レビュー

「レゴ(R)アイコン Dune/デューン 砂の惑星 アトレイデス家のロイヤル・オーニソプター」レビュー

映画を彷彿する羽の開閉をレゴ(R)テクニックで再現!

【レゴ(R)アイコン Dune/デューン 砂の惑星 アトレイデス家のロイヤル・オーニソプター】

発売元:レゴジャパン株式会社

発売日:2024年2月1日

参考価格:22,980円(税込)※レゴ公式オンラインストア価格

ジャンル:ブロック玩具

サイズ:(約)高さ23cm x 幅79cm x 奥行57cm

パーツ数:1,369

 今回のレゴ(R)ブロックレビューは『レゴ(R)アイコン Dune/デューン 砂の惑星 アトレイデス家のロイヤル・オーニソプター』を取り上げてみたいと思う。

 実はこの商品、レゴ(R)アイコン シリーズでありながら、レゴ(R)テクニックの組み方をふんだんに取り入れているアイテム。だから、通常のレゴ ブロック製品と、レゴ テクニックの両方の製作過程を楽しめるのがポイントなのだ。逆に言えば「レゴ テクニックって面白いのかな?」と迷っていた人に最適な、入門セットと考えることもできる。

 もちろん、そんな理屈は抜きにして『DUNE/デューン 砂の惑星』でロイヤル・オーニソプターが好きになった人にはオススメアイテムだ。

 今回も、例によって商品の製作プロセスや、面白い組み方、新規パーツなどを紹介していくが、まずは完成品をチラりと見せておく。セットのパーツを使ってどうやってこの形になるのかを想像していこう!

完成した「ロイヤル・オーニソプター」はトンボのようにも見える

『DUNE/デューン 砂の惑星』のロイヤル・オーニソプターとは?

 まずは映画『DUNE/デューン 砂の惑星』を知らない方のために簡単にストーリーを紹介する。主人公・ポールは、カラダンの皇帝からメランジという香料を入手することを命令された父・アトレイデス公爵とともに採掘地である砂漠の惑星アラキス(通称、デューン)へ赴く。そこで宇宙支配を狙う宿敵ハルコンネン家との戦いが勃発、父を殺されたポールは全宇宙のために立ち上がる……といったストーリーだ。このロイヤル・オーニソプターは、そんなポールたちが乗る飛行機だ。

 そもそもオーニソプターとは、鳥のように羽を羽ばたかせて飛ぶ飛行機を指す。劇中でも特徴的な8枚羽を震わせながら空を飛ぶシーンは、さながらトンボが飛んでいるようにも見える。だが、その動きは俊敏で、羽を折りたたんで急降下するシーンに痺れた読者も多いはず! ちなみに原作ではこのロイヤル・オーニソプターについての描写はほとんどないため、デザイナーのパトリス・ヴァ―メット氏による映画オリジナルのモデルだ。

 そんな、ロイヤル・オーニソプターのかっこよさを、製品パッケージでは躍動感あふれる画像で再現している。特に裏面では8枚羽やランディングギアのギミックがわかるような画像が掲載されていて、ファンの心をつかむこと間違いなし! また、内容物も10個の袋とオプションのパーツ合わせて1,369ピースという大ボリューム。インストラクションには、入手できるミニフィギュアが詳細な説明とともに掲載されているのも嬉しい。

パッケージの表面ではロイヤル・オーニソプターと飛行シーンが描かれている
パッケージの裏面では各部のアップやギミック、ミニフィギュアなどがわかるのが嬉しい
袋は全部で10。2万円台の商品だけあって、レゴ ブロックのパーツも大量!
袋だけではなく、羽やキャノピーなども別に同梱
インストラクション組み立て方法以外にキャラクターの設定などもわかる

袋1から5はテクニックパーツを多用してロイヤル・オーニソプターの基幹を製作

 まずは、袋1から5を使って、ロイヤル・オーニソプターの基幹となる部分を組み立てていく。全体的な組み方としては、中央部を作って左右にプレートを貼り込む方式だが、今回のモデルは通常のディスプレイモデルと異なり、特徴的な8枚羽の開閉ギミックを楽しめる。そのため、通常のレゴ ブロックパーツだけでなく、レゴ テクニックのパーツも多用しているのがポイント。初めて見るテクニック系のパーツもあるかも知れないが、インストラクションに沿って作っていけば問題はない。ただ、穴あき系のパーツにピン系の部品を挿す時は位置を間違えないように注意。インストラクションの絵柄を見て、確実に位置を確かめて進もう!

