レビュー
プラモデル「金曜ロードショー」レビュー
「いやぁ、映画って本当にいいもんですね」と言いたくなる、味わい深い情景プラモデル
2025年7月30日 00:00
- 【金曜ロードショー】
- 開発・発売元:StudioSYUTO
- 発売日:2025年7月31日
- 価格:2,200円
- ジャンル:プラモデル
- サイズ:全高約80mm
StudioSYUTOはプラモデル「金曜ロードショー」を7月31日に発売する。日本テレビの映画放送枠である同番組の放送40周年を記念し、番組の放映開始から約12年間使用されていた初代オープニング映像に映るボートハウスをプラモデルとして商品化したものだ。
この初代オープニングが次のものに変更となってから既に28年が経過しているが、当時番組を見ていた人にはBGMの「Friday Night Fantasy」のメロディとともにそのイメージが強く刻まれていて、まさかのプラモデル化にSNSは大いに沸いた。
本稿ではStudioSYUTOより事前に提供いただいたサンプルのキットを組み立てたレビューをお届けしていこう。
昭和~平成の映画番組を象徴する夕陽のシーンをプラモデルとして立体化
この商品を発売するStudioSYUTOは、元々プラモデルの金型を制作する秋東精工で、近年は自社でプラモデルに参入し、シャリを一粒ずつ接着して作る「寿司プラモ」シリーズや、「ゴミプラモ」、「餃子プラモ」など、他のメーカーとはひと味もふた味も違った着眼点のプラモデルを発売し、SNSを中心に話題を集めていた。
同社は金型を作るメーカーなので、プラモデルの設計やデザインのノウハウが少なかったため、これまで他社IPの商品は発売していなかったが、今年はついに他社IPのプラモデルにも参入。6月に発売された Eテレ「つくってあそぼ」のMC久保田雅人さんのプラモデル「わくわくさん」に続く商品がこの「金曜ロードショー」となる。
「金曜ロードショー」は日本テレビとその系列局で、毎週金曜21時~22時54分に放送されている映画番組で、1985年から何度かの内容リニューアルを経て現在に至っている。放送では前身番組の「水曜ロードショー」から引き続き、映画評論家の水野晴郎さんが約24年間にわたって解説を担当している。「いやぁ、映画って本当にいいもんですね」の締めの言葉は番組の名物となった。
今回キット化されるプラモデルは、番組初代のオープニング映像の冒頭に出てくるボートハウスのシルエットを立体化したものだ。現在動画サイトに残されている当時の映像を確認する限りは、このボートハウスは1分弱の映像の冒頭で約5秒ほどしか出てきていないが、当時番組を見ていた人にとってはBGMの「Friday Night Fantasy」を聴けばこの情景を思い出すほど、番組を象徴する存在でもあった。
ボートハウスといってもそのシルエットを再現するものなので、内装などはなくパーツ数は少なめ。ランナーは3枚で、全て黒色の成形となっている。組み立てには接着剤が必要となるが、作りは単純なので難しいものではない。なお今回は制作時間短縮のため瞬間接着剤を使って組み立てているが、黒いパーツは接着剤硬化後の曇りが目立ってしまうので、可能であればプラモデル用接着剤を使うことをオススメする。
組み立てはボートハウスの台座から開始。ボートハウスならではの高床式の構造で、床下にはトラス構造の支柱が存在する。台座には溝が切ってあるので、パーツを正しく接着していけばOKだ。なお支柱は向きが決まっているので、説明書の指示に従って向きを確認しながら取り付けよう。
完成した台座の上に床を乗せて接着。このシーンの主役となる男性とおぼしき人物は3パーツの構成で、帽子を被り右手に四角い何かを持っていることが分かり、組み立てると左手を柵の上に添えた立ち姿となる。
映像ではほんの数秒しか映っていないボートハウスが完成
家屋は4枚の壁と屋根、その上にあるフラッグというパーツ構成になる。壁は単独で接着するのは難しいので、隣り合った何枚かを接着するといい。壁を組み立てたら、屋根を被せてその上にフラッグを取り付ければ、ボートハウスの完成となる。
付属のロゴ入り背景紙は、台座となるパーツに差し込んで立てる仕組み。立てた背景紙に対して、ボートハウスの右側を約25度の角度を付けて設置するのがベストポジションとのこと。見る角度によって印象も結構変わるので自分なりのベストポジションを見つけていただければと思う。
接着は必要なものの、プラモデルとしては簡単な部類で、塗装をせずとも雰囲気バツグンの情景を作ることができる。スケールは特に設定されていないが、立っている人物のサイズが約3cmということから、その身長を178cmとすると約1/60スケール相当になるようだ。造形が黒単色のシルエットなので同スケールのフィギュアなどと絡めるには、造形の塗装や写真の加工など若干の工夫が必要となるが、適度なサイズのものを見つけたら絡めてみるのも面白そうだ。
SNSでバズらせることを意識して企画しているというStudioSYUTOのプラモデルだが、他社IPの商品は単純な一発ネタにとどまらない面白さがあり、これからのラインナップにも期待がかかる。この「金曜ロードショー」は、当時の番組を見たことがある人はもちろん、番組をよく知らなくてもグッとくる造形として完成している。このような他のメーカーの商品にはない、独自視点のプラモデルを今後も楽しみにしたい。
(C)NTV











































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