レビュー

「でんげきチュウい! ビリビリピカチュウ」レビュー

親世代も直撃! 盛り上がり必然、かわいくて手応えあるピカチュウホビーが登場

【でんげきチュウい! ビリビリピカチュウ】

発売元:タカラトミー

発売日:4月24日

価格:3,850円(税込)

ジャンル:玩具

電池:単4形アルカリ乾電池×3(別売)

 今回紹介する「でんげきチュウい! ビリビリピカチュウ」のフォルムを見て、「これは!」と心に電撃が走るのはむしろ親世代ではないかと思う。

【【ポケモン】でんげきチュウい! ビリビリピカチュウTVCM】

 金属の棒を持ち、電気の流れる金属のコースに触れないようにゴールを目指す。一度でもコースに触れたら即失格、しかし最後までたどり着けたら100万円がもらえる。もう20年以上前のテレビ番組の企画だが、「イライラ棒」と名付けられたそのゲームに当時テレビっ子だった筆者は熱中して見ていた。

 その盛り上がりはテレビの企画を飛び出して、おもちゃ化やアーケードゲーム化、テレビゲーム化もされていることからもよくわかる。筆者も近所のゲームセンターに「イライラ棒」が入ったと聞きつけて、わざわざ挑戦しに行ったのをよく覚えている。

 手をプルプルと震えさせながら、どうにかコースに触れないようにコントロールしていく。やっている方も見ている方も異様な緊張を強いられる。「でんげきチュウい! ビリビリピカチュウ」はまったく別の商品だが、かつて「イライラ棒」に熱中した親世代の思い出をダブらせてくるところが「上手いところを突いてくるな」と思う。

 しかもピカチュウである。いわば、親世代のキラーコンテンツを見事に融合しているわけだ。実際に触れてみても、ひとつのゲームとしても、ポケモングッズとしても楽しい一品になっている。さっそく詳しく見ていきたい。

「でんげきチュウい! ビリビリピカチュウ」
正面から見たピカチュウ。かわいい

コンパクトだが大人もハマる難易度! 激しい“おしおき”も体験

 「でんげきチュウい! ビリビリピカチュウ」のつくりはとてもシンプルだ。尻尾部分がコースになっていて、準備はこれを本体に設置するだけ。動作には単4電池を3本使用する。

 ゲームは、電源を入れた後、本体につながったかぎ型スティックを、コース最初のポッチに触れされることでスタートする。スティックをスタート位置にセッティングして、準備完了の合図を出すようなイメージだ。

尻尾のコースはガチャッとはめ込む感じでセットする。お尻の後ろにはスティックを置ける場所がある
電池カバーはプラスドライバーで外せる。ネジはカバーから取れないつくり。単4電池3本で動作する
コースの端にはポッチがある。これにスティックの先を触れさせるとゲームがスタートする

 ゲームがスタートすると、ピカチュウが「ピーカ、ピーカ、ピカピカピカチュウ♪」などと歌う。「静かに静かに」みたいなやや抑えめの歌声で、緊張感が増す効果がある。制限時間もあり、時間が近づくとピカチュウの歌ものメロディが早くなる。焦ってもいけないし、時間をかけすぎてもいけない。

 いい感じにピカチュウに急かされながら、スティックをコントロールしていく。コースの終わりにはスタートと同じく金属のポッチがあり、これにスティックで触れると見事ゴールだ。

ピカチュウの声に合わせて緊張感高まるゲームがはじまる。端のどちらをスタート、ゴールとしてもOKなつくりだ
焦ればコースに触れるし、慎重になりすぎると時間制限が迫る。とにかく先へ進まなくてはいけない

 ゲームモードは「イージーモード」と「ハードモード」の2種類があり、ゲームオーバーまでの“コースに触れていい回数”が違う。イージーモードは3回までセーフで、4回目でゲームオーバー。ハードモードでは1回触れるだけでゲームオーバーだ。

