レビュー
「METAL BUILD DRAGON SCALE 紅蓮聖天八極式」レビュー
2022年11月9日 00:00
多彩なギミックのメカニカルな機構と有機的な表現の融合
「紅蓮聖天八極式」には多彩なギミックが搭載されている。背部のコックピットは、ハッチの開閉やゲフィオン弾の発射再現ができ、脹脛に収まっている高機走駆動輪の展開が可能。
そして、本商品では腹部に新たなギミックが備わっている。のけぞる可動の際に、口を開くようにして動力源のユグドラシルドライブが露出する表現がされている。
メカニック的な表現に加えて、怪鳥が嘴を開くような生態的なケレン味が素晴らしい。
右腕部の「輻射推進型自在可動有線式右腕部」は劇中同様に肘部の伸縮機構に加え、前腕部のシリンダーのスライドギミックを搭載している。そして、有線式による前腕射出シーンもワイヤーパーツを使用して再現することができる。さらに、輻射波動の拡散状態も専用パーツに差し替えることで再現でき、細かいギミック表現が光る。
肩部の飛燕爪牙もワイヤパーツを使用して射出状態を再現することができる。
手足や首の可動にも細かい技術が盛り込まれている。首は左右上下の可動に加え、首の根元を引き上げることで頭部の張り出した突起の干渉防止がなされてる。
また、下からのアングルなど通常では胴体の陰になってしまう頭部も引き出すことで、表情がつけやすくなっている。
膝関節も3重関節となっており、こちらも膝のアーマーの干渉を防ぎつつよりアグレッシブに動かすことができる。
これらのギミックと可動によってKMFのアクロバティックな高機動アクションを表現することができる。ダイキャスト素材によって安定感もあり、台座なしでもアクロバティックなアクションが楽しめる。
なお、有線式の右腕部の射出や飛燕爪牙の射出は台座を使用して本体を安定させる必要がある。また、右腕部は補助支柱によって支えることができ、乱雑な軌道を再現できる。
次はエナジーウイングを装着した状態を紹介していく。
赤き翼で飛翔する「紅蓮聖天八極式」
エナジーウイングの展開は、背部のパーツ差し替えによって再現することができる。
本商品ではエナジーウイングの収納状態はコンパクトに表現されており、デザインのバランスを取るためと思われる造形となっている。
一方で展開時のパーツは大きく、最大翼長約750mmのインパクトのあるボリューム表現となっており、本体の大きさやアレンジデザインに合わせた迫力あるサイズ感となっている。クリアパーツも面積が広く、存在感を発揮している。
エナジーウイングを展開した「紅蓮聖天八極式」は圧巻の存在感を発揮。専用台座によって空を自在に飛行する姿が表現でき、陸戦とは異なる魅力が楽しめる。
可動も柔軟で、エナジーウイングの根元と中間の節で鳥のように大きく翼のように動かすことができる。また、ウイングの基部にはロック機構が備わっており、保持力を上げている。
「METAL BUILD DRAGON SCALE 紅蓮聖天八極式」はロボットの無機質の中に、有機的で柔軟な可動が光る商品だった。
アニメのデザイン、ギミックを再現しつつ、メカニカルなアレンジでより重厚感ある表現によってポージングのメリハリが強調されている。高速戦闘イメージが強い「紅蓮聖天八極式」のアグレッシブな動きも、ダイキャスト素材を使用した関節の保持力の高さと安定性、柔軟な可動によって満足度の高いアクションが楽しめる。
また、エナジーウイングの機構は鳥のような有機的な動きで、広げた時の圧倒的な存在感や本体を包んだ防御や最高速での機動表現で空戦のインパクトもバッチリ決まる。アレンジギミックもメカニカルな一方でエナジーウイングや胴体のデザインと合わせて、猛禽類のような表現が光るデザインとなった。
無機質なロボットに有機的なアレンジが加わった化学反応を引き起こした「METAL BUILD DRAGON SCALE」シリーズの今後の展開から目が離せない。
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