レビュー
「FireWood Home」レビュー
たき火に癒やされたい! 火起こしから火の維持まで追体験できる楽しいアイテム
2021年9月8日 17:41
- 【FireWood Home】
- 開発:タカラトミーアーツ
- 販売元:タカラトミーマーケティング
- 発売日:9月9日発売
- 価格:5,940円(税込)
- 種類:焚火ガジェット
- 全長:約17cm
- 重量:約343g
- 電源:単三アルカリ電池3本
昨今は「アウトドアブーム」、「キャンプブーム」である。アニメ「ゆるキャン」もこの流れを後押しした。野山に行き、薪を集めてたき火を燃やし、風景を眺め、料理を作り、非日常を楽しむ。現在はwebで初心者向けの説明をしてくれるサイトや、楽しいキャンプ生活を伝えるコンテンツも多くなった。様々な人が自分のスタイルでキャンプを楽しんでいる。
しかし現在はコロナ禍であり、気軽にキャンプに行けない状況がある。そう言う中で家の中でキャンプ気分に浸れるのが、9月9日にタカラトミーアーツから発売される「FireWood Home」である。薪が燃える様子を炎ではなく、LEDで再現する。さらに"音"でリアルにたき火を表現。たき火の炎は人の心を癒やす効果があるというが、家の中で気軽にたき火を見つめているような気分にさせてくれるアイテムなのだ。
ただ火が燃える様子を再現するのではなく、息を吹きかけないと火力が弱くなってしまったりするモードも搭載。"おもちゃ"としての楽しさも持っているのはタカラトミーアーツならでは。「FireWood Home」の面白さを紹介していきたい。
LEDと音で"たき火"を再現! 2つのモードで家の中で気軽にたき火体験
「FireWood Home」はLRDと音でたき火の魅力を再現する。商品は薪が積んであるリアルなジオラマで、台座には穴が開いている。この穴は前にあるのが息を吹きかけると反応する「ブレスセンサー」、後ろの穴はたき火が燃える音が出るスピーカーだ。単三乾電池3本でたき火が燃える空間を再現する。
また手前には「タッチセンサー」が用意されている。このタッチセンサーに触れることで、実際の薪に火をつけるアクションや、息を吹きかけ火種を育てるアクションができるのだ。本体の後ろに切り替えスイッチがあり、遊び方が異なるモードを切り替えることができる。
「FireWood Home」は2つのモードを搭載しており、それぞれが違うアプローチでたき火の楽しさを表現している。スイッチを入れることで「アウトドアモード」、「ライティングモード」に切り替えることができる。モードによって火がすぐに消えたり、最大2時間操作をせずに薪が燃える風景を楽しむことが可能だ。
薪部分にはLEDが仕込まれている。このLEDからの光が薪表面に反射することで、まるで薪が燃えているような効果を発する。同時にスピーカーからは薪が燃える音が聞こえる。たき火の炎の癒やし効果は"ゆらぎ"にあるという。パチパチとはぜる音、炎の揺らめき、そういった規則的ではないランダムな要素が、見ている人の心を和ませる。
「FireWood Home」は、薪の奥に、かすかに揺れる小さな板が仕込まれていて、ランダムな揺れでろうそくの炎のように揺らめく。薪のLEDもかすかに明滅し、薪が燃える雰囲気を再現している。そして音だ。この音を聞きながら炎の様子を見ていると、確かに心が和む。
本商品に関して、タカラトミーアーツはあえて商品説明をほとんどせず、火が燃える雰囲気だけを伝えるPVを作成している。この雰囲気こそが商品の魅力、ということだろう。感心させられるのはやはりLEDの配置だ。薪を模したオブジェクトに光を当てることで燃える薪の光景を再現、揺らぎを持たすことで効果的に「和む風景」を作り出すのは、「良くできてるなあ」と思わせる。
2つのモードを説明していこう。「アウトドアモード」は本商品のギミックを活かしたモードだ。まず炎のアイコンが描かれたタッチスイッチをマッチをこするように触ると、「ボウッ」と音がして種火が燃え上がる。
ここからは「息」でこの炎を大きくしていく。炎のアイコンが描かれている横の「ブレスセンサースイッチ」を触れると、待機モードとなる。このときに息を吹きかけると、炎が勢いを増すのだ。
炎は最大5段階まで勢いを増す。「アウトドアモード」の場合は、放置していると15秒で炎の勢いが弱くなってしまう。このためユーザーは定期的にブレスセンサースイッチをONにして、息を吹きかけなければならない。もちろん実際のキャンプの火の管理はこんなに簡単ではないが、ちょっとした苦労を味わうのが楽しい、「FireWood Home」ならではのモードだ。
シンプルにたき火の炎が見たい、と言う人には「ライティングモード」だ。スイッチでモードを切り替え、タッチセンサーをマッチのようにこすって発火させる。その後は2つの操作が用意されている。1つがタッチセンサーをスライドさせる方法。こちらは火力を自由に設定できる。タッチセンサーを逆にこすることで火力を弱めることも可能だ。こちらのモードは状態が1時間持続する。
もう1つはモードを切り替えた後、種火プレートが消えている状態でブレスセンサースイッチを1秒間に2回押すことでONになる。こちらは種火状態から自動で3段階に炎が変化。約2時間でオートスリープになる。「ライティングモード」はあまり操作をせず、じっくり眺めていたい人向けのモードだ。
「FireWood Home」をより楽しむためには、部屋を真っ暗にする必要がある。実際のキャンプと同じようにスイッチが操作できるように、手元だけスイッチが見えるようにライトを使うと雰囲気が出るかもしれない。寝る時に手元に置いたり、机の上に置いて眺めるのも良いだろう。また部屋が明るい状態で、火が燃える音だけをBGMにする、と言うのもアリだろう。
慣れないうちはちょっとタッチセンサーの操作に手惑うことがあった。こすっていても動作しないように感じる。しかしモードと操作方法をしっかり把握すると思うように操作できるようになる。やはり息を吹きかけると「ゴウッ」という音とともに火勢が強くなるのがいい。LEDの光のため熱さはないのだが、幻の熱を感じてしまう演出が楽しい。
また面白いのが、「FireWood Home」の後方に手をかざすと明るい光が反射するところ。炎を表現するLEDはそのまま光が直進しているので、この光が当たると、炎に手をかざしているような雰囲気になる。そこで今回はこの"照り返し"をフィギュアに当ててみた。高さの調整が難しいが、キャラクターが炎の光に浮かび上がるような雰囲気が出た。工夫することでもっといい効果の写真が撮れそうだ。このように「FireWood Home」を"小道具"にして色々な遊びを考えてみるのも楽しそうだ。
実際にたき火をするのは準備も後始末も大変だ。もちろんキャンプの醍醐味はそこにあり、だからこそ楽しいのだが、「FireWood Home」は気軽にキャンプやたき火の思い出をよみがえらせてくれるアイテムだ。
やはりマッチをこする感じで発火、息を吹きかけないと火勢が弱まるというアウトドアモードの"おもちゃ感"が楽しい。単純に雰囲気を味わうモードも用意することで、選択肢が広がる。息を吹きかけると火勢が強まるというのは単純に面白い。
もちろん、キャンプに行ったことのない人も雰囲気が味わえるというのも魅力だ。コロナ禍で外に出ることができない昨今、家の中で楽しむのもありだろう。まだまだ大変な日々が続くが、日常を癒やしてくれるアイテムとしてオススメだ。