レビュー

ハセガワ「1:72 リガード(標準量産型)」レビュー

ボディを組み立てる。組みあがると大きいたまごがパチピタ!

 おおきな卵型のボディを組み立てます。ボディというかキャビンというかコクピットでもあり脱出ポッドにもなる本体です。構成としてはコクピットを作り込むといったものではなく、あくまでプラモデルとしての設計がされています。カラーごとのパーツ分けで設計されていてほぼ設定どおりに仕上がります。全体的な組み立て方もよく考慮されていて、パーツの合いも申し分なく感じます。

【組立:ボディ:コクピット】
カラーリング毎のパーツ分けがしびれる設計!
ボディの基部はコクピットブロックとなっていて両脇にメインロケットのためにポリパーツを組み込んでスムーズな可動を実現します
これはボディの中心を構成する梁の役割になるパーツで……
両方で互いの歯を噛み合わせ……
十字に梁をかけることで剛性を確保しています
ボディ基部とドッキングさせ……
ボディ下部のフレーム外装をピンで接続します
押し込むときにピンを折らないように注意が必要です
白い外装パーツを配置していきます
最初は特に後端がグラグラしますが
青い外装パーツを配置していくと白い外装もがっちり固定されます
すべてがピンでの接続なのでちょっと心配ですが
パーツを組み込んでいくと剛性が上がっていくのがわかって楽しくなります
メインの外装を組み付けます
上部レーザー機銃のためのベースにはポリパーツが仕込まれます
こちらもピン接続です
メインの外装をかぶせて……
パチピタが気持ちいいです
背面のハッチはさらにパチピタ感が極まっています
このハッチからゼントラーディ兵士が出てくるんです……恐怖でしかありません

 ボディ両端にあるメインロケットを組み立てます。ここでも可動部にはポリパーツが使われていますロケットのノズル部はグレーの別パーツ化されていて若干ながら上下に可動します。リガードバリエーションには「マクロスΔ」に登場する“106式”という腕付きのものもありますのでそのままではないにせよ今後に期待できる設計ではないでしょうか。

【組立:ボディ:メインロケット】
内部にポリパーツを組み込んで外装で固定する構造です
片側を組んでみました……なんとなくおにぎり感が……
ボディへの取り付け軸やポリパーツを組み込んで
フタをすればがっちり固定されます
ボディに取り付けるとスムーズに回転可動させられます

 いよいよフェイス部(といっていいかわかりませんが)の組立です。カメラはクリアーパーツで異素材感をまとっていい雰囲気です。このフェイス部はカメラ周囲を黒とシルバーで塗分ける指示があります。今回はそのまま素組みしましたが黒が入るとびしっと引き締まるのではないかと思います。

【組立:ボディ:フェイス】
リガードの顔ともいうべきパーツ、背面ハッチの取っ手もあります
カメラのクリアーパーツを裏から仕込んで……
フェイスにつけるといい雰囲気です
ハッチの取っ手も付けると雰囲気ばっちりです

 腰部は脚部の接続が行われる部位なので頑丈で極太の股関節が用意されています。ここにスタンド用かそうではない状態のパーツの取り付けもあります。

【組立:ボディ:腰部】
左側が腰部股関節、右側がボディ側接続部です
股関節は太い軸を内装するので力負けして折れることはなさそうです
構造は単純ですがそれが剛性を出しているように感じます
スタンドの使用有無で使うパーツが違います。左がスタンド無、右がスタンド有用です
スタンド有用の穴ありのパーツにしました
ボディ側に接続部を組み付け……
腰部を取り付ければボディ完成です

 装備は大きな荷電粒子ビーム砲、上部レーザー対空機銃、下部レーザー対地機銃となります。荷電粒子ビーム砲は左右割りのパーツ構成になっていますが中に軸とポリパーツを仕込むための構造になっています。ビーム砲と上部対空レーザーは基部がポリパーツとボールジョイントになっていて可動させられます。対地レーザーは固定です。

【組立:装備】
全6本の砲口で、結構なパーツ割りがされています
片側を組んでみましたがなかなかの緻密さです
ビーム砲は左右割りでポリパーツを組み込みます
ポリパーツを固定させるための軸もあります
基部にボールジョイントの軸を差し込んで完成します
部位ごとに組みあがりました
ボディへ組み込みます
ビーム砲口内も再現されています
脚部もドッキングしてこれでリガード完成です
飛行ポーズもイメージ通り!

