レビュー

「Mk46 Mod.0」レビュー! 東京マルイの分隊支援火器フラッグシップを味わい尽くす

実物の様なギミックとロマンを内包した脅威の征圧性

【次世代電動ガン「Mk46 Mod.0」】

2月15日 再販

価格:162,800円(税込)

全長:920 mm

重量:6,350g(空マガジン、バッテリー含む)

装弾数:1,000発(300発毎に電動巻き上げが必要)

 東京マルイ唯一の分隊支援火器である次世代電動ガン「Mk46 Mod.0」が2月15日に再販された。実物に近いギミックとリアルな弾帯などのロマンが魅力であり、普段サバイバルゲームに参加してもあまりBB弾を消費しない筆者が思わずトリガーハッピーになった程に撃つのが楽しい。本稿では、そんな「Mk46 Mod.0」について紹介していく。

 今回は2月の再販にあわせ、改めて東京マルイから本製品をお借りして千葉県印西市の「東京サバゲパーク」にて、シューティングレンジでの試射とサバイバルゲームでの実戦投入を行なった。

 最初に特徴を述べるのなら、“様々なギミックとロマンを内包した脅威の征圧性”だろう。実物で連射後に銃身を交換する動作と同様のアウターバレルの取り外しギミックや、見た目とマッチする強烈なリコイル、50m前後まで狙える集弾性に1,000発という大容量のマガジンによって、ロマンと実用性を兼ね備えているのだ。この「Mk46 Mod.0」にはそんな“唯一無二の楽しさ”があるのだ。それでは早速詳しい紹介にはいる。

エアソフトガンにおける分隊支援火器の歴史と現状、そして「MK46 MOD.0」

 本商品とモチーフとなる実銃の「Mk46 Mod.0」は、米軍特殊部隊向けの分隊支援火器である。分隊支援火器(SWS=Squad automatic weapon)とは、アサルトライフルなど小火器で武装した分隊を援護するためのマシンガンのこと。

「Mk46 Mod.0」は分隊支援火器

 サバイバルゲーム、エアソフトガンにおいての分隊支援火器は、1980年代末から「M60」や、MK46の前世代モデルである「MINIMI」などが発売されてきた。いずれも現在の製品に比べると再現性が甘く、剛性に難がある物だった。それでも、密閉式のハイパワーフルオートガスガンが主流だった1990年代前半までは、外観を大きく損なうことなく100連射以上の装弾数を誇る分隊支援火器はフィールドで存在感を発揮していた。

 その優位性を覆したのが、他ならぬ東京マルイの電動ガンスタンダードタイプだ。可変ホップでパワーを補う飛距離を持つ上に、圧縮空気の大きなタンクを背負う必要もなく、外観を損なわない連射マガジンによる300発超の装弾数を誇っており、分隊支援火器以上の火力を持つ電動ガンスタンダードタイプがサバイバルゲーマーの標準装備となった。これによってサバイバルゲームにおける分隊支援火器の優越性は失われたのだ。

 その後、様々なメーカーからも分隊支援火器の電動ガンが発売されてきたものの、ほとんどはマシンガンの外観を身に纏った電動ガンにとどまる。SMG、ハンドガン、ショットガン、スナイパーライフルは、軽量コンパクトだったり、命中精度に特化していたりと、電動ガンのアサルトライフルに対して何らかの利点がある。しかし分隊支援火器は「大きい分だけ不利」な製品がほとんどだ。四半世紀に渡って、サバイバルゲームにおける分隊支援火器は「ロマン装備」に甘んじてきたと言えるだろう。

 そうしてサバイバルゲームにおける分隊支援火器の歴史を“終わらせた”東京マルイが、2019年に万を持して発売したのが次世代電動ガン「Mk46 Mod.0」となる。サバイバルゲームに分隊支援火器の必要性を感じていなかった当時の筆者にとって、東京マルイのリリースは驚きでもあった。

 果たして東京マルイの次世代電動ガン「Mk46 Mod.0」はサバイバルゲームにおいて、分隊支援火器の新しい歴史を切り拓いた製品となっているのか?次項から詳しく見ていきたい。

フラッグシップモデルに相応しい、こだわりが伝わる本物感!

