レビュー
AIRSOFT97「C.A.T. HK416A5」レビュー
リアル刻印採用のミリタリーモデル! 機械式プリコックで箱出し即戦力
2025年12月23日 00:00
- 【C.A.T. HK416A5 AEG】
- 12月19日発売
- 価格:66,550円
- 開発:SPARK(AIRSOFT97)
- 全長:730mm/830mm(ストック展開時)
- 銃身長:250mm
- 重量:2740g(本体のみ)
- 弾丸:6mm BB(0.2~0.25g)
- 装弾数:130発
- 推奨バッテリー:7.4V 30Cリポバッテリー
- 種別:アサルトライフル
「C.A.T.」は、AIRSOFT97を運営するSPARKが手がける電動ガンシリーズ。サバイバルゲームのフィールドに足を運べば、ほぼ必ず誰かが使用しているのを見かけるほど、定番となっている。本稿ではそんなC.A.T.の新製品「C.A.T. HK416A5 AEG」のレビューをお届けする。
これまでC.A.T.には、スタンダードモデルのExplorerシリーズ、レースガンスタイルのLegendシリーズ、ハウジング交換機能を採用したVersatileシリーズなどがラインアップされてきた。また、数量限定モデルとして、C.A.T.初のミリタリースタイルとなる「Mk18 Mod.1」もリリースされている。ただ、常時購入可能な通常ラインアップとしてのミリタリーモデルは存在しなかった。この点は、ミリタリースタイルでサバゲーを楽しむプレイヤーにとって、大きな不満点だったと言える。
その要望に応える形で、11月28日に発表、12月19日に発売されたのが、Militaryシリーズの「HK416A5/HK416F S」だ。本モデルは、C.A.T.として初めてリアル刻印を施したミリタリーモデルとなる。もちろん見た目だけではなく、C.A.T.シリーズのアドバンテージである機械式プリコック、テイクダウンによるメンテナンス性、箱出しでの高い精度は継承されている。今回は、スペックや外観、実射性能などについて、実機レビューをお届けしていく。
実銃「HK416」はH&Kが開発した軍・法執行機関向けアサルトライフル
実銃の「HK416」は、ドイツの銃器メーカー「Heckler & Koch」(H&K、ヘッケラー&コッホ)が開発した、軍・法執行機関向けのアサルトライフルだ。外観はM4A1などを含むAR-15系のアサルトライフルに近いが、内部構造は大きく異なる。
最大の違いは作動方式。M4A1などがダイレクトガス方式を採用しているのに対し、HK416は、発射時のガスで短く動くピストンを押し、その力だけを使ってボルトを動かす「ショートストローク・ガスピストン方式」を採用している。ガスが直接ボルト内部に入りにくい構造のため、設計思想としては、汚れや環境変化への対応を重視したモデルと言える。
使用弾薬は5.56×45mm NATO弾。操作系は左右両利き対応(アンビ仕様)となっており、工具を使わずにガス調整が可能な機構を備える点も特徴だ。
また、水中射撃直後でも安全に発射できる「over-the-beach capability」も備えているとされるほか、フルレングス・ピカティニーレールを装備。加えて、光学サイトや各種アクセサリーを多数できる可能な拡張性の高い設計になっている。
一方で、M4A1などと比べると、ピストン機構を備えるぶん重量が増える点や、コスト面がデメリットといえる。
「HK416A5」と「HK416F S」をカラー違いで4モデルラインアップ
今回発売されたのは4モデル。標準仕様の「HK416A5」(11インチ)と、それをベースにフランス軍制式仕様を再現した「HK416F S」(14.5インチ)を、それぞれブラックとタンの2色でラインアップしている。
- 「C.A.T. HK416A5 AEG BK」66,550円
- 「C.A.T. HK416A5 AEG TAN」66,550円
- 「C.A.T. HK416F S AEG BK」68,750円
- 「C.A.T. HK416F S AEG TAN」68,750円
「HK416A5」と「HK416F S」は、レシーバー刻印はもちろん、アウターバレル(長さやディテール)、フラッシュハイダー、アイアンサイト、ストック、トップレール後端の形状に至るまで、実銃の仕様を意識してリアルに再現されている。ガスレギュレーターをノーマルモードとサプレッサーモード(ダミー)に切り替えられるほどの凝りようだ。
単なるバリエーション違いにとどまらず、モデルごとの特徴を外観からもはっきりと感じ取れる構成である。なお、アウターバレル長は異なるが、インナーバレル長は250mmと同じなので、性能に違いはない。デザインの好みで4モデルから選べるわけだ。
