レビュー

「ドロンジョ 1/4 スタチュー」レビュー

艶やかに輝くボンデージからこぼれる白い肌、服従せざるを得ないドロンジョ様

【ドロンジョ 1/4 スタチュー】

メーカー:ブリッツウェイ

発売日1月31日

価格:39,600円

全高:約39cm

スケール:1/4

素材:PVC、ポリストーン

 「これほどのドロンジョフィギュアは、この後出ないかもしれない」と思って決意をして注文してから2年と4カ月、当初の発売予定から8カ月遅れて、ついにブリッツウェイの「レジェンドアニメシリーズ タイムボカンシリーズ ヤッターマン ドロンジョ 1/4 スタチュー」がついに発売された。

 全高約39cm、台座を含む重量約1.6kgと特大サイズのドロンジョフィギュアは、このサイズと高額フィギュアだからこそのディテール表現とリアリティがあり、高い満足感を与えてくれる。

グラマラスな肢体をセクシーなボンデージ衣装に包んだドロンジョ。「ドロンジョ 1/4 スタチュー」はリアル寄りのデザインで、全高約39cmの大サイズで表現したフィギュアだ

 ボリュームたっぷりのセクシーなボディを黒いエナメル質のボンデージ衣装に身を包み、アニメそのままのデザインをリアル感を持って表現したその姿は、まさに目の前に本物のドロンジョ様がいるかのような実在感を持っている。「このドロンジョ様になら命令されたら従ってしまうかも」という、非常にフェティッシュで見応えのあるフィギュアになっている。

 今回はこの「レジェンドアニメシリーズ タイムボカンシリーズ ヤッターマン ドロンジョ 1/4 スタチュー(以下、ドロンジョ 1/4 スタチュー)」を細部まで撮影しその魅力に迫りたい。ドロンジョフィギュアの決定版と言えるフィギュアである。

ドロンジョ様が目の前にいるような、リアルアレンジが加えられた究極のドロンジョフィギュア

 モチーフ元となる"ドロンジョ"は、タイムボカンシリーズの2作目、1977年のアニメ「ヤッターマン」に登場する悪役トリオ・ドロンボーの女リーダーだ。タイムボカンシリーズは、1975年から8年間にわたり7作品が作られ、タツノコアニメを代表する作品の1つだ。

 タイムボカンシリーズはメカデザインが「ガンダム」をはじめとしたロボットアニメを代表するメカデザイナー大河原邦男氏が務めている。キャラクターデザインは「ファイナルファンタジー」でおなじみの天野喜孝氏。演出には若き日の富野由悠季氏や、押井守氏も参加している。アニメ史でも見逃せない存在なのだ。

【ヤッターマン】
1977年のアニメ「ヤッターマン」。ヤッターマンは2008年にリメイク、2009年に実写映画が製作されている。さらに2022年10月からはWOWWOWでヤッターマンを原作にしたドラマ「DORONJO / ドロンジョ」が放映されている

 このシリーズは"悪役が共通"というとてもユニークなものとなっている。美女のリーダーと男が2人という"悪役トリオ"は共通で、ヒーローや舞台が次々に変わるというシリーズなのである。その中で「ヤッターマン」はリメイクアニメや、実写映画まで作られた特に人気のあった作品で、「ヤッターマン」に登場したドロンジョ、ボヤッキー、トンズラーの3人は、現在でもタツノコアニメを象徴するキャラクターとして、コラボ商品などでも登場する。

 「ヤッターマン」は"泥棒の神様"を自称する、姿を現さず不思議な力を使うドクロベーにそそのかされ、ドロンジョ、ボヤッキー、トンズラーの"3悪"が世界のどこかにある秘宝・ドクロストーンを集めようとするのを、正義の味方・ヤッターマンが阻止する物語だ。ボヤッキーは発明の天才で毎回様々なロボットを作るが、ヤッターマン1号・ガンちゃんのメカの前に毎回ズタボロに負けてしまう。

 「ヤッターマン」のドロンジョはメカの天才ボヤッキー、怪力無双のトンズラーを従える女ボスだ。彼女の武器は"美女"であること。ドロンジョが威勢良く命令すると、男2人は忠実に従う。ドロンジョは美しくりりしいだけでなく、いざとなると2人を見捨てようとするし、いい男にはたやすく惚れるし、ヒステリーは起こすし、ためらいなく自分の美貌と色っぽさを利用する。でもどこか憎めない。おまけに爆発で衣服が吹き飛びヌードになってしまうサービスシーンも頻繁に入る。ある意味、「男なら逆らえない女ボス」なのだ。

