レビュー
BATON airsoft「BT-SAND VIPER CO2GBB」レビュー
デザイン・実用性に優れサバゲーで1年中使えるCO2ガスガン
2024年8月20日 00:00
- 【BT-SAND VIPER CO2GBB】
- 2024年8月中旬発売
- 価格:税込36,080円(メーカー希望小売価格)
- 全長:223mm
- 銃身長:95mm
- 重量:約694g(マガジンを除く)
- 弾丸:6mm BB
- 動力源:CO2ガスカートリッジ
- 装弾数:31+1発
サバイバルゲームにおいて、アサルトライフルやサブマシンガンにドットサイトを付けているが、ハンドガンについてはアイアンサイトで運用している方が多いと思う。ただ、個人的にはサバイバルゲームであっても、バリケートから薄く出ているプレーヤーに当てるためには、ハンドガンにつけるのにも大きなメリットがあると思う。
一般的なハンドガンでは、ドットサイトを装着するために別途販売されているマウントを装着する必要がある。しかし、最近では各社の「G17 Gen5 MOS」のようにドットサイトを直乗せしたり、さまざまな規格に対応させるための「MOSプレート」が付属する製品も登場してきている。今回は、そんな中から多彩なカスタム装備で射撃競技用銃をCO2ガスガンとしてモデルアップしたBATON airsoftの「BT-SAND VIPER CO2GBB」をレビューしていく。
モデルはジョン・ウィックの愛銃として登場した「PIT VIPER」の兄弟機
「BT-SAND VIPER CO2GBB」の元となった実銃は「TTI SAND VIPER」。これは映画「ジョン・ウィック:コンセクエンス」においてジョンの愛銃として登場した「PIT VIPER」の兄弟機だ。ジョン・ウィックシリーズの銃器コーディネーターを務めているガンスミスであるタラン・バトラー氏が製作したカスタムガンとなっている。
最も目を引くのはドットサイトをマウントすることを前提としたデザインだ。ほかにも反動を制御するコンペンセイター、握りやすいようにステッピング加工が施されたグリップ、マガジンを出し入れしやすいマグウェル、軽量化されたスライド、トリガー、ハンマーなどが採用されている。個人的には「PIT VIPER」は射撃競技用というイメージが強かったが、「TTI SAND VIPER」をモデルアップした「BT-SAND VIPER CO2GBB」はよりサバゲーに特化したCO2ガスガンだと感じた。
安心して利用できるJASG認定を受けた日本仕様モデル
「BT-SAND VIPER CO2GBB」は、対象年齢18歳以上用のCO2ガスブローバックハンドガンだ。開発したのはBATON airsoftで、JASG認定を受けた日本仕様モデルをGunsmith BATONが販売する。
全長は223mm、高さは実測147mm(マガジンなし)/175mm(マガジンあり)、銃身長(インナーバレル)は95mm、重量は約694g(マガジンなし)/実測1105.5g(マガジンあり)。CO2ガスカートリッジ1本と0.20g BB弾31発を合わせると実測1152.0gだ。
金属製マガジンには6mm BB弾を31発装填可能。パワーソースにはCO2ガスカートリッジを使用する。対応CO2ガスカートリッジは、「PUFF DINO・BASIKOS CO2 12g カートリッジ」だ。他社製CO2ガスカートリッジは非対応となっている。また、他社製のCO2ガスカートリッジを使うと保証対象外となるので留意しておこう。
マガジン単体の重量は実測412.0g、CO2ガスカートリッジと0.20g BB弾31発を合わせると実測459.0gだ。ほかのガスガン用マガジンに比べると重めだが、最大で31発装填できるというメリットには代えがたい。
直付けすればドットサイトを低い位置で固定できる
サバゲーマー最大の注目点はドットサイト装着の自由度の高さだろう。本仕様モデルには新設計ブローバックハウジング「D型ピストン」が採用することで、ドットサイトのリアルなマウント位置を実現している。加えて、カバーをはずした状態が「Trijiconピッチ(Trijicon、Holosunなど)M3 ねじ」で同規格のドットサイトを直付け可能となっている。さらに、下記の3種類のMOSプレートが同梱されているので、さまざまな規格のドットサイトを装着可能だ。