少し重めだが忠実再現された外観が魅力。「C.A.T. HK416A5 AEG BK」のスペックや各部特徴について
ここからは今回レビューしていく「C.A.T. HK416A5 AEG BK」のスペックや各部の特徴を解説する。
「HK416A5」の全長は730mm、ストック展開時で830mm。銃身長(インナーバレル長)は前述のとおり250mm、重量は2740g(本体のみ)だ。ハンドガードは実銃用メーカーによるアルミ合金製、アッパー、ロアーレシーバーも高剛性のアルミ合金製。トリガーは実銃と同じく、後ろ側に切り欠きがあるオリジナル形状となっている。
グリップは角度を立てた「HK V2バトルグリップ」を忠実に再現。これに伴い、プリコック解除用の「大型スリット」が廃止されている。そのためプリコックの解除はトリガーガード付け根からアジャストツールを挿入して行なう仕様で、細く、剛性のある金属棒でも代用可能だ。同梱の「C.A.T. アジャストツール」をなくすと少々厄介なので、頻繁にプリコックを解除したいのであれば、シンプルなヘアピンなどを使うことをお勧めする。
使い勝手における「HK416A5」と「HK416F S」の大きな違いがストックだ。「HK416A5」は薄型のスリムラインストック(6段階調整機構付き)、「HK416F S」は頬付けや肩付けしをやすい幅広ストックが採用されている。取り回しを重視するなら「HK416A5」、安定した射撃姿勢を重視するなら「HK416F S」と、好みとプレイスタイルに応じて選びやすい構成といえる。
同梱品としては、「C.A.T. HK416A5 AEG BK」本体に加えて、「C.A.T. H&K Gen3 ポリマーマガジン スプリング式 30/130連 BK」、クリーニングロッド、六角レンチ(M4、M3、M2.5、M2)、調節ツール「C.A.T. アジャストツール」、セレクターのネジ隠し用パーツ、イモネジ(M3×5ミリ)、説明書類が付属する。詳細なマニュアルはQRコードから閲覧する形式だ。
付属マガジンは「C.A.T. H&K Gen3 ポリマーマガジン スプリング式 30/130連 BK」。分解して内部のスイッチを切り替えることで、リアルカウントの30連と、最大装填の130連を選択可能だ(デフォルトは130連)。単体販売(3,410円)も用意されているが、本稿執筆時点でAIRSOFT97の通販サイトでは品切れとなっている。実銃同様、M4系のマガジンと互換性があるので、当面はC.A.T.シリーズに適合するM4マガジンを使用すればよいだろう。
推奨バッテリーは「7.4V 2000mAh 30Cリポバッテリー」で、「HK416A5」と「HK416F S」のどちらもバッファーチューブ内に収納する仕様となっている。ストック後端下側のツマミを後ろに引くと、バットプレートを下にスライドして取り外せるが、今回お借りしたサンプルではストックにピンが圧入されていた。公式マニュアルによると、ピンが圧入されている場合はツマミが動かないとのこと。購入時には、バッテリー装着前にピンの有無を確認してほしい。
重量は本体が実測2,731g、純正マガジンが実測165g。バッテリーやBB弾、光学サイトを含めると総重量は3kgを超えるだろう。個人的な感覚では、午前中は頼もしく感じる重さだが、午後遅くになるとサブマシンガンやハンドガンに持ち替えたくなる重量でもある。
「HK416A5」はC.A.T.シリーズの「機械式可変プリコッキング機構」を継承&メンテナンスが容易
今回レビューしている「HK416A5」を含むC.A.T.シリーズ最大の特徴は、電子部品を使わずに作動する「機械式可変プリコッキング機構」だ。独自開発の「MAPセクターギア」により、ピストンをあらかじめ後退位置に保持し、トリガーを引いた瞬間にピストンが前進してBB弾を発射するセミオート射撃を実現している。
ピストンが引かれた状態から作動するため、トリガー操作から発射までのタイムラグが短く、キレのよいレスポンスを実現。特にセミオート射撃では、発射直前までトリガーを引いた状態を維持しやすく、指切り時のコントロール性にも優れている。
また、繊細な電子トリガーを使用していないため、電子系トラブルのリスクを抑えている点も見逃せない。一方で、プリコックの解除は手動であり、プリコック量を機械的に調整できるが、やや難易度が高い。特に強力なブラシレスモーターなどに交換した場合、無理な設定と操作を重ねた場合にはギアクラッシュする可能性もある。C.A.T.シリーズは箱出し状態で安定したプリコック量に設定されているので、基本的には不用意にいじらないことをお勧めする。
