レビュー

「30MM 1/144 bEXM-6 ラウンドノヴァI」レビュー

主任務は惑星探査。丸っこいボディに短い手足の愛嬌あるエグザマクス

【30MM 1/144 bEXM-6 ラウンドノヴァI】
開発・発売元:BANDAI SPIRITS
発売日:2025年5月24日
価格:1,628円
ジャンル:プラモデル
サイズ:全高約120mm
これまでにない大型でドーム状の頭部が印象的です。

 「30 MINUTES MISSIONS」シリーズ(以下:30MMシリーズ)においてバイロン軍の使用するエグザマクスは「ポルタノヴァ」を始めとした戦闘用エグザマクスが発売されてきました。そして2025年5月に惑星探査を主任務とした新しいコンセプトの機体が発売されます。本記事では30MMシリーズ最新キットの「30MM 1/144 bEXM-6 ラウンドノヴァI」を紹介します。

ロイロイは新規造形の機体が付属します。

ポルタノヴァ以前に開発されたエグザマクス

 今回紹介する「30MM 1/144 bEXM-6 ラウンドノヴァI」はその型番であるbEXM-6が示す通り、「30MM 1/144 bEXM-15 ポルタノヴァ」以前に開発されたエグザマクスです。そのデザインはポルタノヴァに比べ頭部が大型化し、脚部も短いデザインです。また、ハンドパーツは従来の5本指マニピュレータではなく、3本指マニピュレータが採用されています。

3本指マニピュレータでも武器の保持が可能です。
30MM 1/144 bEXM-15 ポルタノヴァ

関節等一部は共通フレームを使用しつつも大半が新規造形パーツのキット

 本キットのパーツ構成は大半が新規造形パーツを採用したパーツ構成であり共通フレームの使用箇所は胴体接続部、肘、膝、足首関節のみでした。また、腕部および脚部パーツは備品の共通化が図られ、スピーディーな組み立てを可能としています。

肩部および脚部付け根関節は新規造形パーツです。

パーツ数も少なく、サクサクと形になるキット。

 本キットのパーツは少ないパーツ数で形になるシンプルなパーツ構成であり、ランナー数も同一形状のランナーも含め7枚です。これまでのBANDAI SPIRITS製キットと同様にAランナーが多色成形ランナー、その他が単色成型ランナーであり、Aランナーは同一形状のものが2枚付属します。

「30MM 1/144 bEXM-6 ラウンドノヴァI」パッケージ
Aランナーは多色成形ランナーであり、同一形状ランナーが2枚付属します。
Bランナーは共通フレームのランナーです。
C1、C2ランナーは一部共通パーツです。
Dランナーは主に武装類を構成しており、ボールジョイントのポリキャップが付属します。

パーツ差し替えにて2種類の頭部を選択可能な頭部パーツ

 「30MM 1/144 bEXM-6 ラウンドノヴァI」の頭部はこれまでのエグザマクスでは採用されていなかったドーム状の頭部をしています。また、モノアイ部の形状はパーツ選択によって2種類から選択可能です。

頭部パーツはこれまでにないドーム状の形状です。
完成後の頭部はモノアイ前にピラーのある形状とアンテナのある形状で選択可能です。
パーツ差し替え時はモノアイのクリアパーツを付け替える必要があります。

ドーム状頭部に対応した胴体パーツ

 本キットの胴体部はドーム状の頭部に合わせ、上部に広い平面を有します。各部ジョイントはこれまでの30MMシリーズキットと共通のため、完成後に他のキットと組み替えて楽しむことができます。しかしながら、頭部の接続部は前述の通り広い平面を有しているためパーツ選択には制作者のセンスが問われると感じました。

組み立て前の胴体パーツは前後2分割となっており各部ジョイントはこれまでの30MMシリーズキットと共通です。
組み立てが完了した胴体部は胸部が大きく腹部が引き締まった逆三角形の形状をしています。

左右共通パーツとなっている腕部および脚部

 本機の腕部および脚部は左右共通パーツであり、接続ジョイントの角度で左右を決定します。また、腕部パーツのマニピュレータは3本指のため、こちらも左右共通パーツです。

腕部のパーツ構成は全て左右共通です。
マニピュレータは開き手と武器保持手の2種類が選択可能です。
脚部パーツも腕部と同様に左右全て共通パーツです。
脚部パーツの脛部分は布表現となっています。

シンプルな構造の腰部パーツ

 腰部パーツの構成は必要最小限のパーツにて構成されており脚部接続ジョイントにスイング機構等の可動をアシストするパーツは採用されていませんでした。しかしながら、腰部アーマー等装甲パーツがないデザインのため、可動時に干渉はありません。

腰部パーツは4パーツと最小限のパーツ構成です。
脚部接続ジョイントにスイング機構等の可動をアシストするパーツは採用されていませんでした。

特徴的な頭部と短い脚部を有する素体の完成

 ここまでで、ラウンドノヴァI素体を構成するパーツが完成しました。各部の接続は他の30MMシリーズキットと同様に脚部は軸接続、その他はボールジョイントによる接続となります。