- 「Docterピッチ(Doctor、Vortex、Vector Optics、SURE HIT MRSなど)M3ねじ」
- 「C-Moreピッチ(C-Moreなど)#8-32UNC(インチねじ)」
- 「Leupoldピッチ(Leupoldなど)M4ねじ」
【同梱MOSプレート一覧】
コンペンセイターは本来銃口の跳ね上がりを低減するための装備だが、効果があるのは発射ガスが強く放出される実銃のみ。CO2ガスガンではほとんど意味はないが、ユーザーの気分を盛り上げる装備としてはやはり魅力的だ。
フロントサイト、リアサイトカバーは着脱式になっている。フロントサイトは集光タイプで、アイアンサイト運用でも狙いやすい。視界が広いぶん、ドットサイトより狙いやすいという方も多いことだろう。ただ、個人的には「サイト調整ができる」という点で、多くのプレーヤーにとってメリットが大きいと考える。
トリガーガード前と下には滑り止めが設けられており握りやすい。このあたりの加工はカスタムガンならではだ。また、マガジンキャッチボタンが大型化されているほかマグウェルも装備している。スムーズなマガジンチェンジが可能で、価格は税込7,458円(メーカー希望小売価格)だ。
通常分解はスライドアッセンブルの取り外しまで
通常分解についてはガバメント系を踏襲している。まずは、マガジンをはずしてから、スライドを後方にずらして、スライドストップを抜き取る。次にスライドを前方にはずせば、ホップ調整や、シリコングリス・グリスの注油が可能。バレルアッセンブルやリコイルスプリングの分解については、Gunsmith BATONの使用説明書に記載がないので、避けたほうがよいだろう。
「BT-SAND VIPER CO2GBB」実射
「BT-SAND VIPER CO2GBB」を握ったときの第一印象は、やや予想を上回る大きさと重さ。筆者は手が大きいのでまったく問題ないが、家族に握ってもらったところ扱いづらいと言っていた。サイズ、重量は手の大きさや筋力によって感じ方が大きく異なる。手の小さな方は一度販売店でチェックしたほうがよいと思う。
一方、トリガープルは0.93~0.99kgと非常に軽かった。ストロークも短めなので、精密射撃しやすい。また、CO2ガスガンらしいキレのいいブローバックを楽しめるが、反動自体はマイルドで、銃口の跳ね上がりも小さめだ。CO2ガスカートリッジの交換直後は壊れてしまうのではないかと思うほどの強烈なリコイルが生じるCOSガスガンもある中、「BT-SAND VIPER CO2GBB」は安心して撃てる製品だと感じた。
適正ホップ時の初速は0.2g BB弾で最大81.7m.s、平均70.05m/s、最小44.3m/s、0.25g BB弾で最大74.6m.s、平均61.86m/s、最小38.8m/s。CO2ガスカートリッジ1本の発射可能弾数は、0.2g弾で123発、0.25g弾で117発であった(使用BB弾はどちらもファイネストBB。室温24.3℃、湿度48.4%)。
今回は約1秒ごとに発射し、30発前後で約30秒~1分間で弾込めしているが、もう少し間隔を開けて射撃すれば、平均初速はもう少し高くなり、発射可能弾数も増えるはずだ。
射撃時至近距離の最大音量は104.4dBA。作動音自体は低めだが、ガス発射時の破裂音が大きいという印象だ。コンペンセイターをはずすなどのなんらかの方法でサイレンサーを取り付ければ、かなり静音化できる可能性がある。
デザイン、実用性に優れ、サバゲーで1年中使えるCO2ガスガン
「BT-SAND VIPER CO2GBB」はデザイン性が高い。また、ドットサイトを直乗せできる新設計ブローバックハウジングや、反動を制御するコンペンセイター、グリップやマグウェルなどの操作性を向上させるパーツの実用性も優れている。
初速は0.2g BB弾で最大81.7m/s、0.25g BB弾で最大74.6m/sと実用上十分なうえ、弾道は素直でホップ調整もしやすかった。マガジンがちょっと高価だが、装弾数が多いので1本で事足りるという方も多いことだろう。サバゲーマーが1年中使用するCO2ガスガンとして、「BT-SAND VIPER CO2GBB」は非常に魅力的な1丁だった。
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