるが、「ルービックキューブ」に関しては非常に好調だと語る榊原氏。長年愛されている理由には、単にパズルという遊びの面だけではなく揃える速さを競う競技面や、モザイクアートなど、様々な面を持ち合わせた奥の深い商品であるからだという。

榊原博氏

 そのメガハウスから発表されたのが、「ルービックキューブ」をプレイしながら脳の活性化を図る脳活プロジェクトだ。「地頭を育てるパズル」をキーワードに、今年の2月より公立諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授とタイアップし、ヒラメキ、直感力、柔軟性、集中力を遊びながら鍛えていくというプロジェクトを実施している。

 「ルービックキューブ」を解くことで、地頭力に深く関わる前頭前野が活性化することがわかった。そのなかでも、倫理的思考力を使う左側の前頭前野に大きく影響することが判明している。また、「ルービックキューブ」を解く前と比較して、応用力や思考の早さ、思考の深さが向上している。参加した子供たちは、すぐにその効果があらわれたそうだ。

 ふたつ目は、本発表会のメインともいえる「極小ルービックキューブ -0.99cm精密金属製-」についてだ。メガハウスでは、これまで日本の文化や技術を用いたオリジナルキューブを世界に発信するプロジェクトを行なっており、2年前には九谷焼の「ルービックキューブ」のコラボレーションを発表している。今回発表した「極小ルービックキューブ」も、それに続くプロジェクトである。

こちらが、「極小ルービックキューブ -0.99cm精密金属製-」。動かせるだけではなく、色が付けられている面や「ルービックキューブ」のロゴも刻印されている

 埼玉の入曽精密の協力で、世界最小となる0.99cmの極小ルービックキューブを作成。1cm以下の超小型サイズでありながら、実際にキューブを回したり揃えたりといったひと通りのことは行なえるようになっている。

 入曽精密が所有するオリジナル装置の「ORIGAMI」を使用し、0.99cmというサイズを実現。1mmに対して1/100という高精度かつ精密な形状加工を施すために、切削マシンのプログラミングから製作など最新技術と匠の技を結集して作られている。

これだけ極小のものを作ることができるのは、日本ならではの技術ともいえそうだ

 価格は18万円(税別・送料込)で、全世界で発売される。日本国内では9月23日より予約の受付が開始され、12月下旬に発送される予定だ。

麻布十番の駅からは歩いて数分の場所にある、ハンガリー文化センター。「ルービックキューブ」ファンなら、貴重な機会なのでぜひ足を運んでみてほしい。