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ゾイド、トランスフォーマー、ダイアクロンが融合した「SHIELD-D-PRIME」! 今後の「T-SPARK」の顔となるキャラクターに【#静岡ホビーショー】

【第63回 静岡ホビーショー】
会期
業者招待日:5月14・15日
小中高校生招待日:5月16日
一般公開日:5月17・18日
会場:ツインメッセ静岡(静岡市駿河区曲金3丁目1-10)
入場料:無料
※入場には事前登録が必要

 昨年、2024年の静岡ホビーショーの"台風の目"は間違いなくタカラトミーの大人向けホビー商品の統一ブランド「T-SPARK」だった。昨今のホビー業界の広がり、特に"大人向け"という、玩具業界各社の安全基準や、対象年齢設定の枠を超え、そして高コスト、技術の進化によるハイクオリティなホビー商品が数多く展開されている中で、タカラトミーが高らかに"大人向けブランド"を宣言し、一気に多数の新商品を発表したのだ。

 今年の静岡ホビーショーでも「T-SPARK」の気合いの入りかたは凄まじい。その中で非常にインパクトの強い商品がある。その名も「SHIELD-D-PRIME」、シールドライガーがオプティマスプライムを思わせるロボに変形し、そのコクピットや足下にダイアクロン隊員がいるという、タカラトミーの人気ブランド「ゾイド」、「トランスフォーマー」、「ダイアクロン」が融合した、非常にユニークかつ、挑戦的な商品だ。本稿ではこの驚きの存在をピックアップしたい。なお、HOBBY Watchでは今年出展されたT-SPARKの商品を積極的に取り上げているので合わせて読んで欲しい。

シールドライガーをスキャニングしたトランスフォーマー「SHIELD-D-PRIME」

 「SHIELD-D-PRIME」の"設定"は、トランスフォーマーがゾイドの「シールドライガー」をスキャンした姿、というものだ。宇宙生命体であるトランスフォーマーは地球上で様々な機械や、動物の姿をスキャンし、その姿そっくりに擬態して、そこから四肢を持つロボット形態へ"トランスフォーム"する。この「SHIELD-D-PRIME」というキャラクターは、シールドライガーの姿を模倣し、そしてロボット形態としての姿も持つトランスフォーマーなのである。

シールドライガーそのままの姿。コクピットがダイアクロン隊員に合わせ拡張されている
プロポーションも含め、変形するようには見えないところが面白い

 おもしろいのはさらに「ダイアクロンメカ」という性質も持っているところ。シールドライガーのコクピットに加え、背中部分にもサブコクピットが取り付けられ、ダイアクロン隊員と乗り物メカという「ダイアクロン」シリーズの面白さも取り込まれている。しかもダイアクロン隊員が乗るメカとしてバイクも付属しており、隊員をコクピットに乗り込ませるだけでなく、バイクも「SHIELD-D-PRIME」内部に収納できるという、メカ的な遊びも盛り込まれている。

 他にも遊びの幅は広い。「ゾイド」と「ダイアクロン」の特性を活かし各部には3mm穴のプラットフォームが設けられ、ここに武器を取り付け可能。その武器自身も合体し別のメカとなる。ゾイド形態の背中のコクピットは取り外し、他の「ダイアクロン」のメカも取り付け可能。「ゾイド」、「ダイアクロン」の両ブランドが持つカスタマイズの楽しさ、オリジナルメカを追求する楽しさを持たせている。

オプティマスプライムそのままの頭部に、胸にはシールドライガーの顔。ダイアクロン隊員が立っているのも楽しい
全体的にスマートだ。ゾイドの時とは手足のバランスが変わっているようにも感じ、変形システムには興味が惹かれる

 しかもそれだけではない。「ゾイド」で欠かせないのがムービングアクションである。「SHIELD-D-PRIME」はシールドライガー形態の顔部分に電動アクションギミックを内蔵、口が動き咆吼するアクションを入れている。各ブランドが持つ楽しさをきちんと兼ね備えた商品になっているのだ。

