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トミカでレース、アニアで探険! 「タカラトミープラネット」先行体験レポート
タカラトミーの玩具をXR技術でたっぷり体験! 11月22日オープン
2024年11月21日 17:24
- 【タカラトミープラネット】
- 2024年11月22日オープン
- 場所:イトーヨーカドーアリオ亀有店
- 入場料:
- 2,500円
- 800円(つきそい)
リトプラとタカラトミー、イトーヨーカ堂の3社は、タカラトミーのおもちゃの世界観にリトプラのXR(クロスリアリティ)技術を融合させた体験型アトラクションの新業態、トイ&プレイパーク「タカラトミープラネット」を11月22日より、イトーヨーカドーアリオ亀有店にオープンする。
イトーヨーカドーアリオ亀有店では、おもちゃ売り場も体験型おもちゃ売り場「TOYLO PARK」としてリニューアルされ、同日よりオープンするが、「タカラトミープラネット」は「TOYLO PARK」内の常設施設となる。なお、「タカラトミー」の商号を冠した常設施設は国内外で初となる。
入場料は平日の1日フリーパスで、こども(2~17歳)が2,500円、付き添いの大人(18歳以上)については800円、中高生や大人のみの利用の場合も2,500円となる。その他にも17時以降から終了時間まで利用できるイブニングパスや時間制チケットなども用意する。また、休日料金も設定されるほか、夏休みや冬休みなど学生の長期休暇の期間中は休日料金扱いとなる。
加えてアトラクションで遊んだ記録などをスマートフォンと連携して確認したり、パーク内通貨のリプラが貯められるなど、「タカラトミープラネット」や「TOYLO PARK」をさらに満喫できるようになるリストバンド「シャリング(SHA-RING)」も用意。こちらの利用には年会費として1家族につき600円、年1の更新費用は300円、両親や兄弟など向けのシャリング追加は1個300円となる。
「タカラトミープラネット」は簡単に言ってしまえば、タカラトミーの各おもちゃを活用した体験型アトラクションだ。タカラトミーが手掛けるダイキャスト製ミニカー「トミカ」や着せ替え人形の「リカちゃん」、手のひらサイズの動物フィギュア「アニア」、1959年から発売を続ける歴史ある鉄道玩具「プラレール」、樽の中の黒ひげを飛び出させないように剣を刺していくシンプルルールの対戦玩具「黒ひげ危機一髪」、ベーゴマをベースとした対戦コマ「ベイブレード」のゾーンが用意され、それぞれの世界観に合わせた演出が施され、おもちゃの世界と一体化して楽しめる仕組みが用意されている。
施設オープンの情報は10月の段階で発表されていたが、今回メディア向けに事前内覧会が行われたので、発表の様子や実際に遊ぶ地元の子供たちの様子などをレポートしたい。
黒ひげ!トミカ!リカちゃんなど誰もが知るタカラのおもちゃたちとの夢の空間
入口を抜けると、すぐの壁面には「黒ひげ危機一髪」をモチーフとしたアトラクションとしてデジタル版「無限黒ひげ危機一髪」が投射されている。こちらはもう1か所、奥にもエリアが用意されており、合計2面が用意されている。
ルールはオリジナルの「黒ひげ危機一髪」同様シンプルで、やわらか素材の棒を剣として使用し、画面内の樽にガンガンと剣を突き刺して、スコアを競うゲームとなっている。通常の「黒ひげ危機一髪」とは真逆のルールで、とにかく剣を刺しまくることで、黒ひげを救出するという流れになっており、慎重に刺すわけではなく、とにかくガンガンと刺しまくって次々と黒ひげを飛ばすことでスコアを稼ぐアクションゲームのような仕組みとなっている。
実際にプレイしている様子を見ていると、とにかくひたすらに壁を叩きつけるようにやわらか剣でガンガンと突きまくる様子が面白そうだ。1度刺した場所に何度刺しても加点されないので、樽の穴を次々と刺していくことでハイスコアが狙えそうだ。最大3人までプレイ可能で、家族3人で誰が高得点を狙えるか、といった遊び方もできるなど、ある意味「タカラトミープラネット」の中では最も普通のテレビゲーム感覚に近いアトラクションと言える。
少し奥に進むと、「プラレール」のレールが敷設されており、奥に置かれた箱に収められた車両を持ち出して、自由に走らせることができる「プラレールファンタジーワールド」のアトラクションがある。背景には海の景色や宇宙、草原など3種類の背景が投射されているが、車両を走らせると現在投射されている背景に合わせた演出が走行中の車両の周辺に表示される仕組みとなっており、自宅などで走らせる様子とは異なる夢の世界での車両走行が楽しめる。また、床面も背景と同期した映像が投射されるので、それぞれの空間にいるような感覚が楽しめる。
