レビュー

「ミニッツAWD スバル インプレッサ WRC 2002」レビュー

ドリフトが簡単に楽しめる! 手のひらサイズの本格RCカー

【ミニッツAWD スバル インプレッサ WRC 2002】

発売中(8月30日発売)

価格:29,700円

全長:162.0mm

全幅:70.0mm

本体重量:約193g(電池含む)

電源:アルカリ乾電池8本(本体用4本/プロポ用4本)

連続稼働時間:約50分

 京商のRCブランド「ミニッツ」は全長約162mm、手のひらサイズの大きさで、本格的な走りが楽しめるシリーズだ。今回紹介する「ミニッツAWD スバル インプレッサ WRC 2002」は送信機に加え簡易工具も同梱されており、送信機用と本体用に単四乾電池を合計で8本買うだけですぐに走らせることができる。「本格的なRCカーを手軽にはじめたい」という人にオススメのセットとなっている。

 本商品が使用している「MA-020-N」というシャシーは、シャフトドライブによる4WD、前後にサスペションを搭載し、クイックなレスポンスを実現するレースマシン用のシャシーであり、さらにドリフトに特化したタイヤを搭載している。RC初心者でも気軽に大迫力のドリフトが楽しめるのだ。

 今回、「ミニッツAWD スバル インプレッサ WRC 2002」のサンプルを借りることができたので、ディテールや走りの感触までしっかり魅力を紹介したい。

手のひらサイズの本格的RCカー「ミニッツ」。今回はその魅力をしっかり紹介したい

世界ラリー選手権で活躍したラリーカーを再現したボディ

 モチーフとなった「スバル インプレッサ WRC 2002」と、ボディのディテールを見ていこう。インプレッサは1992年に初代が発表され、「スポーツワゴン」として、世界ラリー選手権(WRC)参戦を目的としたスポーツモデルも登場した。

 「スバル インプレッサ WRC 2002」はまさに2002年のWRCに参戦したモデル。フィンランドを代表するWRCレジェンド・ドライバー トミ・マキネンは、世界ラリー選手権(WRC)で4度のチャンピオンを獲得していたラリーレジェンドであり、2002年からスバルに移籍。モンテカルロ・ラリーの総合優勝を勝ち取り、スバルに移籍した直後のデビュー戦での勝利は、彼の実力と新たなチームでの成功を象徴するものだった。ファンにとって、マキネンの活躍を想起させる車だ。

【全身】
スバルは1993年からWRCにインプレッサを投入、今回のモチーフは2002年モデル
「WRブルー」と呼ばれるカラーと6連星のスバルのマークが目を惹く
前面、側面、背面

 車体で目を惹くのは何といっても「WRブルー」とも呼ばれた鮮やかな青に、明るい黄色で描かれた6連星のスバルのマークだ。スバルのラリーカーであることが直感的にわかる見事な配色で、金のホイールがボディカラーを引き立てる。ラリーカーならではの全身に描かれたスポンサーマークなど商品でもしっかり表現されている。ボンネットのエアインテークなど走る性能を追求した装備も見所だ。

 「MA-020-N」シャシーは実車のラリーカーと同じ4WDであり、ドリフト用のタイヤを装着しているので手軽な操作でドリフトが楽しめる。コースを土煙を上げて走るシーンをイメージしながら操作するのが非常に楽しい。ラリーカーの雰囲気を表現するのにぴったりな商品と言えるだろう。

【ディテール】
全長約162mm、約1/27スケールで表現されたボディ。マーキングなどもしっかり描写されている
ラリーカーならではの装備なども細かく再現している
スバルの6連星
リアスポイラーやスポンサーマークなども注目
ボディカラーを引き立てる金のホイール

本格的なマシンセッティングも可能なシャシー

 本商品に使用されているシャシー「MA-020-N」は4WDスポーツシャシー「MA-020系シャシー」をベースに基盤をリニューアルし、ステアリング制御プログラムを見直したものを採用している。このプログラムは別売の「専用ジャイロユニット」に対応しており、ジャイロユニットを取り付けることでステアリング補正を行うことができる。

 手のひらサイズの大きさでありながら、パーツ交換により細かいキャンバー(タイヤの倒れ角度)調整も可能なフロントサスペションを装備。メンテナンスもしやすくなっている。シャシー内部には14個ものベアリングを搭載、モーターからのパワーをスムーズに伝達する。

【シャシー】
シャフトドライブ4WDの「MA-020-N」シャシー。オプションパーツでセッティングの変更なども行える
シャシー裏面。モータが露出しており、排熱効果を高めている
フロントサスペション、小サイズながら本格的な構造だ
タイヤはドリフト用の硬質なもの。ホイールのネジを外して交換できる
単4のアルカリ乾電池4本で約50分の走行が可能
リアサスペション
シャーシ上部にはジャイロユニットとLEDユニットのコネクターがある

 タイヤはドリフト用になっている。ゴムではなく固い樹脂製で、床だとかなり滑る。このタイヤと4WDのシャシー特性で「ミニッツAWD スバル インプレッサ WRC 2002」は手軽にドリフトやスピンが楽しめる。車体をスライドしながら進むドリフトの軌跡はRCカーを操作する楽しさをもたらしてくれる。

 このタイヤに限らずRCカーのタイヤは消耗品である。今回何度も練習走行を繰り返したため最初のタイヤはかなり細かく傷がついてしまったので、セットに入っているパーツリストを見て、予備のタイヤと、念のため新しいホイールも購入した。こういったパーツ交換やオプションパーツの購入も「ミニッツ」の楽しさだ。また、違う特性のタイヤをはかせるというのも楽しそうだ。

