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【模型ホビーショー】安全なリポバッテリーが照らし出す東京マルイの未来! 今回の"真の目玉"はリポバッテリー「MS Li-Po バッテリー」の発表!

【MS Li-Po バッテリー】

発売日・価格未定

 全日本模型ホビーショーでの東京マルイの今回の目玉は新型のトイガンではなく、リポバッテリー「MS Li-Po Series」の展示にある。「次世代電動ガン MP5A5」の発売時から予告されていた"東京マルイのリポバッテリー"がついに具体的な姿を明らかにしたのだ。リポバッテリーとはどういうもので、東京マルイがこれを提示してどうなるのか? トイガン業界はどう変わるのか? 紹介していきたい。

今回の東京マルイブースの大きな注目ポイントが「MS Li-Po バッテリー」と周辺機器の「MS Li-Po Series」だ

 リポバッテリーとは「リチウムイオンポリマーバッテリー」の略称である。広く使われている「ニッケル水素バッテリー」に比べ、軽量であり、高電圧、大容量、自己放電も少ないといったメリットがある。昨今ではRCなどホビーでも使われたり、電動ガンユーザーもメーカーが推奨はしていないがコネクターを改造して使用する人もいる。

 リポバッテリーは瞬間的にスイッチの切り替えをする際、発電量がニッケル水素バッテリーに比べてよくなるため、モーターが瞬間的にキビキビ動く。引き金をひいた際に強く弾が発射されるようになる。またバッテリーの使用時間も延長される。リポバッテリーに対応していない製品に関しては設計で想定していない電力のため注意が必要ではあるが、改造する人がいるのはこういった理由からだ。

「MS Li-Po バッテリー」は安全装置を搭載することで、他の製品より使いやすく、安全なリポバッテリーとなる

 しかしリポバッテリーはニッケル水素バッテリーより扱いが難しい。その大きなものは「発火しやすい」ということ。強い荷重をかけたり、電池の外部が損傷した場合などで内部がショートすると発火する可能性があるのだ。内部にガスが発生したときなどに膨らんだり、場合によっては爆発した、などということもある。スマホが発火、爆発したなどというニュースは搭載されているリチウムバッテリーが原因の場合もある。

 東京マルイがリポバッテリーの販売に時間をかけたのはこういった「安全性」の検討に時間をかけたからだ。今後の自社製品をリポバッテリー対応にする上で、安全なリポバッテリーを販売する。この目的のためにしっかり時間をかけて開発しているのが「MS Li-Po Series」である。

 メインの「MS Li-Po バッテリー」は様々な安全装置を内部に内蔵している。過充電・過放電を防止し、放電過電流を保護。短絡を保護する機能も搭載している。現在使用されている。これらは"業界初"とのこと。電動ガンに使用できる、安全性を考慮したリポバッテリーというわけだ。

 そして「専用充電器」には充電時の安全管理機能を搭載。異常を検知した場合にはお知らせ機能も搭載している。また「バッテリーチェッカー」も発売を予定している。電圧、充電電流、充電電圧、充電経過時間をチェックすることで、より安全な運用が可能になる。さらにリポバッテリーの保管時の安全対策として「セフティバック」も発売する。万が一バッテリーが発火してしまった場合も、炎の勢いを弱める機能を持ち、発火、延焼のリスクを低減できる。

専用充電器、バッテリーチェッカー、セフティバックで、より安全な環境を

 逆を考えると現在メーカー保証外の環境でリポバッテリーを使用しているユーザーのリスクも改めて考えさせられる。こういった安全性を考えた設計、生産・量産体制を準備するために、東京マルイは時間をかけているのだ。

 その上で、「MS Li-Po バッテリー」が発売されるとどのような未来が来るのだろうか? 現在まずはっきりしているのが「次世代電動ガン MP5A5」のポテンシャルが全開にできる、ということである。電子トリガーや安全装置により、引き金を引いたときにキビキビとレスポンスがいいFET回路を搭載している。大電力でモーターの回転を瞬時に最大限にできるリポバッテリーなら従来以上の切れのいい射撃が可能だ。そしてバッテリーの持ちも向上する。持って行く予備バッテリーを少なくできるし、バッテリー自体も軽い。

 そしてこの「MS Li-Po バッテリー」搭載を前提としての新展開が「P90+」だ。この製品は2006年9月にリニューアルされた「電動ガン P90」がベースになっている。次世代電動ガンではないため、リコイルアクションは搭載されていない。

リポバッテリー搭載でより切れのいい射撃が楽しめるようになる「P90+」。ベースは「電動ガン P90」だが、FET回路により射撃を改善する

 「P90+」はリポバッテリーに対応したFET回路を搭載、切れがよくパワフルな射撃が可能となっている。新規設計ではないので従来のオプションパーツがそのまま使え、これまでの資産が活かせる。その上でリポバッテリーのパワーに耐えうるように強化ピストン、メッキコーティングのセレクターギアを採用している。

 さらにトリプルレイルレシーバーでの拡張性や、ブラック塗装による質感向上も行なわれる。P90はその近未来的なデザインで人気の高いモチーフだ。今回"リポバッテリー対応版"として、新たなユーザーを獲得するだろう。

 そして「P90+」は新しい東京マルイの未来の1つの方向性を提示したともいえる。従来の製品を最小限の変更でリポバッテリーに対応させる「+」シリーズは、開発期間のかかる完全新規製品よりもコストをかけずに製作できるのではないだろうか? 愛銃が「+」シリーズでレスポンスが高くなる上、安全性も考慮される。どのような未来が来るか、今後の発表も待ちたい。