仕掛けとしては、車両上部に装着したタグを会場上部に設置したセンサーが感知すると、プロジェクションマッピングにより、車両周辺に演出映像を投射する。ユニークなのは線路以外の場所であっても、車両を走らせると演出が施される。実際に子供たちの遊ぶ様子を見ていると、最初のうちは線路の上を走行させているのだが、段々と自分の手で線路だけでなく、床などを直接走らせて遊ぶようになるので、天井から車両の位置を把握する方法が最適解の1つと言えるだろう。
「プラレール」エリアの向かい側には動物フィギュア「アニア」をモチーフとした砂場「トミカ&アニア サンドアドベンチャー」が設置されている。こちらは縦長サイズの箱に砂が敷き詰められており、そこに天井からのプロジェクションマッピングで投射することにより、単なる砂場ではなく草木や土、水場などが映し出される仕組みとなっており、正に次世代砂場とも言えるユニークなアトラクションだ。
奥には砂を掘るためのスコップ以外にも不思議なアイテムが2種類用意されている。1つは虫眼鏡で、こちらを使って砂場を覗き込むことで、砂場に動物や昆虫が発見できるようになる。これまで見た事のない動物などを発見した際には背面ディスプレイ脇にあるシャリングリーダーに登録する事で、発見した情報がチェックできるようになっている。こうして砂場内に隠された動物や昆虫たちを全て見つけるのが目的のゲームだ。
こうした探索用には、謎の形状の魔法のステッキが用意されており、こちらを砂場にかざす事で、どこを掘れば動物や昆虫が発見できるか、赤く点灯して教えてくれるので、砂いじりでの探索が難しい場合は、こちらも試すとよりスムーズな探索が可能だ。
ユニークなのは砂を掘る事で地形が変化していき、掘り進めると水が湧き、砂を盛る事で山となるなど、砂の状態に応じて地形が変わっていくのがその場で見て楽しめるところ。今回来場していた子供たちは砂を掘ったり砂に手を突っ込んだりして盛り上がっており、動物探しなどはもう少し高年齢児童向けかもしれない。ただ、砂場自体はみんな大好きなので、虫眼鏡での探索はもっぱら親の仕事のようになっており、両親も一緒に楽しめるアトラクションとなっていた。
なお、「タカラトミープラネット」中央の廊下にはプロジェクションマッピングによる「プラレール」の線路と道路が敷かれており、ここを定期的に電車の車両やトミカが走行してくる「トミカ&プラレール デジタルストリーム」となっている。しかも人の足の位置を検知する事で、ミニカーや電車が人の前で一時停止する仕組みとなっており、その挙動にも愛着が湧く。なお、「トミカ」については、後述する自分で塗装したミニカーも走行しているので、見つけられるとテンション爆上がりになりそうだ。
「トミカ&アニア サンドアドベンチャー」エリアの奥には「ベイブレードX」を使用した対戦場「BEYBLADE XR STADIUM」も設置されている。こちらについては既にイトーヨーカドー ららぽーと横浜店に設置されている既存のアトラクションで、マーカーを装着した会場に備え付けられている「ベイブレード」を使用することで、スタジアム内の動きに鮮やかな光の演出が加わる仕組みとなっている。
シャリングによる連携は「タカラトミープラネット」独自の仕掛けで、シャリング連携により、スコアや対戦履歴の確認などが行なえるようになる。
「プラレール」の隣には「トミカ」のアトラクションとして「トミカ デザインレーシング」が設置されている。こちらではなんと自分で自由に塗装した「トミカ」のミニカーをスキャンして取り込み、エリア中央壁面に投射された大型ディスプレイで、自身のミニカーがレースで戦う様子が観戦できるアトラクションだ。
エリア中央にはテーブルが用意されており、子供たちは会場に備える「トミカ」の塗り絵を色鉛筆で自由にカラーリング、完成した塗り絵をスキャンすることで、中央壁面のディスプレイから自分のミニカーが出現する仕組みとなっている。塗り絵可能な車種については、「SUVタイプ」や「トラックタイプ」、「スポーツタイプ」、「バスタイプ」、「4WDタイプ」といった形状のみが表記されており識別しやすくなっている。
また、塗り絵以外にも白色無塗装の「イベントオリジナル スズキジムニー(ホワイトトミカVer.)」(価格:880円)を受付で購入すれば、自由にカラーリングして登録する事も可能だ。このミニカーはイベント会場など限定のアイテムのため、一般販売は行なっていない。
レースは9台編成で行なわれ、スタートまでの時間内にエントリーした車でレースを行なう。登録数が足らない場合にはデフォルトのトミカが相手となる。レース自体は個々に操作はできず、全てが自動で行われるが、登録された車両が優先的に上位にくるような仕組みになっているようで、自分で登録した車が様々なカメラアングルでドリフトを決めたりと果敢にバトルする様子が観戦できるのは面白い。