 「ドロンジョ 1/4 スタチュー」は、そんな"ドロンジョ様"の魅力を最大限に感じられるフィギュアだ。まず大きさ、全高約39cmは大迫力で、服のしわまで細かく再現されたディテールは細部までチェックしてしまう。まずは全身を見ていこう。

【全身】
ドロンジョ全身、リアル寄りのデザインだ
横顔で大きく印象が変わる
圧倒的な髪の毛のボリュームが圧倒的な後ろ姿
側面から見るボディのボリュームが楽しい

 マスクにはしわが寄っており、顔立ちも実写風のリアリティを感じさせるもの。肌にも実在の人間の皮膚感を感じさせる塗装が施されており、アニメの設定画から、リアル方向へのデザインアレンジがされている。着ているスーツはの光沢は、革の表面にエナメル塗料を塗った、「エナメル加工」で生まれるものだろう。艶やかな光沢を放つボンデージ衣装はぞくりとする色気を感じさせる。

 ポーズも良い。台座にお尻を乗せ、長い足を組み、キセルをくゆらせながら目を向ける。「ドロンジョ 1/4 スタチュー」は、正面を向いているより、やはり横顔が良い。どこかを見つめている色っぽく、謎めいた美女の像。見ているだけで楽しく、所有したことの満足感がこみ上げてくるフィギュアである。次章ではより細かいディテールを見ていこう。

ボンデージからあふれ出る白い肌。ボヤッキーでなくても見とれる魅力的なボディ

 ここからは「ドロンジョ 1/4 スタチュー」の細部を見ていこう。やはりまずは顔だ。上半分をマスクで覆っている。ドロンジョは長いまつげも特徴的なのだが、このフィギュアではまつげはマスクに描かれているという解釈となっている。

 左側の唇がきゅっと上がった、かすかに笑みを浮かべているようにも見える表情だ。このフィギュアは、左側の横顔が一番見栄えが良いように思える。目線がずれることでミステリアスな雰囲気が強まる。もちろん他の角度でも破綻がない。角度によって描き方が異なるアニメのキャラクターをきちんと立体化する、原型師の技術の高さも感じられる。

【顔】
正面、左側の唇がきゅっと上がった表情
視線をずらすと謎めいた雰囲気が増す
どの角度でも破綻のない、フィギュア化の高いノウハウが感じられる造型

 そしてボディだ。ドロンジョに求められるのはやはりセクシーさだ。フィギュアはそのキャラクターの肢体をたっぷり鑑賞できるところが大きな楽しさだが、「ドロンジョ 1/4 スタチュー」は眺め回しそのグラマラスなボディをたっぷり堪能できる。

 劇中でもボヤッキーにしょっちゅう触られてしまう豊満なバストは、黒いエナメルに包まれた部分はもちろん、惜しげもなく晒された白い肌の部分も質感たっぷりだ。マントの襟元の表現もあって、上からのぞき込むようなカットが今回の撮影でのお気に入り。ボヤッキーならずとも思わず目が吸い込まれ、顔がだらしなくなってしまう。眼福を感じるアングルである。

【ボディ】
筆者一押しはこの上からのぞき込む視点。白い肌、胸元はもちろん、鎖骨のなめらかさも美しい
バストのアップ。ボヤッキーでなくても思わず手が伸びてしまいそう
エナメルのボンデージにするまれた豊満なボディ、グラマラスな肢体をたっぷり堪能できるのがフィギュアの楽しさ
胸から太ももへのラインがたまらない

 カメラを下に向けていこう。黒いエナメルに身を包んだボディはライトを反射して艶やかに輝く。バストから太ももに掛けてのボリューム感は古い表現であるがまさに洋梨の様なラインだ。きゅっと締まったウェストはおへそまで造型されていて、ボンデージの革の薄さも想像させられる。

【太ももとお尻の表現】
ボディとニーハイブーツの間からこぼれるボリュームたっぷりな太もも。台座に座ることで柔らかく変型する表現が楽しい
太ももにカメラを寄せる。重みで変形する形が柔らかさを感じさせる

