レビュー
ガレージキット「T’s system ウマ娘 タマモクロス」レビュー前編
2022年9月29日 00:00
キットの全体像が見えてくる軸打ち作業
全パーツのゲート処理、パーティングライン処理が完了したら軸打ちを行なっていきます。ガレージキットはスナップフィットのプラモデルと違いパーツをハメ合わせるだけではパーツ同士を固定できません。さらに、ガレージキットのハメ合わせはガレージキット素材であるレジンが収縮する特性からガタツキが生じます。そこで軸打ちを行ない、パーツ同士をしっかりと固定できるようにしていきます。軸打ちはガイドの凹部に合わせてピンバイスで開孔を行ない、そこに真鍮線を固定していきます。
なお、軸を打つ際にガイドとなる凹部がない場合やピンバイスでの開孔がずれてしまい上手くかみ合わなくなってしまうことがあります。この場合は真鍮線を打っていない側の開孔を一回り大きなピンバイスで広げてしましょう。こうすることでかみ合いは確保することができます。しかし、このままでは固定が上手くできません。そこで、ポリパテを使用して固定していきます。ポリパテは主剤と硬化剤を混合することで硬化させることができるパテで、ガレージキットだけでなくプラモデルの加工などにも使用される便利なツールとなります。
また、パーツに負荷のかからない箇所については軸打ちを行なわずマグネットによる固定も可能です。多少のずれがあっても固定可能となります。
完成時の見栄えを大幅アップする合わせ目消し
軸打ちが完了したら次に合わせ目消しを行ないます。ガレージキットもプラモデルと同様、パーツとパーツの分割位置に合わせ目が発生する場合があります。この合わせ目をそのままにしておくと完成時に目立ってしまい、きれいに仕上がりません。そのため、合わせ目消しを行なっていきます。
まずはパーツ同士を固定します。固定にはエポキシ接着剤を使用しました。エポキシ接着剤は瞬間接着剤よりも固定力が高いので、パーツ同士の接着には有効です。
パーツ同士の固定が完了したら隙間にポリパテを盛りつけていきます。ポリパテは硬化時に収縮するため盛り上がるくらい盛っておきましょう。
キットによっては制作必須の土台作り
今回作成しているタマモクロスは完成時にキットだけでは自立しません。そのため、土台を自作してやる必要があります。今回は自宅にストックしてある木材を使って10cm×10cmのサイズで作成することにしました。
完成した土台はキット同様に軸打ちを行ない、固定できるようにしておきます。
仕上がりを決めるひと手間、表面処理
ここまで加工が完了したら全パーツの表面処理を行なっていきます。これまでの加工にてやすりは400番までしかかけていないため表面の粗さに差が出てしまっています。そのため、表面の粗さを均一にするためパーツ全てにやすりがけを行なっていきます。今回は1000番の神ヤスでやすり掛けを行ないました。
塗装前の最終仕上げとなるパーツ洗浄
ここまでの表面処理などでパーツ表面には削りカスが多く付着しています。そのため最後に洗浄を行なっていきます。洗浄には超音波洗浄機(シチズン 超音波洗浄機 SWS510)を使用します。超音波洗浄機は一度に多くのパーツを洗浄できるので1台持っておくと非常に便利です。
これにて塗装前の工程はすべて完了となります。それでは塗装前の仮組した姿を見てみましょう。
いかがでしょうか。これから塗装を開始していきます。ガレージキットの加工はプラモデルと少々異なる点もありますが基本はプラモデルと大きく変わりません。皆さんもこれをきっかけにガレージキットに挑戦してみてはいかがでしょうか。本キットの塗装を行なう後編もぜひ読んでみてください。
© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会