レビュー

バンダイ新作フィギュア「ブロックロス」第1弾全8体レビュー

劇中に近いプロポーションで立体化された魔神達が勢揃い!独特なシルエットを持つ「ブロックロス ワタル」シリーズを組み立てる

 レビュー後半は、ワタルシリーズを組み立てていく。第1弾は現在放映中の『魔神創造伝ワタル』より「龍神丸」、「麒麟丸」、「風神丸」の3体と、1988年放映の『魔神英雄伝ワタル』の「龍神丸」がラインナップ。ブロックロスとしての基本設計はガンダムシリーズと同じだが、こちらは元々の魔神(マシン)のデザインをほぼ忠実に立体化している。『魔神創造伝ワタル』の龍神丸がブロックから作り上げた魔神ということで、ある意味世界観設定にも忠実だ。フレームのブロックの数が多いのも魔神の体型に合わせたもので、ガンダムシリーズよりもボリュームがあるのもポイント。そのぶん価格がわずかに上がっている。

龍神丸(魔神創造伝ワタル)

 『魔神創造伝ワタル』の主役となる魔神で、異世界に飛ばされた主人公の星部ワタルがブロックで作り上げたロボットに龍神が宿って生まれた。両肩には龍の意匠があり、これはシールではなくパーツで再現。右肩にある龍頭も複数のパーツ構成で色分けされていたり、武器の龍の弓が可動したりするなど、全体的に凝った仕様で、ある意味ブロックロス第1弾の一番の目玉アイテムと言えそうだ。

「ブロックロス 龍神丸(魔神創造伝ワタル)」の内容物。ランナーA~J、ブロックフレーム、ブロックの予備2個、シール
胴体と腕の間には独立して可動する肩のパーツが入る。これはワタルシリーズ共通
龍頭のパーツはなんと7パーツ構成。右肩に装備する
龍の弓と登龍剣を組み立てて背中に取り付ける。弓のマウントパーツが剣をホールドする設計だ
大きめの頭部は9パーツを使用。目と額がシールだ
頭部を取り付けて「龍神丸(魔神創造伝ワタル)」の完成。プロポーションはかなりいい
登龍剣は手に、龍の弓は手首のジョイントに装備が可能だ
龍頭は手首と付け替えることで武器にもなる

麒麟丸

 ワタルのいとこの天部カケルが乗る魔神。脚力を生かした速さで敵を翻弄し、背中に装備した投擲武器「輝輪(きりん)」で戦う。その名の通り、モチーフは伝説の生物麒麟で、頭部には前方に伸びた2本のツノがあり、脚部がひづめになっているなど、「龍神丸」よりも生物的な印象を受ける。武器の輝輪は、もちろん取り外して装備することが可能だ。

「ブロックロス 麒麟丸」の内容物。ランナーA~H、ブロックフレーム、ブロックの予備2個、シール
白、濃紺、黄色の3色を主体としたカラーリング。肩の飾りの模様はシールだ
輝輪を組み立てて背中に取り付ける
頭部には前に2本のツノ、後ろに髷のような意匠がある
頭部を取り付けて「麒麟丸」の完成
輝輪は中央の握りの部分を取り外してから手に持たせる

風神丸

 異世界の住人、御富良院(おふらいん)が乗る二刀流の魔神。肩に装備した2本の「烈風剣」は強風を巻き起こす。日本の風神を思わせる風の袋を背負っていて、これは大きな一つのパーツとして同梱されている。ランナー数が一番多いキットでもある。

「ブロックロス 風神丸」の内容物。ランナーA~K、Lパーツ、ブロックフレーム、ブロックの予備2個、シール
メカニカルな直線構成のパーツが多い風神丸
背中の飾り(Lパーツ)と刀を取り付ける
他の魔神と比べると、頭部は比較的シンプルだ
刀は抜刀状態のものと、鞘に収めた状態のパーツと交換式だ
頭を取り付けて「風神丸」の完成
烈風剣の二刀流ポーズがバッチリ決まる

龍神丸(魔神英雄伝ワタル)

 こちらはオールドファンにとって嬉しい、初代「龍神丸」がラインナップ。 主人公の戦部ワタルが作った粘土人形に創界山の守り神、金龍の魂が宿っている。創造伝の龍神丸にも受け継がれたフォルムや金龍の意匠をブロックロスのフォーマットで立体化している。

「ブロックロス 龍神丸(魔神英雄伝ワタル)」の内容物。ランナーA~G、ブロックフレーム、ブロックの予備2個、シール
ワタルシリーズの中ではパーツが少なめ。肩のマークはシールとなっている
こちらの登龍剣も鞘はなく、ホルダーに収めるスタイルだ
頭部は創造伝の「龍神丸」と同じ9パーツの構成
頭部を取り付けて「龍神丸(魔神英雄伝ワタル)」の完成。
武器は登龍剣のみ。シンプルなのが格好いい
創造伝の「龍神丸」(左)との比較。似ているようで細部は結構違っている

組み合わせは自由自在! クロスパーツを組み替えて楽しむ「クロスビルド」にチャレンジ

 最後にこのブロックロスならではの組み替え遊び「クロスビルド」を試してみた。ブロックフレームとクロスパーツが共通のフォーマットのため、それぞれのパーツを付け替えることで、新たな姿のブロックロスを作り出すことができるのだ。

 完成した機体からクロスパーツを取り外すか、ブロックのジョイントをパーツごと取り外して分解して組み替えればOK。ただしガンダムシリーズとワタルシリーズではパーツのフォーマットが異なり、デフォルメ具合や世界観も違うので、ここではあえてシリーズをミックスした例は紹介していない。

クロスパーツの取り外しは、各社から発売されているパーツセパレーターを使うとやりやすい
パーツは取り外さず、フレームのジョイントを外して組み替える手もある
ガンダムシリーズのクロスビルド。種類によってシールが剥がれやすいので、組み替えは慎重に行おう
創造伝と英雄伝の「龍神丸」のクロスビルド。同系機体のいいところをミキシングしてみた
ワタルシリーズのクロスビルド。左右非対称にしてみるのも面白い

 バンダイのトイ事業部が贈る、新たな組み立ておもちゃ「ブロックロス」。デフォルメ具合と組み立てやすさは上々のクオリティで、普通に組み立てるだけでもデスクトップに並べられる適度なサイズのコレクションフィギュアとして楽しめ、今後のラインナップへの期待も高まった。

 同じシリーズ同士ならカッチリ決まるクロスビルドは、シリーズを複数買った人が味わえる、おもちゃならではの付加価値なので、2~3種類手に入れた人はぜひ一度試していただいて、自分だけの機体を作ってみてほしい。