 そして「ドロンジョ 1/4 スタチュー」の最大の見所といって過言ではない太ももの表現。ドロンジョは台座に腰掛けているので、その豊満なお尻と太ももの肉が台座に押されることボリュームを増しているのだ。その柔らかな感触まで想像できそうなボリュームの表現は「わかっているなあ」と、顔も知らない開発者の肩を叩きたくなってしまう。フェッティシュさを強く感じる表現である。ニーハイブーツと白い肌の境界線も見ていて楽しい。

 そしてエナメルのニーハイブーツだ。足の形をはっきり表現するブーツ、そしてピンヒール。ある意味"正統派"、直球ど真ん中の女王様衣装。膝の部分のしわと、足に引っ張られ、ぴったりと素肌に密着した膝と脛は、セクシーさを強く感じる表現だ。「ドロンジョ 1/4 スタチュー」のポーズは、やはりこの足こそ最も強く表現するためのものと言えるだろう。皮の伸びた部分としわになった部分の表現には特にこだわりを感じる。

【ニーハイブーツ】
フェティッシュな魅力あふれるブーツ。ゾクゾクする色気がある
光沢としわが、革に包まれた足の魅力を引き立てる
革のしなやかさ、ハイヒールならではの足の形、とがったピンヒールなど、"女王様"の魅力が詰まった部分だ
ハイヒールのアップ、足首の表現が良い

 背中に伸びる長いボリュームたっぷりの金髪は、アニメ風のデフォルメが効いた表現になっている。かのボリュームたっぷりに広がった髪もドロンジョならではのものだろう。うなじの表現や、マントの艶やかな表現も楽しい。

 最後は"キセル"である。ドロンジョは喫煙者で、ここからドクロ型の煙を出す。このキセルの造型も力が入っており、存在感がある。煙がクリア素材を使っているのも楽しい。ディテールをチェックした後は、背景を色々入れ替えて、写真を撮っていこう。

【髪の毛とキセル】
アニメ的な表現がされた髪の毛。グラデーション塗装が楽しい
目が引き込まれるうなじ
髪の毛の造型は凝っている
ドクロ型のキセルは「ヤッターマン」ならでは
キセルの造型も非常に細かい
右手のアップ

布や花を背景に、ドロンジョの魅力を引き立てる

 背景も少し凝ってみよう。明るめの赤が出るフェイクレザー、ベルベットのように高級感をもたらすベロア、薄いレースと言った布に加え、バラと百合の造花を背景に「ドロンジョ 1/4 スタチュー」を撮影した。

 ディテールをチェックしながら撮影するのと、背景を置いて撮影するのはまた別な楽しさがある。特に「ドロンジョ 1/4 スタチュー」は、他にも様々な背景を使って撮影したいと感じた。もっと実際のモデルの写真などを参考にして背景道具も集めてみたい。

【フェイクレザー】
赤いフェイクレザーを背景に。ドロンジョの黒が活きる
【ベロア】
アンティーク品の内箱の布に使われるベロア。大人な雰囲気に
【レース】
カーテンやテーブルクロスに使われるレースも女性キャラクターの魅力を引き立ててくれる
【花】
100円ショップで売られている造花も、フィギュアを飾り立てる小道具に

 「ドロンジョ 1/4 スタチュー」は、筆者にとって長い間願っていた「ドロンジョのハイクオリティなフィギュアが欲しい」という思いを叶えた商品となった。本アイテムは2年前の時点で4万円という高額商品だったが、昨今フィギュアの価格は値上がりをしており、現在同じような商品が発表されても、もっともっと高価になっているだろう。

 フィギュア化されるキャラクターは現在のアニメやイラストレーターの作品がほとんどで、1980年代、1990年代のキャラクターは少ない。ブリッツウェイは本商品を皮切りに「レジェンドアニメシリーズ」というシリーズを展開するとのことで、次はどんなキャラクターになるかも注目したい。

 長く生きていると自分が待ち望んでいたキャラクターやグッズが不意に発売することがある。大事なのはその時に二の足を踏まないことだと思う。自分の夢が結晶化したような商品が発売されるようなことは奇跡のようなものだ。その機会を逃さず、ためらわず手にする、そう言う心構えは持っておきたい。「ドロンジョ 1/4 スタチュー」を手にできて本当に良かったと、今実感している。