 ゲームオーバーになると、ピカチュウのとくいわざ「10まんボルト」と同じ掛け声とともに、スティックが「ジーーー!」と振動する。電気的な刺激は発生しないが、思っていた以上の振動が手にやってくる。まさに、“おしおきにピカチュウの電撃をくらった”感じ。自分が黒焦げになったと想像してその場に倒れ込むなどすると、本製品のコンセプトをより楽しめるだろう。

【「でんげきチュウい! ビリビリピカチュウ」プレイ開始からゲームオーバーまで】
こちらが実際に遊んでみた動画。ミスしたときの音は振動から来るもの。その音量から振動の激しさを推し量っていただきたい

 実際にトライしてみると、想像以上にスティックの制御が難しい。ピカチュウの尻尾の形のコースの曲がり具合もかぎ型の輪の大きさも絶妙で、大人でもグッと集中しないとコースに触れてしまう。その上でプレイするハードモードの「1回も触れてはいけない」緊張感は、決して侮れない。

 失敗しても成功しても、1回のプレイ時間は短いのでサクサクと繰り返せる。もし大人が失敗したら、「クリアするまでチャレンジさせてほしい」と子どもに頼むくらいの悔しさがある。

 ピカチュウの見た目とリアクションはかわいく、またゲームとしての手応えもしっかりあるところは本商品のニクいポイントだ。それに、いつミスするかわからない緊張感は周りで見ている人も同じ。自分でプレイしても、人がやっているのを見ているだけでも盛り上がれる。

ゲーム難易度はスイッチで切り替える。大人なら、一気に緊張が増すハードモードで挑戦したい
最後までたどり着き、このポッチに触れられるかどうか。人数が集まり、腕に自信がある人たちばかりなら、「誰かがミスするまで繰り返す」などといった遊びも楽しいだろう

 さらに面白いのは、公式が「10種類のルール」を推奨していることだ。中でも興味深いのは、2人でプレイする「ペアチャレンジ」や「グラグラチャレンジ」。「ペアチャレンジ」は、2人でスティックを持って操作するルール。「グラグラチャレンジ」は1人がピカチュウを手に持ち、もう1人がスティックを操作するルールだ。商品は子どもでも両手で持てるくらいのコンパクトさなので、机などに置いて楽しむ以外の遊び方もできるようになっている。

 試しに妻にピカチュウを持ってもらって「グラグラチャレンジ」をやってみたのだが、微妙な手ブレが思いのほか怖い。「やめて! 震えないで!」と言ってみたところで揺れるものは揺れるので、普段よりもミスのリスクが跳ね上がったチャレンジとなる。精神的にもゲーム的にも大きな負担となるし、緊張から笑いがこみ上げてきたりするともうダメ。笑った瞬間にスティックとコースがガチガチ当たることになり、あっという間に終了する。これは難易度が高い。

 また「これができたらビリビリキング」として提案されているのが「クローズアイ」。スティック操作役は目をつぶり、仲間の声だけを頼りにプレイするもの。そもそも目をつぶったまま正確にスティックを操るスキルがいるし、声掛けも正確でないといけない。

 これも試しにやってみたが、声掛けの連携以前に、スティックを真っ直ぐ移動できず、最序盤でゲームオーバーになってしまった。裏ボス的な超絶難易度のスイカ割りといったところだが、極めに極めきった人、相当腕に自信のある方はぜひ挑戦していただきたい。

 「でんげきチュウい! ビリビリピカチュウ」は、子どもと遊ぶときはもちろん、大人同士で遊ぶパーティゲームとしても、盛り上がること間違いない。ポケモンファンであればぜひチェックしておいて損はないし、盛り上がり必然のパーティアイテムのひとつとして家に置いておくことをオススメしたい商品だ。

かわいいし、盛り上がることは間違いない。ポケモンファンならずとも注目のホビー商品だ

【タカラトミーモールで購入】