 そしてオプティマスプライムを思わせる頭部を持ったロボット形態は、じっくり見ると単純に「直立したシールドライガー」ではないことがわかる。足がすらりと長く、肩部分も可動の自由度が高いデザインになっており、すらりとカッコイイヒーローロボット体型になっている。スマートな姿、そして何よりも胸にシールドライガーが配されたデザインは「勇者王ガオガイガー」のコアロボット「ガイガー」も連想させる。

 本商品のキャッチフレーズは「『変形』、『躍動』、『創造』の融合」。「トランスフォーマー」ならではの変形、「ゾイド」の持つ機械生命体としての表現とムービングアクション、そしてブロックトイのようなカスタマイズ性の楽しさでユーザーの創造心を刺激する「ダイアクロン」、それぞれの楽しさを持つ本商品のコンセプトを現すキーワードだ。

ダイアクロン隊員。バイクも「SHIELD-D-PRIME」に収納可能
武器は合体し、コクピットをつけることで飛行メカになる
シールドライガーのコクピットにダイアクロン隊員が座る。このコラボ感が楽しい
背中のサブコクピットは、他のダイアクロンメカが合体できる

 実は、「変形するシールドライガー」、ゾイドが"人型ロボット"になるというのは、ゾイドファンにとっての議論を呼ぶコンセプトといえる。獣や恐竜、昆虫など本物の動物を機械生命体としたゾイドのアイデンティティを揺るがすコンセプトであり、ゾイドファンには抵抗がある部分だ。実際、「あくまでこれはゾイドをスキャニングしたトランスフォーマーだ」という設定があっても開発チームにも強い葛藤と、抵抗があったという。しかし「ビーストウォーズ」の技術も取り入れたスタイリングの変化、ダイアクロンの要素も盛り込み、なによりも「お祭り感」が出た商品となった姿を見て、開発者自身も納得する着地点が見いだせたとのこと。従来の壁を破った「SHIELD-D-PRIME」は、まさに「T-SPARK」の象徴にふさわしい存在となったと担当者は語った。

 「SHIELD-D-PRIME」は、新しい楽しさを切り開く「T-SPARK」のシンボルとして、今後も活躍していくとのことだ。

「シナジネクス バサラプライム」は"第3の形態"の片鱗を見せる!

 もう1つ「T-SPARK」で見逃せないのが、「シナジネクス バサラプライム」。アニメ「マクロス7」の主役機「VF-19改 ファイヤーバルキリー」と「トランスフォーマー」のコラボ商品。発売日、価格は未定だが、今回新たな情報が明らかになった。

 ファイヤーバルキリーは歌う主人公・熱気バサラが乗り込み、戦場で戦わず歌を届けるという非常にユニークなコンセプトなのだが、「シナジネクス バサラプライム」はその歌を前面に押し出した商品となるという。「シナジネクス バサラプライム」の胸が開くと、スピーカーユニットが全面に展開、さらに顔も"熱唱顔"が用意される。加えてスピーカーを満載し、大きなマイクを備え付けた「ステージ」も用意されている。「シナジネクス バサラプライム」は"歌う"と言う要素を前面に出していることが、今回の展示で伝わってきた。

"歌うイメージ"を前面に押し出した展示
胸は「マトリクス」ではなく、スピーカーを装備。ギターにマトリクス要素が込められる
かなりコンボイのコンテナっぽいステージ
熱唱顔も用意される

 このステージはコンボイの「コンテナ」を思わせるデザインだ。このことについて担当者に質問したが「まだ秘密」とのことだ。しかし「シナジネクス バサラプライム」には"第3の形態"が隠されているようだ。

 今回初公開となるのがファイター形態。モチーフであるVF-19そのままの姿だ。本来、ファイヤーバルキリーはロボット形態であるバトロイドへの変形がしっかり設定されているが、どうやら「シナジネクス バサラプライム」はその設定とは異なる変形をするようで、そういった要素も今後情報公開が楽しみなところだ。

ファイター形態初公開。変形システムはVF-19改とは違った物となるようだ