レビュー

「テレビ・マスターピース 『ホークアイ』 ケイト・ビショップ」レビュー

矢尻の違いも再現! しっかり弓を構えられる腕の可動

 「ケイト・ビショップ」は弓使いである。武器である弓の表現は力が入っている。弓は糸で弦を表現、弓部分も木と樹脂で軽さと強さを追求したものがわかるデザインを塗装で精密に再現している。

 矢は銀の矢羽根と、紫の矢羽根が3本ずつ。これに様々な矢尻を付けて使用する。ホークアイはアベンジャーズのヒーロー達のバックアップを受けて様々な「トリックアロー」を使用する。当たった対象を酸で溶かす「アシッドアロー」、矢尻からワイヤーが出る矢、爆発する矢、ガスを噴出して煙幕にする矢、さらには撃った対象を巨大化させる「ピム粒子」を応用した矢まである。ホークアイの優れた射撃技術があればこそ活用できるトリックアローをケイトも受け継いでいるのである。

【弓矢の表現】
実際に競技で使われていそうなリアルな弓。素材の違いもきちんと塗装で表現
2種類のシャフト、矢尻は5パターン用意されている

 矢尻は6つ。形状の違う矢尻はどんな機能を持っているか想像を刺激する。映像で調べたが、商品設定時と映像で使われたCGでは変更があったのか、劇中で厳密に同じ矢尻は確認できなかった。自分で機能を想像するのも楽しいだろう。フィギュアの矢は金属部品が使われており質感も良い。矢筒からシャフトを取り出し、矢尻パーツを付けてケイトに構えさせるのは、「ケイト・ビショップ」ならではの楽しさである。

 矢尻パーツは服にも装備されている。矢筒は着脱式でシャフトを収めるとリアルな雰囲気となる。感心したのは矢筒の留め金をきちんと表現しているところ。フィギュアでは再現されていないが、本物の矢筒はこの留め金を外すことで左右に割れ、より細かく分解、収納できるのだろう。撮影に使われた本物の衣装を再現しているからこその表現と言えるだろう。

腰に装着されている矢尻。ここで矢尻を切り替え、様々な効果を狙う
矢筒は着脱式だ。きちんとシャフトを収納できる
金具。この紐を外せば矢筒が分解できそうだ。本物の矢筒にもありそうな部品だ
矢尻のアップ。どんな効果があるのか想像するのも「ケイト・ビショップ」ならではの楽しいところだ

 そしてフィギュアの可動だが、布の衣装を着ている「ケイト・ビショップ」は関節がむき出しのアクションフィギュアに比べ、可動範囲は制限される。腕はかなり自由度が高く、弓をビシッと構えることはできるが、下半身の可動範囲は狭い。

 厚手のズボンのため腿は高く上げられないし、無理に動かすと布を破いたり関節を壊してしまいそうで怖い。膝は90度近くまで曲げられるがポーズにアクセントが付けられると言うくらい。お腹部分も可動はするが、派手なポーズはとれない。基本的に立ち姿を楽しむフィギュアと言えるだろう。

 関節の自由度と服のリアル感はやはり相反する部分がある。「ケイト・ビショップ」はヒーローらしい派手なポーズを取らせたり、ガシガシ遊びたいという方向は苦手だ。ただ腕はかなり自由度があるので、格闘を意識したポーズも可能だ。ケイトはフェンシングや空手の上級者でもある。弓以外でも様々な武器を持たせたり、素手のファイティングポーズを取らせるのも楽しいだろう。

【可動】
腕の自由度は高く格闘を意識したポーズも。ケイトは空手も黒帯、フェンシングも優秀なのだ
厚手の服と素体の設計で下半身の可動はかなり制限されている。無理に動かすと服を破いたり、素体を壊しそうで怖い
工夫すればアクションを意識したポーズも可能だが、素立ちが前提のフィギュアと言える
台座のデザインも凝っている

 次章では背景やポーズを換えて写真を撮ってみよう。フィギュアはやはり写真を撮るのが楽しい。色々な写真をお見せしたい。

ドラマ「ホークアイ」ファンにはたまらない、ケイトの決定版フィギュア

 フィギュアに色々なポーズをさせ写真を撮るのは大きな楽しみだ。「ケイト・ビショップ」はやはり弓を構えるポーズが良い。左腕をまっすぐ伸ばし、右手で弦を引き絞る。「ケイト・ビショップ」の場合弓用の専用の持ち手があり、人差し指と中指に弦を引っかけ、その指の間に矢の後部を差し入れることでしっかり弓が構えられる。

 ただ弓と矢がふれあう部分は固定されていないので、ちょっとした振動で外れてしまう場合もある。長時間飾る場合などは両面テープで弓と矢をくっつけておくのが良いかもしれない。フィギュアの出来が良いだけに、弓を構えるケイトの姿は色々な角度から眺めたくなる。

【弓を構える】
やはりケイトは弓を構えるポーズがビシッとき決まる
矢筒から弓を引き抜くポーズも可能

 背景を色々配置しての撮影ももちろん楽しい。花を背負わせたり、布を配置したり、布を置くのも良い。これだけリアルなフィギュアならば、風景写真なども面白いかもしれない。今後もう少し背景を考えてみたいと思う。また、背景紙のレビューをする場合でもリアルな女性のフィギュアは独特の効果がありそうだ。

 今回はおまけとして10年間ずっと仕事机のそばに飾ってあるホットトイズの「バットマン」を引っ張り出してみた。バットマンはDCコミック、ケイトはマーベルでこの組み合わせは現実では実現しそうにない組み合わせだが、ホットトイズのフィギュアなら可能だ。リアルな描写が映画の1シーンのようだコレクションが増えればこう言う遊び方も楽しいだろう。

【背景を加える】
背景を変えることで雰囲気が変わる
バットマンと競演! DCとマーベルの壁を越えたシーンもフィギュアならば可能

 「ケイト・ビショップ」はとても満足できたフィギュアだ。かなり高価なフィギュアではあるが、キャラクターに思い入れがある人ならば宝物として手元に置いておきたい。実際に映画のキャラクターを前にしたかのような驚きは多くの人に体験して欲しい。

 そしてヘイリーさん演じるケイトは「ホークアイ」でマーベルの世界を映画化するMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の一員となった。これからのMCUでどんな活躍をするのか、新たなアベンジャーズの一員になるのか? 今後の活躍が楽しみである。