レビュー
「テレビ・マスターピース 『ホークアイ』 ケイト・ビショップ」レビュー
スーツの素材感、矢尻まで完全再現! ケイトが目の前にいるような実在感
2023年10月15日 00:00
- 【テレビ・マスターピース ケイト・ビショップ】
- 開発元:ホットトイズ
- 発売元:ホットトイズ・ジャパン
- 発売日:9月25日
- 価格:40,000円
- スケール:1/6
- 全高:約28cm
- 素材:PVC、ABS、ダイキャスト、布
- 付属品:弓、矢、トリック・アロー、矢筒、ハンドパーツ、特製台座
「テレビ・マスターピース 『ホークアイ』 ケイト・ビショップ(以下、ケイト・ビショップ)」は、配信番組ディズニープラスのオリジナルテレビドラマ「ホークアイ」の主人公の女の子ケイト・ビショップをモチーフとしたフィギュアだ。
ホットトイズのマスターピースシリーズはマスターピースの名前の通り、ユーザーの宝物になるようなクオリティの高いアクションフィギュアだ。キャラクターのスーツのデザインはもちろん、表面の質感、素材感まで再現。フェイスは演じる役者そのままで、まるで映画やテレビドラマのキャラクターが目の前に立っているかのような感覚を味わうことができる。
筆者は10年前、「バットマン」のマスターピースを購入し、いつかこのシリーズのフィギュアをまた手にしたいと思っていた。できれば今度は女性キャラクターがいい。ドラマ「ホークアイ」のケイトはとてもかわいらしく、「このキャラクターだ!」と思った。本稿ではフィギュア「ケイト・ビショップ」を細かくチェックし、その魅力を紹介していきたい。
ホークアイに弟子入り志願! ドラマそのままのケイト・ビショップのフィギュア
ケイト・ビショップはアベンジャーズのメンバーであり、弓の名手・ホークアイと運命的な出会いをする。2012年、映画「アベンジャーズ」で宇宙からの侵略者チタウリの軍勢がニューヨークを襲撃したとき、彼女はその場所にいたのだ。街を遅うチタウリの軍勢を優れた弓の技で倒すホークアイの姿はケイトの心に深く刻みつけられた。この災害でケイトは父を失うが、悲しみに暮れる母の前で彼女は言う「自分たちを守らなきゃ……。弓と矢が欲しい」。
ドラマ「ホークアイ」はホークアイことクリント・バートンと、ケイトを主人公にしたドラマだ。ホークアイは雷の神であるソーや、全身に武器を装備したパワードスーツを纏うアイアンマン、怪力無双の超人ハルクなどで構成されるアベンジャーズにおいて、とても地味な存在だ。卓越した弓の腕と、優れた体術や格闘術、隠密能力を持つがその能力はあくまで常人レベルであり、「ただの弓使い」として作品内ですらネタにされることもある。「ホークアイ」はそんな地味なクリントが家族を想いながらも、かつて犯してしまった過ちに立ち向かうドラマだ。
ケイトはホークアイに憧れ、弓の練習はもちろん、空手、フェンシングなど様々な競技に挑戦し、州でのトップの成績を取るなど優れた能力を獲得する。そんな彼女がふとした偶然から闇オークションで「ローニン」の衣装を手にしてしまったことから物語は始まる。ローニンとは数年前ホークアイ/クリントが一時的に家族を失ってしまったときに名乗っていた暗殺者の名前だ。
クリントは顔を隠す頭巾のようなマスクとコスチュームを纏い、世界の半分の人が消失した世界で悪人を粛正するローニンとして戦った。親友であるブラックウィドウ/ナターシャの尽力で彼はホークアイに復帰、アベンジャーズとして消失の元凶たるサノスに立ち向かい、消失した人間達は元に戻った。しかし過去は消えない。ドラマ「ホークアイ」において、クリントはローニンとしての過去と向き合うこととなる。
ケイトはローニンの衣装を着て闇オークションで騒ぎを起こし、「スポーツジャージマフィア」というニューヨークを拠点とするマフィアとトラブルになってしまう。それを救ったのがクリントだ。ケイトは憧れの人を目にした興奮で我を忘れ、熱烈に弟子入りを願うクリントは迷惑がるが、様々な予想外の困難に直面する中で、2人は強い絆で結ばれていく。