また、C.A.T.シリーズの大きなメリットとして、リアのテイクダウンピンをスライドさせれば、手軽にテイクダウンできる点も紹介したい。テイクダウンすることでバレルチャンバーアッセンブリーとアッパーメカボックスを取り外せるので、バレルの清掃やスプリングの交換も容易だ。メンテナンス性の高さは、C.A.T.シリーズ最大のメリットと個人的には考えている。
なお、C.A.T.シリーズ初代から導入されている、チャージングハンドルを引くとロックされるダミーボルトカバーや、細かく調整しやすい無段階のホップアップダイヤルについても、本製品でもしっかりと継承されている。
安定した弾速、素直な弾道を実現しており、カスタムの必要性を感じない
最後に実射性能を確認していく。まず初速についてだが、0.2g弾ホップ最弱、0.25g弾ホップ最弱、0.25g弾適正ホップの初速は下記のようになった。なお、ホップを最強にすると弾詰まりとなったので、今回は計測を実施していない。弾詰まりした状態で続けて撃つと、チャンバー、パッキン、ノズルなどが破損する可能性があるので注意してほしい。
| 最大 | 平均 | 最小 | |
|---|---|---|---|
| 0.2g弾ホップ最弱 | 87.1m/s | 86.7m/s | 86.4m/s |
| 0.25g弾ホップ最弱 | 81.1m/s | 80.9m/s | 80.6m/s |
| 0.25g弾適正ホップ | 81.4m/s | 80.9m/s | 80.5m/s |
この結果で印象的なのが初速の幅が狭いこと。0.2g弾ホップ最弱で0.7m/s、0.25g弾ホップ最弱で0.5m/s、0.25g弾適正ホップで0.9m/sと、いずれの条件でも差が1m/s以下に収まっている。また、ホップ最弱と適正ホップでもほとんど初速に違いがない点にも注目してほしい。他社製と比べると初速はやや抑えめだが、多くのインドアフィールドでも安心して使用できる初速だ。
連射速度は最大16.1RPS、平均14.1RPS、最小9.9RPS。最初の数発がやや回転数が低く、そこから安定して16RPS前後で発射された。筆者がよく行くフィールドでは1~2秒の指切りがルールとなっているので、このぐらいの連射速度が使いやすいと感じた。
トリガープルについては最大1.32kg、平均1.28kg、最小1.24kg。C.A.T.シリーズはトリガーに物理スイッチが採用されており、トリガーが切れる位置が明確にわかる。物理プリコックと相まって、引き切れる直前でホールドしておけば、相手プレイヤーが見えた瞬間に発射可能だ。トリガープルも上記のとおり軽めなので、扱いやすいトリガーフィーリングを実現していると言える。
射撃音は最大95.9dBA、平均84.87dBA、最小74.4dBA。初速は安定しているのになぜか射撃音の幅は大きかったが、トータルでは射撃音は低めだと感じた。高剛性のアルミ合金製レシーバーを採用しているので、音が抑えられている可能性が高い。特に樹脂製レシーバーのVersatileシリーズと比較すると、その差を体感できるはずだ。
弾道の精度については箱出しとしてはまったく申し分ない。今回の実射テストでは、0.2g弾でも33m先の40cmターゲットにほぼ全弾命中、0.25g弾であれば3発撃てば10cm内に当てられるほどの精度を確認できた。もちろんBB弾の個体差によるフライヤーが皆無ということはないが、前述のとおり初速が安定しているので、上下のずれもほとんどない。
ミリタリースタイルを重視しつつ、実射性能と扱いやすさを求めるプレイヤーにぴったり
本製品は、リアル刻印を施した外装の再現度に加え、定評ある「機械式可変プリコッキング機構」により鋭いトリガーレスポンスを継承しているのが魅力。加えて、高いメンテナンス性もサバゲープレイヤーとして嬉しいところ。
初速のばらつきが少なく弾道も素直で、箱出しの状態でも十分な戦闘力を備えている点は大きな魅力だ。セミ主体の近〜中距離の撃ち合いはもちろん、箱出しでも中距離で「狙って当てる」運用が可能。今回の実射テストでは、バリケードからはみ出た体の一部を狙えるだけの精度を確認できた。
一方で、やや重めな点と、電子トリガー搭載機に比べるとプリコック機構の調整難度が高い点は留意してほしい。
総括すると「C.A.T. HK416A5 AEG」は、ミリタリースタイルを重視しつつ、安定した実射性能と扱いやすさを求めるサバゲープレイヤーに適した製品といえる。
(C)2022 - 2025 spark co.,ltd









































































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