筆者も1台、簡単に塗装してこっそりレースに参加してみたが、やはり自分で描いた「トミカ」のミニカーが映像内で果敢にレースする様子は見ていてテンションが上がる。子供たちはやはり塗り絵が大好きなようで、思い思いのカラーリングの車両がレースで激しいバトルを繰り広げる様子はかなり面白い体験だった。
「トミカ」の隣には「リカちゃん」のアトラクション「リカちゃん おえかきデザインコレクション」が設置されている。先ほどの「トミカ」とコンセプトは近く、リカちゃんの洋服を自由にカラーリングし、その服を着たリカちゃんが壁面の大型ディスプレイに登場し、ファッションショーを行なうというもの。
フロア中央にはテーブルが設置されており、リカちゃんの様々な服の塗り絵を楽しんでから、塗り絵をスキャンして読み込ませることでディスプレイ内のステージにリカちゃんがその服を着て登場、服の評価をあれこれとコメントしてくれる上にスタンプが表示されるという仕組みとなっている。
こちらも子供たちが絶えず塗り絵を楽しんでおり、子供の塗り絵好きが再認識できた。「トミカ」の方は割と男女問わず楽しんでいたのに対して、「リカちゃん」の塗り絵は女の子が圧倒的に多かったのも印象的だ。また、「リカちゃん」エリアはお母さんのテンションが若干高めに感じられたのも面白い。
エリア最奥部には柔らかいボールが敷き詰められたエリア「冒険!アニアキングダム」が設置されている。こちらは、エリア内の2側面全面に映像が投射されており、「アニア」の世界観が楽しめる。また、火山が噴火して飛んでくる岩を足元のボールで撃墜するまとあてゲームが用意されているなども用意されている。
足元のボールは柔らかすぎず固すぎずほどよいバランスで、子供たちが飛び込んでも痛みを感じない絶妙な触り心地になっていた。その足元のボールを活かしてまとあてゲームの弾にする使い方も見事だ。この辺りは、こうしたアトラクションを多く開発してきたリトプラのこれまでの知見が生きていると言える。
エリア内最奥部には、滑り台も用意されているので、身体を動かして遊びたい子供たちにはピッタリのアトラクションと言えるだろう。また、スマホと連動した機能も用意されており、ドット絵を書いて「召喚する」ことで、ディスプレイ映像内にオリジナル動物が出現する仕組みも用意されている。
暴れまわるのが好きな子供が1度ここに入ったら出てこなくなりそうな仕掛けが満載のアトラクションとなっていた。
ロッチ中岡氏は「拳闘士」、コカド氏は「人生ゲーム」が想い出の玩具
内覧会開始時には、イトーヨーカ堂 スクール&ホビー部 総括マネージャー、山幡耕司氏による主催者挨拶があった。山幡氏はイトーヨーカドー店舗でこれまでオープンしてきた「TOYLO PARK」の仕掛け人でもある。
山幡は、「これまでのTOYLO PARKでは買い物目的ではなく、遊びに来てもらう場所の構築を目指している。競合は同業他社ではなく“公園”をコンセプトにオープンしてきたが、もうちょっと“おもちゃ”で遊んでいる子供たちとリトルプラネットを連動出来ないかと考えて、タカラトミーさんにお声掛けしたところ、当初は断られるかと思っていたが、非常に前向きに捉えてもらい、今回のタカラトミープラネットが実現できた」と経緯を語った。
続いて登壇したタカラトミー 執行役員 ブランドビジネス本部長 竹内俊介氏は「いきさつについてお話すると、実は2021年4月にオープンされたTOYLO PARKを拝見させて頂いた時、そこにタカラトミーのブランドが1つもなかったんですよね。1年前くらいにタカラトミーのブランド1個1個じゃなくて、丸ごとやらないかとお話をもらいました。今回のタカラトミープラネットですが、タカラトミーとしても100周年を迎え、100周年の折に発表する“おもちゃから遊びへ“のコンセプトに合致するプランだと思いました。タカラトミー本社と同じ葛飾区の亀有店にて、このような施設がオープンできたのは、おもちゃ業界においても非常に大事な位置付けになっています」と語った。
また「タカラトミーが持つ長い歴史を持つトミカ、プラレール、リカちゃんといった各ブランドが持つ魅力がデジタルと合わさる事でこれまでにない体験ができる空間となっています」とし、「タカラトミープラネット」の魅力を語った。
実際に仕組みなどの開発を担当したリトプラ 取締役CCO 鈴木匠太氏は「日本全国でリトルプラネットという施設を運営しています。今回のタカラトミープラネットのコンセプトについては、その遊びが夢中を作る、としており、トミカやプラレール、リカちゃん、アニア、ベイブレードなど、おもちゃとして楽しいというところに、我々のテクノロジーを使って、新しさと言う物を表現できたらと思い作っています」とコンセプトを語った。