 また面白いと感じたのが、袋を1つ開けるごとに、1体のミニフィギュアが入っていること。テクニック系のパーツはギミックのために使用しているので、いくら組んでもなかなか形が見えてこない。これはこれで完成品の驚きがあるのだが、慣れてない人だと飽きてしまうケースもゼロとは言い切れない。そんな時、モチベーション維持に効いてくるのが、このミニフィギュアだと思う。

 袋1ではロイヤル・オーニソプターの後部が完成する。ここだけ見ていると、様々な宇宙用ビーグルへの発展が見えていて妄想が広がる。だが、袋2では中央部分を作ると、俄然ロイヤル・オーニソプターに見えてくる! あとは、袋3以降を使い、8枚羽の軸となる部分や可動ギミックを組み込んだ。前述したようにどんどん形が大きくなっていくわけではないのでもどかしい気持ちもあるが、どのような動きが組み込まれているのか想像すると楽しい。

【袋1:本体メイン部分】
袋1のパーツ構成。本体のメイン部分を構成するので大型パーツが多い
2023年の新規パーツ6×1のスロープ(4569)が手に入るのが嬉しい!
テクニック系のビームパーツ(穴あきのブロック)軸にして中央部を組み立て
プレートパーツで左右の表面を作成する
袋1の完成品。メカメカしい感じでこれだけでもカッコいい
主人公のポール・アトレイデスを袋1に入っている
【袋2:基幹部分】
袋2のパーツ構成。なかなかの大ボリューム。基本パーツとテクニックが半々くらい
袋2では様々なユニットを組んでいく
各ユニットを組み合わせると基幹部分の中央ができあがる
袋2のミニフィギュアはレディ・ジェシカ
【袋3:8枚羽のギミック】
袋3のパーツ構成は、かなりテクニックパーツが多い。細かいパーツも多いので無くさないように注意しよう!
袋3では、いよいよ8枚羽のギミックに絡む部分を製作開始
袋3の完成品。ロイヤル・オーニソプターらしさがでてきた
袋3にはダンカン・アイダホが封入。一般人に流用可能なデザイン
【袋4】
袋4のパーツ構成。ほとんどがテクニック系のパーツで何ができるがワクワクする
袋4の完成。8枚羽のギミックにつながる部分ができてきた!
ポールの父、レト・アトレイデス公爵は袋4で登場。いかにも宇宙戦闘服な感じ
【袋5】
袋5のパーツ構成。引き続きギミック関連のテクニック系パーツが多い
袋5の完成。ギミックを仕込んでいるだけあって中央の密度がすごい
袋5ではガーニー・ハレック。肩アーマーがカッコいい!

★改ページ予定位置★

袋6から10で機首をメインに完成させる!

 袋6からは、いよいよ本体のディテールを作り込む。特にロイヤル・オーニソプターは機首部分がかなり特殊な形状なので、レゴ ブロックでどのように再現しているのか楽しみな部分だった。まずは袋6を使って外観をディテールアップしていく。そして、袋6を使って機首部分を作り込む。実際のロイヤル・オーニソプターはもっと人が乗れるが、本製品では2人乗りになっている。このあたりは好みが分かれるところかも知れないが、これがレゴ ブロックならではの表現だと思う。ディテールやリアリティを重視するのもアリだとは思うが、それはプラモデルでもできる。逆にレゴ ブロックをモチーフにしてどこまで取捨選択して元のデザインを再現するのかが、デザイナーの力量なのだ。

【袋6】
袋6は、これまでと打って変わって通常のパーツ。ディテール製作が楽しみになる
後方のスラスターをパネルパーツで表現
袋6の完成品。通常パーツで全体の形が見えてくる
リエト・カインズ博士は袋6に入っている。使い込まれたマントの表現がいい!
【袋7:外観パーツ】
袋7のパーツ構成もロイヤル・オーニソプターの外観を形作りそうなパーツがメイン
1×3の丸プレートも2023年の新規パーツ。奇数で丸プレートでしかも穴空きという大量に欲しいパーツのひとつ
コクピットの操縦席は椅子部分をカーブスロープで製作
ロイヤル・オーニソプターのコクピットが完成。操縦桿 を動かせるぞ!
袋7の完成品。コクピット部分がついて全体の大きさがわかるようになる
袋7にはチャニが入っている。白い短剣が珍しいかも

 袋8では、ロイヤル・オーニソプターの足回りを作っていく。ランディングギア部分は、前かがみな着陸態勢できるよう可動域が必要となる。そのため、テクニック系のパーツを使いながら、ディテールも盛り込むという、本製品の見どころのひとつとなっている。また、8枚羽の軸となる部分も、テクニック系パーツのディテールがメカメカしい効果を出していて、ギミック関係なしにカッコイイ!

