レビュー

ハセガワ「1:72 リガード(標準量産型)」レビュー

ゼントラーディ軍の主力!ワンマン戦闘ポッド「リガード」が接着剤不要で登場!

【1:72 リガード(標準量産型)】

開発・発売元:ハセガワ

発売日:2022年02月26日

価格:3,300円(税10%込)

ジャンル:プラモデル

全高:約225mm

 今回レビューするのはマクロスシリーズのプラモデルを開発・発売しているハセガワから新規金型で登場の「1:72 リガード(標準量産型)」です。このメカはアニメ「超時空要塞マクロス」に登場するゼントラーディ軍の主力で、のちの作品においても登場する量産型メカです。

 「超時空要塞マクロス」TV初放送時、敵勢力の詳細は隠されていましたがその正体が徐々に明かされていく中で“地球外には身長約10mの巨人がいて戦争をしている”・“その巨人との戦闘が想定されるのでVF-1バルキリー(後にVF-0フェニックス)が作られた”ということが明かされていきます。

【進駐を控えたSDF-1マクロスへ攻撃をかけるリガード】
両脚とロケットノズルを後方へ向け急襲する!

 そして第2話、VF-1バルキリーのガウォーク同様“逆関節”の脚部と丸い卵型のボディを持ちながら腕部や頭部を持たない“ワンマン戦闘ポッド・リガード”が登場します。そのデザインには驚かされましたが、さらに第2話終盤で主人公・一条輝とともに私たちはショッキングな事実を目撃します。輝の攻撃によって沈黙させられたリガードからゼントラーディ軍の兵士である身長約10mの巨人がぬっと現れ、輝と私たちの度肝を抜きました。

【『超時空要塞マクロス』 第1話 「ブービー・トラップ」】

 第12話「ビッグ・エスケープ」でも、ゼントラーディ軍との接触が描かれます。ゼントラーディに捕らえられた一条輝・早瀬未沙・柿崎速雄を“マックス”ことマクシミリアン・ジーナスがゼントラーディの軍服を着たバルキリーで救出。敵艦内を逃げ回って4人でリガードを強奪して脱出するというマクロスらしいとても面白い内容ですので機会があればぜひ見ていただきたいストーリーです。

【降着ポーズも取れる可動機構を持つ新金型キット】
ゼントラーディ艦内ではこの状態で駐機しています

 ここからキットへ話を進めましょう。ハセガワからはマクロスシリーズのバルキリーが主にキット化されていますが、プラモデルとして接着剤使用と塗装が前提のキットでした。今回リガード発売の発表があって筆者は驚きをもってハセガワのホームページを見ることになりました。

 そこには“接着剤不要プラモデル”のアイコンが!そして4色成形によって無塗装でも設定画に近い仕上がり、関節部はポリパーツでの可動性能を持つとの記載がありました。なんということでしょうか……バルキリーではなくまさかのリガードがこの贅沢仕様&新金型でのキット化となったわけで筆者はすぐに発注をかけました。ハセガワの意欲作「1:72 リガード」はどういうキットになったのかをレビューしていきたいと思います。

パッケージを確認。キャラクターキットとしてのパーツ構成がおもしろい

 それではパッケージ内容を見ていきましょう。パッケージは縦長でランナーも縦長の構成になっています。一本の太い軸に複数のランナーがぶらさがるようなイメージとなっているので、最初にその軸から切り離して同じランナーでまとめると作業がやりやすくなります。キットにわざわざ記載されている“標準量産型”の文字の意味を考えながらランナー構成を見ていると今後の展開も期待させてくれます。

【パッケージ構成】
パッケージはマクロスビジュアルアーティスト天神英貴氏による迫力満点なイラスト
Aランナー ボディカウル(白)、Bランナー レーザー対空機銃基部
Gランナー【2枚】 メインロケットや外装など
Uランナー 荷電粒子ビーム砲、Tランナー 脚部フレームなど
U/Tランナーに加え、Vランナー ボディインナーフレーム
Rランナー ボディアウターフレーム
STランナー スタンド
Sランナー【2枚】 脚部フレームなど
AAランナー ボディカウル(青)、Zランナー ボディ背部ハッチ
CCランナー カメラ部などクリアーパーツ

組立を開始! ん? フライドチキンか蟹、食べたくなりました……

 それでは早速組み立てていきましょう。まずはリガードのイメージを形作っている逆関節の脚部から組み立てます。リガードの脚部はだいぶ細いデザインですがどのように設計されているでしょうか。

 キット全体のパーツほぼ全てにおいて“アンダーゲート”での成形になっていますのでゲート跡をキレイに処理してやる必要があります。やすりでささっと削るだけで気持ちいい組み立てができます。

【アンダーゲート処理】
パーツほぼほぼアンダーゲートです
裏返してパーツ外側のゲートをカットして
接合部にのこったゲートをカットして
やすりで削れば完了です

 まずは足首とソール部から組み立てます。パーツを並べてみるとなにやら面白い構成だと気付きます。かかとにあたる半月状のパーツの外装同士を軸のパーツで接続するということでキャラクターキットとしては面白い設計ではないでしょうか。これで安定するの?という疑問がわきましたが組んでみるとこれがパチピタでなんとも気持ちがいいのです。

【組立:脚部:ソール部】
ポリパーツでへたり耐性も期待できます
つま先は上下であわせ目も目立ちません
フレーム的関節で可動軸も多くなります
つないでみると……
つま先と足首が出来上がります
かかとの基部もフレーム状です
左右のスイング機構も備わります
かかと左右の半月状の部分はポリパーツを仕込み、
上下で固定します
これがパチピタで気持ちいい瞬間です
組み上げるとだいぶ動くことが分かります
脚部本体を組み上げるとどこまで動けるでしょうか

 脛部はグレーのフレーム部に白の外装を取り付けることで設定のカラーリングを再現します。脛の足首側にあるクリアーパーツもアンダーゲートになっています。このパーツをキレイにしないとパーツがぴったりと合わないことになりますので注意が必要です。それだけ精度の高い設計になっているとも言えます。

【組立:脚部:脛部】
カラーごとのパーツ割りで設定を再現します
片方を組んでみました……手にもってみるとなんだかフライドチキンのような……
このクリアーパーツをキレイにしないといけません
接合面をやすりでならして
左右にセットし、ポリパーツも仕込みます
キレイに処理すると左右がピッタリと合います
白い外装をかぶせて
ソールとドッキングすると流れるようなデザインになります
飛行時のポジションでもキレイなラインです
足裏もぬかりないモールドがされています

 全高約225㎜の巨大キットであるこのリガードでは巨体を支えるために大腿部と膝関節が重要になりますがどのような設計になっているでしょうか。余談ですが鳥の脚の特徴である逆関節状態をデザインに落とし込んだことで有名なマクロスメカですがここ最近“膝”と思われていた部分は実は“足首”とのこと……ということはこれから組むのは足首?膝?どちらなんでしょうか。

【組立:脚部:大腿部&膝関節】
左右の上段にあるのが膝関節、それ以外は大腿部のパーツです
片側を組んでみました……こちらはなんだか蟹の脚なイメージ……ほじると身が出てきそうです
左右を貼り合わせて
白い外装をかぶせてロックします
膝関節は二重関節になっています
それぞれにポリパーツを仕込んで外装の軸に組み込みます
大腿部基部には大き目のボールジョイントのポリパーツを組み込みます
ポリパーツホルダーを外装でさらに抑え込みます
構成要素が出来上がりました
組み上げて両脚分ならべると……ほじりたいなぁ
膝下と組み合わせるとかなり大きいサイズになります
膝の二重関節でここまで曲ります