特別企画
ガンプラ世界大会「GUNPLA BUILDERS WORLD CUP 12th TOURNAMENT WORLD FINAL」レポート
今年のガンプラビルダー世界王者が決定! ファイナリスト全作品も写真で紹介
2025年2月25日 11:51
- 【GUNPLA BUILDERS WORLD CUP 12th TOURNAMENT 世界大会決勝】
- 開催日:2月22日
- 会場:新宿住友ビル 三角広場(東京都新宿区西新宿2-6-1)
BANDAI SPIRITSは2月22日、同社が主催するガンダムプラモデルの公式世界大会「GUNPLA BUILDERS WORLD CUP 12th TOURNAMENT」(以下、GBWC)の世界決勝戦「WORLD FINAL」を「GUNDAM NEXT FUTURE FINAL in TOKYO」の会場内で開催した。
ガンプラ製作の世界チャンピオンを決める本大会のWORLD FINALは、世界16エリア/地域の「U-14(6歳以上14歳以下)」、「U-20(15歳以上20歳以下)」、「OVER-21(21歳以上)」の3つの年齢別コース優勝者44名と作品が会場に集結。審査員3名による厳正な審査のもと、各コースの上位3名が決定し表彰された。本稿ではそのレポートともに、GBWCファイナリストの全作品を紹介する。
このWORLD FINALでは、BANDAI SPIRITSの審査員1名とゲスト審査員2名により、各作品の「工作」「塗装」「アイデア」の3項目を各10点満点で採点し、1人30点、最大90点の得点方式で各コースの上位3名を決定する。
U-14コース
U-14コースの3位は、タイエリアGUNDAM3795さんの「“Happy farm”」。ベアッガイという可愛らしいMSをメインに据えているが、いわゆる“ゆめかわ”な方向性ではなく、一歩引いた農村という渋めの題材をチョイスし、ベアッガイとともに農機具でもある鎌を持ったザクレロハロを置くなどひねりも添えている。トタン屋根の表現や木々の表現など、生け花のような映える構成も評価された。
U-14コース2位は日本エリア、yuwa-cさんの「Dear Nicol…」。パーフェクトグレード(PG)では発売されていないデュエルガンダムを、PGストライクルージュを改造して製作。オリジナル要素も盛り込んだパーツの使い方が高評価に。ニコルを思うイザークの気持ちが込められた哀愁を感じられる背景もポイントとなった。
U-14コースチャンピオンは香港特別行政区エリアのDic Dic Chaiさんの「Camouflage」。決勝戦当日に発売されたばかりの「HG 1/144 ズゴック(SEED FREEDOM Ver.)」をオマージュしたような、話題性の高い表現をいち早く取り込んで立体化したスピード感に加え、パージされたズゴックのアーマーの裏側までしっかりと作り込んでいる見応えのある作品と評価された。
U-20コース
続いてはU-20コース。3位はマレーシアエリアのVulcan Gunplaさんの「Armoured Devil, Engage!」。1/100のガンダムバルバトスを使い、劇中の市街戦をイメージして作った躍動感のある構図で、ベースを斜めに傾けてその対角線上に対象を置くことでジオラマに勢いを生む技法をこの歳にして身に着けていることを、審査員は驚きの声で伝えた。
U-20コース2位は、日本エリアのHikonatsuさんの「Beyond・The・AXIZ」。イラストレーターの幡池裕行氏が描いた、サザビーがロングライフルを持って格納庫から出撃するシーンをモチーフとした着眼点が高評価に。イラストと同様に整備員を置いてロボットとしての巨大感を出し、暖色のイラストをあえて寒色の背景でまとめ、作者独自のアレンジを添えている点もポイントとなった。
U-20コースのチャンピオンは、中国内地エリアのZHANG JUNHUIさんの「God of Kungfu」。1/100スケールで「機動武闘伝 Gガンダム」のモビルファイター5体を再現。ベースはMGシリーズながら、ゴッドガンダム以外の4体は商品化されておらず、いろいろなアイテムのパーツをバランスよくミキシングし、それぞれの機体の特徴をしっかり再現しているとの評。5体がたたずむ構図も、そのまま物語に登場しているかのような表現が伝わってきた点も高得点に繋がった。
OVER-21コース
ここからはOVER-21コース。3位に選ばれたのは日本エリア、FAgreenさんの「Regeneration」。「ターンエーガンダム」に登場するターンXがモチーフで、様々なガンプラからパーツを使って組み合わせることで、作品として作り上げている。これまでのガンダムのあらゆる戦いの記憶が込められた、劇中の“黒歴史”を内包するような作品と評。実体として立体化された月光蝶の虹色に輝くメタリックと、本体をマットに仕上げたワンパターンにならない塗装に高得点が付けられている。
OVER-21コース2位はカナダエリア、Ryan Lauさんの「Loading…」。今回エントリーされた作品の中でもかなりシンプルな造形で、ガンプラバトルに挑む前のロード中RX-78-2ガンダムのシーンを演出している。スジ彫りやスミ入れ、塗装など全てにおいてハイレベルで、ローディングを表す演出なども凝っていて、丁寧に作り込めば単体でもGBWCに入選できることを示した作品だと評された。
そしてOVER-21コースのチャンピオンに選ばれたのは中国内地エリア、WU JINGMINGさんの「UNDER CONTROL」。「ガンダムセンチネル」のEx-Sガンダムとネロ、そしてサブフライトシステムを製作し、その工作・塗装技術の高さとともに全体を空間的に見せる構図が高く評価された。その台座にはガンダムMk-Vの巨大な手をあしらって、手の上に作者のイメージを具現化する意志がしっかり伝わってきたことも評価のポイントとなった。
各コースチャンピオン作品/ファイナリスト作品
ここからは各コースチャンピオンの作品と、惜しくも入賞は叶わなかった各エリアのファイナリスト作品を写真で紹介しよう。
(C)創通・サンライズ
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