【袋8:ロイヤル・オーニソプターの下部】
袋8から再びテクニック系パーツに戻る。これでロイヤル・オーニソプターの足回りを完成させていくのだ
1 x 11のリフトアーム(73507)はテクニック系の製品以外だとあまり見かけないが、車のシャーシなどにも使いやすいパーツ
バーやテクニック系パーツを利用してディテールを形成
テクニック系パーツを利用すれば、ランディングギアも作りやすい
袋8ではロイヤル・オーニソプターの下部を作り込んだ
【袋9:8枚羽の構成パーツ】
袋9のパーツ構成も8枚羽の構成パーツとなる
8枚羽の軸部分がテクニック系パーツなのでメカ感がすごい!
袋9の完成品。 羽が付いてないぶん、むしろ羽ばたいているシーンに見えなくもない
袋9にはハルコンネン男爵が登場。すごく上から目線な感じの演出がいい

 袋10ではキャノピー部分を制作する。珍しい造型のキャノピーパーツやドアパーツなどを使い、特徴的なコクピットを見事に再現している。もちろん、開閉も可能だ。最後はたくさんある羽を付けて完成となる。羽を開閉させるのは、本体中央あたりにあるパーツを動かせばよい。

【袋10:機首の仕上げ】
袋10では機首に使う最終仕上げ用のパーツ構成
このキャノピーパーツは何と2024年の最新パーツ
羽やコクピット用のパーツも嬉しい。
キャノピーは開閉可能となっている!
この部分を動かすと、羽が開閉する
袋10の完成品。このまま急降下させたい!

ロイヤル・オーニソプターの完成品はデカイぞ!

 ということで、完成したロイヤル・オーニソプターだが、とにかくデカくて迫力満点! 正直「この値段でこのボリュームでいいの?」ってくらいのお買い得感のあるセットだろう。全体的なビジュアルとしてはサッパリとした印象だが、逆にテクニックパーツを利用した部分のメカメカしさとのコントラストがたまらない。

 また、サイズに見合う重さもあるので、飛んでいるシーンを撮影しようと手でもっていたらブルブル震えてしまうほど。それに合わせて翼が上下し飛翔しているようにも見え、ちょっとニヤけてしまった。ランディングギア部分も普段は折りたたまれているが、左右にあるロケットのパーツを回すと引き出すこともできる。これで機種を下げた着陸体勢が取れる。ただ、本体が重いので自重で沈みやすいかもしれない。だが、そんなことどうでもよくて、このサイズの可動ロイヤル・オーニソプターを手に入れられることが、ファンには重要だ。

ロイヤル・オーニソプターの正面。迫りくる感じがいい!
ロイヤル・オーニソプターの背面。後ろから見ると生物感がある
ランディングギアは、このミサイル後部のパーツを使って可動させる
ランディングギアを格納しても、ほかのディテールとツライチになるのがスゴイ
翼を仕舞えば着陸時の状態を再現できる
キャノピーには、通常家の窓枠にするパーツが使われている
裏側から見るとランディングギアの様子がよくわかる
羽の付け根はテクニックパーツのメカメカしさが活きている!
コクピットには、きちんとミニフィギュアが乗るぞ!

 『DUNE/デューン 砂の惑星』のPART2は、本年3月15日に公開予定となっているので、これからもっと盛り上がっていくかもしれない。本製品は、翼を拡げさえしなければ、置き場所にそれほど困らないモデルでもあるので、ファンならば絶対コレクションに加えるべきアイテムだと思う。また、レゴ ブロックファンも、レゴ テクニックとの融合はどういうものかを知るきっかけになる入門モデルとして最適だ。可動するオリジナルモデルを作りたい人には、きっと参考になるはず。