【別売のパーツ】
最初のタイヤは練習走行を繰り返して傷が目立つので、撮影のために購入したドリフトタイヤセット。念のためホイールも購入した

 プロポ(送信機)も紹介しておきたい。同梱されているプロポ「Syncro KT-531P」はRCカーならではのガンタイプ。左手の人差し指で引き金型のスロットル トリガーを引くことで前進、ハンドルを右手で動かして操作する。スロットル トリガーを広げることでバックする。

 ハンドルの周辺のツマミはトリム調整。スロットルやハンドルの微調整をこのツマミで行う。「Syncro KT-531P」はこのほかLEDのON/OFFとジャイロユニットの調整も行うことができる。

【プロポ】
「MA-020-N」シャシーに対応したプロポ「Syncro KT-531P」
ホイール形ステアリングコントローラ
スロットルはトリガータイプ
トリムスイッチ。ジャイロやライトにも使う

 複雑なメカニズムを搭載しながらも単4電池4本でおよそ50分の連続走行が可能。充電可能な電池型バッテリーを使用することでコストパフォーマンスはより向上する。専用バッテリーではなく、身近にある単4電池を使用できるのは、例えばレース場でバッテリーを忘れたときなどでも簡単に補充可能ということだ。また、商品を購入し、とりあえず走らせたい、という希望も簡単に叶えてくれる。

 しっかりしたサスペンション、細かく調整可能なギアなど「ミニッツAWD スバル インプレッサ WRC 2002」は初心者が気軽に走らせるだけでなく、ギアの調整や、タイヤによるグリップ、キャンバー角を変化させ走りの方向性を変えるなどRCファンの細かいセッティングも可能だ。「本格的なRCマシンを目の前にしている」という実感をもたらしてくれる商品である。

【同梱パーツ】
ギアや専用工具など同梱品は豊富だ
ミニパイロンでコース設定も可能
ボディを加工して取り付けられるライト
公式ページから、ライトを取り付けた姿

 さらに充実した同梱パーツも「ミニッツAWD スバル インプレッサ WRC 2002」の大きなセールスポイントだ。「ペアリングスティック」や「ホイールレンチ」など工具や、「交換用ギア」、「ホイールナット」などのスペアパーツ、さらに「ミニパイロン」も同梱されている。「スバル インプレッサ WRC 2002」の場合、ボディに付けられるライトパーツも用意されている。このパーツを装備するにはボディの加工が必要だ。「ミニッツAWD スバル インプレッサ WRC 2002」まさに購入するだけで走りをしっかり楽しめる充実した内容となっているのだ。

 次章ではいよいよ走行させてみよう。「ミニッツ AWD」ならではのドリフトにも挑戦していきたい。

8の字走行とスピンからのドリフトで車の操作を学んでいく

 「ミニッツ」シリーズは室内専用RCカーだ。そこそこ広い空間が必要だが、室内で手軽に運転が楽しめる。今回は2本のペットボトルを立てて8の字走行をしてみる。

 以前、知り合いに聞いたのだが、8の字走行はRC初心者がRCカーの操縦を覚えるのに最適な方法とのことだ。スピードをゆっくりに2つのペットボトルの間を走行させてみた。

【京商「ミニッツAWD スバル インプレッサ WRC 2002」、8の字走行で練習!】

 8の字走行をやってみると操縦の基礎練習にぴったりなのがわかる。スピードが出るとカーブでの半径が大きくなる。うまく曲がるにはどこでハンドルを切るか、その後どう戻すか車の挙動が体でわかるようになる。

 また集中力も大事で、ちょっと気を抜くとうまく曲がれなくなる。10分以上連続で遊んでると操作が難しくなってくるし、挙動が安定するように意識すると操作がより面白くなってくる。8の字走行はレース場を走る上でのテクニックの基本にもなるとのことで、もっともっと練習したい。

 次にやってみたのがドリフトだ。最初はどうドリフト走行をして良いかわからなかったが、アクセルワークを小刻みに動かすことで車がスピンすることがわかり、そこからステアリングを組み合わせてスピンの半径が広がるのがわかった。少し練習してくるくると円が描けるようになった。

【京商「ミニッツAWD スバル インプレッサ WRC 2002」、ドリフトに挑戦!】

 車が床を滑りカッコイイ軌跡を描く。ドリフトは普通に走らせるのとはまた違った楽しさがある。ラリーカーか、マンガの「頭文字D」のレースシーンのように、車を滑らせてカーブをクリアするよな操作をものにしたいところだ。

 ただ、まだ望んだ場所でのドリフトができない。動画ではドリフトができているが、「望んだ場所で思ったようにドリフトができない」のだ。どのタイミングでドリフトができるのか、そして、ドリフトで8の字が書けるように練習していきたい。

 他のミニッツの走行動画などを見るとドリフトで華麗に連続カーブを走るものも見つかる。せっかくドリフトがしやすい「ミニッツAWD スバル インプレッサ WRC 2002」を使っているのだ。ここは挑戦していきたい。

本格的なRCカーに手軽に挑戦できるミニッツはオススメの商品だ

 このほか、走った後のメンテナンスもしっかりしていきたいところだ。一回走らせるとシャシーにはかなりほこりが付着する。今回、撮影のためにタイヤを新しくしたが、交換の際、車軸にもかなりほこりが詰まっているのがわかった。シャシーに付着したほこりだけでなく、タイヤを外してのメンテナンスも重要だと感じた。

 ミニッツは本格的なRCカーをしっかり体験できる。今回走らせ、ドリフトをさせてみて、本格的なRCカーの感触を実感できた。加速と減速をしっかりしてカーブを曲がるその感覚が楽しい。さらにはレース場などにも挑戦してみたいと思った。今後もしっかり「ミニッツAWD スバル インプレッサ WRC 2002」を楽しんでいきたい。