 大きくて貼りやすいデカールを貼っていきます。特徴的なゼントラーディ文字のマーキングが楽しいですが見慣れないものなので上下を間違わないように注意します。場合によってはデカール軟化剤を使うと定着がよくなります。ゼントラーディ文字が機体に入ることで一層印象がよくなりますね。

【組立:デカール貼り付け】
ぬるま湯につけて指定の場所にスライドさせて貼ります
位置決めして水分をふき取ります
貼りやすいところだけ貼ってみました
ゼントラーディ文字が一通り余るので好きな文字列で貼っても面白いですね

 「きみがすきだよ」このネタわかる方いらっしゃるでしょうか?「超時空要塞マクロス」放送時の「ニチモ マクロス スタンプ」(ローマ字と同じ配置のゼントラーディ文字をスタンプできる商品)のCMのネタです。キットのデカールではこの文字数は再現できないのですが複数買えば再現できますね。

完成!「1:72 リガード(標準量産型)」

 マクロス40周年ということもあったかと思いますが、このタイミングでキット化……しかも新金型で接着剤不要、パーツ分けでカラーリングをほぼ再現というなかなかに贅沢な仕様のキットになっていたのが印象的でした。

 ポリパーツで支えられる脚部の保持力が少々心もとないところもありますが設定や映像から受ける印象そのままに、立ち姿もスラリとしてかっこいいし飛行ポーズにもできます。可動モデルとしての“遊べる”リガードが登場したことに素直に拍手を送りたいと思います。直立姿勢用のスタンドのアームもあると良かったと思います。

【フォトギャラリー】
スラリとしたデザインをイメージそのままキットかできています
デカールはぜひ貼ってみてください。印象がとてもよくなります
ここに約10mの身長のゼントラーディ兵士が乗り込みます。せまい……
逆関節でぴょこぴょこ走ります
駐機状態は小さくまとまっています
このボディだけで脱出ポッドにもなります
飛行ポーズは宇宙船のイメージもあります
高高度からロケットを噴射して急制動をかけながら急襲!
カメラのクリアーパーツが異素材感があっていい雰囲気
各所のマーキングが雰囲気ばっちりです
スラっとした脚部
背面各部の微妙な局面も美しく再現しています
ロケットノズル内部も再現
わかりにくいですが砲口内部も再現
極端に脚長なデザインです
大腿部からつま先へ至るデザインがスラっとしています

「1:72 リガード(標準量産型)」のレビューを終えて

 いつもはガンプラをメインに作っている筆者ですが、そちらは40年を超える技術の積み重ねでそれはもういたれりつくせりの設計技術を見せてくれるわけですが、ハセガワの接着剤不要でマルチカラーでの構成はどういった組みごたえがあるか楽しみでした。

 組んでみるとアンダーゲートの処理さえきっちりやればパーツの合いは申し分なく、パーツ同士の接合ピンの摩擦感もきつかったり緩かったりもしなかったのが印象的でした。カラー分けされたパーツ同士のエッジもびしっときまっててとても気持ちよく楽しく組めました。

【可能ならたくさん揃えたい!】
画像で増やしてもいいんですがリアルでたくさんいると劇中の雰囲気出せそうです

 “標準量産型”として素のリガードが発売されたことと、キットの構造を見ているとミサイルポッド搭載型やレーダー装備の偵察型、「マクロスΔ」に登場する“106式”など各作品に登場するバリエーションも登場が期待されます。もしさらなる展開があれば「グラージ」「ヌー・ジャデル・ガー」「クアドラン・ロー」なんかも期待しちゃいますよね。あ、もちろんぬっと出てくるゼントラーディ兵士なんかもあると楽しさ倍増じゃないでしょうか。