 「Mk46 Mod.0」をひと目見て思ったのは、想像以上にコンパクトであることと醸し出される本物感だ。

質感が高く非常にリアル

 分隊支援火器はいかにも大きく、取り回しの悪いイメージがある。特殊部隊が使うために短銃身でコンパクトにまとめられた「Mk46 Mod.0」は見るからに実戦向きで、サバイバルゲームおける実用性を感じさせる。

次世代電動ガン「AK102」との比較

 多用される金属パーツはマットな表面処理が施され、部分的にセミグロスで仕上げられている。剛性を確保した実用性に加え、軍用銃らしさ、高級感に溢れている。全体的にコンパクトでいながらにフラッグシップ製品らしい重厚さを兼ね備えていると感じさせられた。

表面は非常にリアルな本物感がある

 では細部を見ていこう。まず目立つのが、マガジンから本体に繋がるダミーカートリッジだ。作動とリアルさを追求したアルミ製になっていて、見た目では真鍮と区別が付かない。こだわっただけにリアルで、可動した時の跳ね上がりも研究して重さを調整したとも聞いた。また、手に取ると動きも滑らか。ミリタリーファンには軍放出品のカートリッジリンクの古びて汚れたイメージは根強い。リアルで、それでいて清潔感あふれるベルトリンクは新鮮だ。加えて、東京マルイのベルトリンクはステンレス製で錆びにくいらしい。雨の日も安心だ。

綺麗なベルトリンクは放出品の本物以上にリアルだ

 続いて見ていくのは、他社製品ユーザーから羨ましがられる「Mk46 Mod.0」の大きな特徴となる頑丈でリアルなバイポッドだ。ワンタッチで引き出せて、折り畳める。3段階に高さを調整可能で、展開すると安定した射撃姿勢を取れる。従来の分隊支援火器のエアソフトガンの様に、ぐらついたりやしなったりという事は無い。極めて実用的だ。

リアルで丈夫に造られているバイポッド
バイポッドのつまみを押すことで簡単に高さを変えられて実用性も充分。画像では左右で高さを変えている

 さらに、ハンドガードの4面、レシーバー上部には20mmのレイルが取り付けられている。モダンな米軍の支援火器であることをアピールするレイルはやはり金属製で強固に取り付けられている。レイルによって拡張が高められており、簡単に自分好みにカスタマイズできるのもいい。

MINIMIを近代化改修したMK46の特徴であるレイルシステム

 上面のレイルを挟んで前後にあるサイトは本物同様に調整が可能で、細部への妥協のなさが感じられる。また、ストックを展開するとサイトの調整ツールが出てくるのは、バッテリーを銃身下部に収めたことで可能になったギミックだ。

可動するリアルなサイトが付いている
ストックを工具無しで展開でき、調整ツールが取り出せる
フロントサイトは専用ツールで調整可能

 総じて細部にも妥協することなく、こだわりが感じられる。第一印象を裏切らない外観であると唸らされた。

分隊支援火器らしい反動と爆音! 撃ちまくる楽しさを実感

 続いて実際の操作感と、シューティングレンジで試射してみての感想を語りたい。

 まず特筆すべきが、東京マルイ製品ではお馴染み、こだわりの取扱説明書だ。「Mk46 Mod.0」は、実銃の操作マニュアルを模した装丁になっている。解りやすく書かれていて、製品を安全に使用するために必要なことが網羅されている。必ず熟読しよう。

説明書にもこだわりが感じられる
傷つきやすい部分も記されている

 まず、バッテリーはアウターバレルを外してハンドガード内に収める。この操作は、本物で連射後に銃身を交換する動作と同様のもの。エアソフトガンでは銃身の交換は必要がないが、分隊支援火器ならではのリアルな操作感が楽しい。また、このアウターバレルの取り付けの強固さも特筆すべき点で、ロックするとぐらつきが全くない。

バレルロッキングレバーを押すとアウターバレルが取り外せる
ワンタッチでアウターバレル基部が前に出る
アウターバレルを外すとノズルが見える
取り外し式とは思えない強度を誇る※ロックの確認は怠らないように

 バッテリーはAKタイプの細長いニッケル水素バッテリーを使用する。収納が銃身下になったことでスペースに余裕があり、外観を損なわず、かつコードの取り回しにも余裕がある。

バッテリーはセットしやすい
「8.4V ニッケル水素1300mAh AKバッテリー」価格:5,060円(税込)

 続いてマガジンに単4乾電池4本を入れてダミーカートリンクを付け、マガジンリッド(給弾口)にBB弾を注いでいく。この一連の、マガジンを装填しフィードカバーを開けてダミーカートを装着するのも本物と同様の操作感で楽しい。カバーを閉じたらBB弾の巻き上げを行なう。