なお、売上目標については以前のおもちゃ売り場と子供向けの遊ぶ空間である「仲良し広場」を展開していた頃と比べて1.4倍くらいを考えているという。
また、「タカラトミープラネット」について導入の経緯の話があったが、実際のところイトーヨーカ堂との独占契約ではないため、将来的には他のモールなどでの出展も可能性はあるという。ただしリトプラの鈴木氏によると、イトーヨーカ堂とは今後も「タカラトミープラネット」について継続して動きがあるため、将来的にはどうなるかは分からない、とコメントした。
その後はスペシャルゲストとしてお笑い芸人コンビのロッチが登場し、タカラトミープラネットのアトラクションを2人の子供たちと順番に遊んで回るという体験イベントも実施した。冒頭の挨拶にて、ロッチの中岡氏は「拳闘士というボクシングをやるおもちゃがあったと思うんですけど、あれを買ってもらってすごく嬉しかったなぁ」とコメント。なお「拳闘士」は1989年に初代モデルを発売した、向かい合った2体の人形でボクシングを行なう対戦玩具。初代以降もバージョンアップを重ねて販売を続けており、最新バージョンは2019年発売の「拳闘士ガチンコファイト」だ。
コカド氏は「うちがお金持ちじゃなかったので、数はあまり買ってもらえなかったんですけど、人生ゲームとかはずっとやってましたね」とした。「人生ゲーム」はその歴史が古く、1860年にアメリカで生まれた「THE CHECKERD GAME OF LIFE」というボードゲームがオリジナルだ。その後1960年にアメリカで発売された「THE GAME OF LIFE」の日本語版としてタカラトミー(当時はタカラ)から「人生ゲーム」が発売されたのが起源で、それ以降もアップデートを続け、現在ではキャラクター違いなどで12種類ものシリーズを販売するタカラトミーの主力ボードゲームの1つとなっている。
子供たちとともに「無限黒ひげ危機一髪」や「リカちゃん おえかきデザインコレクション」、「冒険!アニアキングダム」を楽しんだ2人は最後に「タカラトミープラネットは特に何も用意しなくてもアトラクションが楽しめるので気楽に親子で無邪気に遊んでほしい」とし、体験会を楽しんだ様子だった。
子供の時に遊びたかった夢がてんこ盛り!
以上、リトプラ、タカラトミー、イトーヨーカ堂による新たなトイ&プレイパーク「タカラトミープラネット」について簡単に紹介した。様々な工夫が施された「タカラトミープラネット」の各アトラクションだったが、実際にそこで遊ぶ子供たちもやりたいように遊びまくっており、そんな楽しそうな子供たちの様子から、かなり充実した施設として仕上がっているように感じられた。
子供たちの遊び方は時にこちらの想定外のアクションを行なう事が多い。例えば「トミカ&アニア サンドアドベンチャー」では、シャベルを無視して魔法のステッキで穴掘りを始める子供や、砂に腕を埋めて遊ぶ子など様々だ。そういった場合でも魔法のステッキは壊れにくく、柔らかい素材が用いられており、多少無茶な遊び方をされても、対応できるようになっており、子供たちがやりたいように遊べる施設として、安全面などにも配慮が見られる工夫が随所に見受けられた。
もちろんその全てがパーフェクトではなく、廊下を走り回る子供が多すぎれば「トミカ&プラレール デジタルストリーム」のストリートは車が動かなくなってしまい大渋滞を引き起こしてしまう。また、「トミカ&アニア サンドアドベンチャー」も発見した動物や昆虫の登録時に砂場を離れる必要があるため、それを面倒がって母親に任せようとする子供も見受けられたので、この辺りは手元で登録できるような仕組みを用意するなど、改善の余地は存分に感じられた。
塗り絵を活用した「トミカ デザインレーシング」と「リカちゃん おえかきデザインコレクション」は今回の子供たちに特に好評だったようで、エリア内のテーブルには常に何人かの子供が座り込み、熱心に色塗りを堪能していた。そうやって自分で塗った車が大型ディスプレイ内を走行する様子や、自分が手掛けた衣装を着たリカちゃんが高評価をしてくれたという出来事は、忘れられない想い出になるかもしれない。
リトプラの鈴木氏は今回の取り組みについて「我々にとっても初めてのチャレンジをたくさんさせたもらった施設です。全てのブランドはタカラトミーさんに監修してもらい、一緒に作り上げてきたので、ブランドのファンの人たちも満足してもらえる作りになっていると思う」と自信をのぞかせており、タカラトミーのファンのみならず、子連れのご両親などにとって「タカラトミープラネット」はオープンが待ち遠しい夢が詰まった施設と言えるだろう。