ケイトは特にドラマ前半では"ドジっ子の側面が強く描かれている。学校では友達との賭けで間違って歴史的な建物を壊してしまうし、マフィアと戦う羽目になってしまう。極めつけはクリントがケイトを守るため、わざとマフィアに捕まり「あの子は関係ない」といっている最中に、クリントを助けようとして乱入、一緒に捕まってしまうのだ。
ケイトを演じるヘイリー・スタインフェルドさんは、西部劇映画「トゥルー・グリット」や、トランスフォーマーの映画「バンブルビー」などに出演、子役から活躍しているベテランだ。「ホークアイ」でも空回りしてしまうケイトを魅力的に演じている。
では、フィギュア「ケイト・ビショップ」を見ていこう。スケールは1/6,全高約28cmの大きなサイズのフィギュアで、とても精密にキャラクターを表現している。布と樹脂で作られたコスチュームを纏っており、撮影に使われた本物のスーツそのままだ。
「ホークアイ」のケイトが目の前にいる! そんな感覚を味わえるフィギュアは、手にすると高い満足感が得られる。次章では衣装を中心に細かい部分をチェックしていきたい。
スーツのデザイン、質感まで表現! 本物のケイトを見ているかのような実在感
「ケイト・ビショップ」の大きな魅力はスーツの再現だろう。映像でもはっきりとは確認できないことが多いヒーロー達のスーツを細部まで細かくチェックできるのはフィギュアならでは。ホットトイズのマスターピースシリーズはその再現性で多くのファンに認められている。
紫が基本カラーのケイトのスーツは「ホークアイ」劇中のクライマックスで着用していたものだ。よく見ると左右非対称で、弓を支える左腕は厚手の布地で、側面に使われている樹脂製(オリジナルは革製だろうか?)の素材が左腕は上腕の裏側も覆っている。左肩にはパッドもあり、また肘から手首にかけてのプロテクターは腕の内側を保護している。
これはケイトが弓を使うとき、弦や矢の動きで身体を傷つけないためだろう。実際のアーチェリーでも腕の内側を保護するプロテクターがあり、それをヒーローのコスチューム風にアレンジしたものだろう。右腕は弓を引きやすいように薄手の布で覆われている。
下半身はスネ部分が樹脂で補強されている。腿部分には左右非対称の紫のラインが入っていて、右の腿には銃のホルスターのようにポーチが付けられている。脚は頑丈そうなブーツだが、フィギュア用に足首で分割され、可動するデザインとなっている。
そして顔だ。劇中ケイトを演じるヘイリーさんは幼さ、成長の足りなさを強調するかのようにかわいらしさを強めているように感じられる。目を見開き、笑顔も多めだが、その場を和ませようとしたり、自分の失敗をごまかそうとする苦笑いも印象的だ。そういった印象に比べるとフィギュアの「ケイト・ビショップ」はかなり凜々しく、表情はきつめだ。
「ケイト・ビショップ」はただケイトの美しい姿を表現したフィギュアではなく、劇中の細かい傷なども再現している。ケイトはマフィアと戦ったり激しいアクションが多く、劇中でも顔に傷を負うことが多い。フィギュアでも右顎に切り傷があって絆創膏で傷口を閉じている。こういった細かい表現が、フィギュアを劇中に近づけてくれる。前髪の雰囲気も劇中そのままだ。
ちなみに、ホットトイズのムービーマスターピースシリーズでは目線が動かせる「眼球移動」の技術を開発しているが残念ながら「ケイト・ビショップ」には搭載していない。役者の顔をそのまま使う場合、眼球操作によってイメージが崩れかねないためだろう。ただ「ケイト・ビショップ」の場合、弓で狙うシーンの場合はやはり目線が移動したかったところだ。
次ページではフィギュアの大きなセールスポイントである「武器」にフォーカスしたい。さらに可動と、様々なポーズ、背景を買えた写真を撮っていこう。
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