 巻き上げはモーターで行なうので、粗悪なBB弾を使ったり異物が入ると思わぬトラブルになる。必ず東京マルイ製のBB弾を使うようにしよう。この一連の操作感はこだわられているマガジンならではで、準備段階で既に楽しいのは流石東京マルイと感じる。BB弾が巻き上げられたらコッキングハンドルを引いてセイフティを解除、引き金を引くと強烈な反動と共にBB弾が発射される。

特殊部隊員の要望で採用された布マガジンをリアルに再現している
BB弾はジャラジャラと注ぎ入れる

 引き金を引くとまず強烈な反動と轟音に驚かされた。筆者はもっぱら電動ガンスタンダードタイプを愛用しているので、初めて次世代電動ガンを撃った時には反動の強さに驚いた。しかしそれ以上に「Mk46 Mod.0」の反動は噂に違わぬ、異次元の強烈なリコイルだった。

 両手でしっかり保持しても、6.3kgの金属の固まりがハッキリ振動しているのが解るほどだ。新設計のメカボックスの凄さを感じた。また、発射時の作動音もこれまでにない大きさで、爆音、轟音と言っていい。家の中で撃つのがためらわれるほどで、「Mk46 Mod.0」にはフィールドが似合うと改めて感じた。

強烈なリコイルを産み出す新設計のユニット
【東京マルイ 次世代電動ガン「Mk46 Mod.0」レビュー(使用方法編)】

 ホップ調整はフィードカバーを開けて行なうのでやりやすい。そしてバレルにはこれまでにないギミックが仕込まれているにも関わらず、BB弾は素直な弾道を描く。

 銃の特性上、小さな的を狙うといった精密さはないが、サバイバルゲームの交戦距離である50m前後のマンターゲットならば外さない集弾性を併せ持っている。

 発射サイクルは本物に近い毎秒13発と速く、フルオートオンリーでありながら電子トリガーならではのキレもある。通常の電動ガン以上に安定した弾道を描いて飛んでいくのだ。強烈なリコイルだけでなく、フルオートだからと妥協しない命中精度にこだわった姿勢が、飛んでいくBB弾から伝わってくる。総じて分隊支援火器として充分な戦闘力と言えるだろう。

 また、BB弾の発射と共にベルトリンクが滑らかに動くのが何と言っても「Mk46 Mod.0」の楽しさだ。東京マルイの広報・島村氏が以前、BB弾の発射以外の部分で玩具っぽくないギミックを仕込む難しさを語っていた。実は筆者も最初に「Mk46 Mod.0」のベルトリンクのギミックを伝え聞いた時は、なんだか玩具っぽいカタカタした動きを想像していた。

 しかし、いざ実物の動きを見てみると、その場で跳ねているだけのベルトリンクが、マガジンから給弾口へ吸い込まれているように錯覚してしまった。実射性能とは関係の無い部分だが、あるとないとでは全く違う、素晴らしいギミックだと思う。次世代電動ガンならではの、BB弾を感知してのオートストップ機能と合わせ、本物に近い感覚を楽しめる。

 また、細かい部分だが、コッキングハンドル下のエジェクションポートカバーを開けると、マガジンからチャンバーの間にのこったBB弾を取り出せるのも面白いこだわりだ。

0.2gBB弾に適正ホップをかけて80~90m/sの初速で充分なパワーがある
エジェクションポートカバーを開けると残弾を排出可能。インジケーターも確認できる

サバイバルゲームで実戦投入! 撃ち過ぎ注意の爽快感でトリガーハッピーに

米軍特殊部隊が支援するクルドのアンチテロ部隊「YAT」をイメージした装備でサバイバルゲームに参加した

 「Mk46 Mod.0」でサバイバルゲームに参加するにあたってまず語りたいのが、製品に同梱される専用のキャリングケースだ。黒い厚手の合成繊維製で、表面に渋いオリジナルのワッペンが貼り付けられている。内部には厚いクッションが入っていて、前後をマジックテープで固定するとマガジンも含め「Mk46 Mod.0」が中で動くことはない。持ち手とショルダーストラップを使って、6.3kgの「Mk46 Mod.0」を安心して運搬できる。

 また、サイドのポケットにはバッテリーや説明書を入れられる様になっていて、ストック横の空間にBB弾やオプション装備を入れれば、このケースだけでメインウェポンが運用できる。リュックに迷彩服やゴーグルを入れれば、電車での移動も可能だ。