素体の接続方法は脚部が軸接続、その他はボールジョイントによる接続となります。
完成した素体は特徴的な頭部と短い脚部を有したデザインです。

大型バックパックと各種武装を制作する

 ここからは各種武装の制作に入ります。本機の武装は手持ち武装にシールドとスタンライフル、バックパックに迎撃用ミサイル、新型ロイロイが付属します。また、惑星探査が主任務ということで大小2種類のバッグパーツが付属します。

手持ち武器となるスタンライフルは左右2分割です。
完成後のスタンライフルは角型の銃口であり、この銃口もジョイント孔として活用できます。
バックパックのパーツ数は7パーツにて構成されています。
完成後のバックパックは迎撃用ミサイルの角度を変更できます。
ロイロイのモノアイはラウンドノヴァIと共通パーツを使用しています。
完成したロイロイは腕部を可動させることが可能です。

 ラウンドノヴァI素体への各種武装の取り付けは軸接続を使用して取り付けます。各部軸径は3mmジョイントが採用されており説明書以外の場所にも取り付け可能です。

ラウンドノヴァI素体への各種武装の取り付けは軸接続を使用して取り付けます。

ポルタノヴァ以前に開発された惑星探査用エグザマクス

 これにて、ラウンドノヴァIを構成するパーツは全て組み立て完了しました。ここからは完成したラウンドノヴァIに様々なポージングをして楽しんでいきます。最初は素立ち状態で前後側面から見ていきましょう。

ラウンドノヴァIの正面。これまでのエグザマクスと比較すると足が短く感じます。
ラウンドノヴァIの左側面。シールドは丸型のものが付属しています。
ラウンドノヴァIの右側面。スタンライフルは銃身が短い造形となっています。
ラウンドノヴァIの背面。バックパックは大型の造形となっています。

 次に各部の詳細を見ていきます。頭部パーツはドーム型ということもあり、上下にスイングはしませんが左右には自由に可動します。

頭部のアップ。モノアイはクリアイエローで成型されています。
モノアイはパーツを変更することで違った雰囲気になります。

 本キットにおける特徴的な装備、バッグパーツはジョイント孔がある場所であればどこにでも装着できます。

胴体部のアップ。特徴的なバッグパーツもジョイント孔がある場所であればどこでも変更可能です。
バッグパーツの位置変更例。小さいバッグパーツはジョイントを変更することで取り付け位置を変更しています。

 各部の可動は30MMシリーズらしく大きな可動域を確保しています。膝立ちポーズも難なくできます。

大きな可動域を活用し、膝立ちポーズも可能です。

 各種武装はシンプルな円形シールド、スタンライフル、迎撃用ミサイルなどカスタマイズにも使用しやすいラインナップとなっています。

左腕武装のシールドは3mmジョイントで左腕以外にも取り付け可能です。
スタンライフルは角型銃口となっており、この銃口はジョイント孔としても活用可能です。
バックパックに取り付けられた迎撃用ミサイルは発射角度を調整可能です。

 最後に他の30MMシリーズキットを使用したオリジナルカスタマイズで遊んでみます。今回はラウンドノヴァIをベースに脚部をヴェルデノヴァに変更し、スタンライフルにはアチェルビーやフルアーマーアルトのパーツを流用。同日発売の「30MM 1/144 オプションパーツセット19(マルチシールド)」も使用して、本来惑星探査用の機体を戦闘用にカスタマイズしてみました。

カスタマイズを行なったラウンドノヴァI。今回のカスタマイズでは戦闘用ラウンドノヴァをイメージしてカスタマイズしてみました。
スタンライフルの角型銃口にはアチェルビーのマシンガンパーツがぴったりでした。
脚部パーツは他キットのものを使用することでスタイルを大きく変更することが可能です。
「30MM 1/144 オプションパーツセット19(マルチシールド)」は組み替え次第でオリジナル形状のシールドを制作可能です。

 本記事にて紹介した「30MM 1/144 bEXM-6 ラウンドノヴァI」は、大型の頭部と短い手足によるこれまでにはないまるっとしたスタイルのエグザマクスでした。腕部のマニピュレータは3本指にハンドパーツとなっていましたが無改造でも様々な武装を保持することが可能になっているため、無理に5本指のマニピュレータに換装しなくともカスタマイズを楽しめます。また、ポージングを取らせてみると接地面の広い足部により安定性も十分に感じられました。

 また、カスタマイズにおいても各種ジョイントは共通であるため30MMシリーズの各種キットと互換性があります。本記事では脚部を長くすることでスタイルの変更を行なってみましたが、「30MM 1/144 eEXM-S03H フォレスティエリ」を使用してさらに機体を小型化するというカスタマイズも面白そうです。本記事をきっかけに新しい方向性のカスタマイズに挑戦してみてはいかがでしょうか。