製品パッケージに同梱される専用キャリングケース。サイズは1110mm×270mm×240mm
サイドポケットにバッテリーなどを収納できる
バレル下にマガジンを収納
ストック横の空間にBB弾などを入れられる

 まず箱出しの素の状態で使ってみて、やはりコンパクトで機動性の高さに驚かされた。重心が銃本体中央にありバランスも良く、重さを感じさせないので、若い参加者と一緒に動いても苦にならないのだ。チームのメンバーと一緒に移動して、適時支援できる。

 そして轟音と共に発射されるBB弾の火力もフィールドで実際に目の当たりにすると改めて征圧性の高さを感じた。支援射撃すると、前にいる味方が思わず振り返る発射音、そしてフラットな弾道で相手方に飛んでいき、ヒット、あるいは行動を制限する弾幕を張れる。

 分隊支援火器として実用性を持ち、東京マルイがあえてシンプルな「Mk46 Mod.0」をモデル化した意義を改めて実感した。また、バイポッドを展開して陣地や遮蔽物に据え付けて射撃すると、強力な防御力を発揮する。建物の上から撃ち下ろすと、まさに無双状態と言える。

撃ち下ろしは無双状態になる
【東京マルイ 次世代電動ガン「Mk46 Mod.0」レビュー(実戦編)】

 そしてMk46 Mod.0といえば拡張性の高さだ。20mmレイル対応のオプション装備、14mm逆ネジに対応したマズルアクセサリーなどで自分に合わせて自由にカスタマイズする楽しさがある。特にバレル下にフォアグリップを付けると機動性が増す。ナイトビジョンとダットサイトを積むタンデムも再現可能だ。

 また、今回は特殊部隊をイメージしたパラコードのスリングを使ったのだが、絡んでしまったので、やはり純正のQDスリングスイベルはマストだと感じた。

20mmレール対応と言ってもメーカーによって微妙に角度が違うので東京マルイ純正が1番しっかり取り付けられる
バレルの剛性が高いので長いサプレッサーもセンターが狂わない。BB弾が内部に干渉せずに発射される
ナイトビジョンとダットサイトのタンデム。銃口のフルオートトレーサーと組み合わせれば夜戦仕様になる
ハンドガードにフォアグリップとカメラマウントを付けミドルサイズのサイレンサーをネジ込んだ状態
「QDスリングスイベル」価格:2,640円(税込)はマストアイテムだ

 「Mk46 Mod.0」はフルオートオンリーの発射機構のため、セミオート戦では使えないが、フルオート戦では1日を通し走り回り、撃ちまくれた。筆者はBB弾をあまり消費しないプレイスタイルなのだが、「Mk46 Mod.0」は撃つ楽しさが大きく、普段と比べものにならない大量のBB弾を消費してしまったが後悔はしていない。誰もがトリガーハッピーになってしまう、魔力の様なものを秘めたのが次世代電動ガン「Mk46 Mod.0」だと感じた。

 島村氏の「飾って楽しむのも良いですが、これは撃って楽しんで欲しいと思います」との言葉通り、とにかく他では味わえない、撃ちまくる爽快感が楽しめた。

「Mk46 Mod.0」が切り拓いた分隊支援火器の新しい歴史を実感

 「Mk46 Mod.0」を開発した東京マルイ高島氏は以前、「私達エアガンメーカーは、“ロマン”が必要だと思っています。精度や量産性、堅牢性など商品として考えなくてはいけないこと、重視することはたくさんあるんですが、根底にはロマンを持っています。私達は精度が高く安定して作動することだけを求められる工業製品を作っているわけではない。実銃の銃身交換を、反動を、撃ったときの興奮を、そういった楽しさをお客様に感じて欲しいから、この商品を作ったんです」と語っていた。

 今回「Mk46 Mod.0」を使ってみて、名実共に分隊支援火器としての実用性、他の電動ガンにはない征圧性を持っていることを改めて実感した。島村氏が語っていたように、中途半端な製品にしないという東京マルイの姿勢が、分隊支援火器の新しい歴史を創ったのだ。「Mk46 Mod.0」は充分に分隊支援火器としての役割を担える、新しいカテゴリーの製品である。

 東京マルイのフラッグシップモデルである「Mk46 Mod.0」の唯一無二の楽しさを是非味わってほしい。