レビュー

「1/32 フォッケウルフ Fw 190 A-3」レビュー

精密な内部の表現、アフターパーツ全部を使って豪華に組み立て!

【1/32 フォッケウルフ Fw 190 A-3】
開発・発売元:ボークス
発売日:2026年5月2日
価格:13,200円
サイズ:全幅約330mm
世界で初めてエンジンマウント延長前の初期シルエットを備えた「ショートノーズA-3」を1/32スケールで再現した「Fw 190 A-3」のハイクオリティキットです

 ボークスが展開する「造形村SWS(スーパーウイングシリーズ)」は、立体造形物の製作・販売をする日本唯一の造形製作専門部門「造形村」ブランドによる飛行機模型のプラキットシリーズです。その中でも第2次世界大戦期に開発されたドイツ軍機はシリーズの中でも特に数多くのラインナップが展開されており、「1/32 メッサーシュミット Bf 109 G-14/U4 “エーリヒ・ハルトマン”」や「 1/32 ホルテン Ho 229 B(複座型)」など様々な機体を立体化しています。

 今回取り上げる「フォッケウルフ Fw 190」はドイツのフォッケウルフ社が開発し、第二次世界大戦時に活躍した機体です。信頼性が高く堅牢な設計と高い空戦能力を持ち、ドイツ軍を代表する戦闘機です。「造形村SWS」でも様々なバリエーションを立体化していますが、「Fw 190 A-3」は後に重心調整のためエンジンマウントを延長する前の"初期シルエット型"の完成形といえる機体です。この「ショートノーズA-3」を1/32スケールで再現したのは世界初となるとのことです。

 「造形村SWS」は完成時に見えなくなる部分まで再現された細かいパーツ構成に加え、ディテールアップを行なう豊富な「アフターパーツ」が特徴となっています。「1/32 フォッケウルフ Fw 190 A-3」はキット本体だけでも十分に楽しむことができますが、別売りのアフターパーツを使用することで、より精密に、より密度を高めることができます。

本作例では同社のアフターパーツを使用しました
本機に搭載された「BMW 801 D2エンジン」も緻密に再現されています

 「1/32 フォッケウルフ Fw 190 A-3」に使用可能なアフターパーツは「SWOP 1/32 Fw 190 A-3/-4 3Dアクリル製 計器盤セット」、「SWOP 1/32 Fw 190 A-3/-4 インテリアセット」、「SWOP 1/32 Fw 190 A-3/-4 バレル&ピトー管セット」、「SWOP 1/32 Fw 190 A-3/-4 メタル脚柱 2024年版」、「SWOP 1/32 Fw 190 A 自重変形タイヤ」の5種類を使用できます。

 今回のレビューではこの5つ全部を使った非常に豪華な作例をお届けします。「1/32 フォッケウルフ Fw 190 A-3」の詳細で繊細な設計、そしてアフターパーツを使用することでの一段と印象深くなるその豪華な雰囲気もお楽しみください。

【アフターパーツ】
SWS22-M01 Fw 190 A-3/-4 メタル脚柱 2024年版、価格は2,750円
SWS21-M05 Fw 190 A-3/-4 3Dアクリル製 計器盤セット、価格は2,200円
SWS21-M04 Fw 190 A-3/-4 インテリアセット、価格は2,200円
SWS21-M03 Fw 190 A-3/-4 バレル&ピトー管セット、価格は2,860円
SWS21-M02 Fw 190 A 自重変形タイヤ、価格は2,530円

第2次大戦期にドイツ空軍が運用し、改修を重ねていった主力戦闘機

 「フォッケウルフ Fw 190 A-3」は第2次世界大戦期にドイツ空軍が運用した主力戦闘機です。第2次世界大戦勃発前となる1939年6月1日に試作機である「フォッケウルフ Fw 190 V-1」が初飛行し1940年初頭には先行量産型となる「フォッケウルフ Fw 190 A-0」が生産されました。

 その後も本シリーズは改良を重ね、1941年末には「フォッケウルフ Fw 190 A-2」のエンジンを「BMW 801 D2エンジン」に変更した「フォッケウルフ Fw 190 A-3」の配備態勢が整いました。「フォッケウルフ Fw 190 A-3」は前型式となる「フォッケウルフ Fw 190 A-2」からエンジンを変更しただけでなく胴体下に300l増槽か250kg爆弾1発を装備可能となりました。本機の生産数は資料によって大きく異なり200~1,800機が生産されたとされ、1942年には後継機となる「フォッケウルフ Fw 190 A-4」が生産されています。

本作例では新規造形パーツとなる250kg爆弾を装備しました

 「1/32 フォッケウルフ Fw 190 A-3」は造形村が展開する飛行機模型シリーズ「SWS」の最新キットです。本プラモデルシリーズにおけるドイツ空軍機は機体内部構造まで精密に再現され、説明書通りに組み立てるだけでなく、内部構造を露出させるなどユーザーの好みに合わせて楽しめるキットです。ランナー紹介から、機体を組み立てていきましょう。

完成後に見えなくなる部分まで再現されたパーツ構成

 最初にランナーとパーツを紹介します。ランナーのパーツを見ていくことで、「1/32 フォッケウルフ Fw 190 A-3」のパーツ構成は機体の外形部分だけでなく機体内部に搭載する燃料タンクやラダーコントロールリンクの構造など完成時に見えなくなる箇所まで細かく再現されていることがわかります。

 パーツの成型色はグレーとクリアの2色であり、水転写デカールとキャノピー用マスキングシールも付属します。また、本キットのカラー&マーキングは鬼のエンブレムで有名な”White 12”と戦闘爆撃中隊所属となる”Blue 6”から選択できます。

Aランナーは機体胴体の外板や垂直尾翼を構成します
Bランナーは主翼内部構造や主翼上面を構成します
Cランナーは燃料タンクやコックピット床面等を構成します
Dランナーは座席やラダーコントロールリンクなど機体内部構造のパーツを構成します
Eランナーはエンジンを構成するパーツが成型されています。
Fランナーはプロペラの他、主脚やハッチの裏面補強材を構成します
Gランナーは主脚のタイヤなどを、Nランナーは主翼下面を構成します
Xランナーは本キットで新規造形されたランナーです
クリアパーツで成型されたキャノピーは開状態と閉状態で異なる形状を再現しています
本機のマーキングは鬼のエンブレムを採用した”White 12”とキツネのエンブレムを採用した”Blue 6”から選択できます
本キットにはキャノピーの塗分け時に使用するマスキングシールが付属します
本作例では同社から発売されている公式アフターパーツを使用します

 本キットのランナー構成に着目するとエンジン、コックピット、胴体内部など、各工程ごとにランナーが分けられ、組み立て時にランナーを探す手間が可能な限り省略されていることがわかります。また、本キットのゲートは他のプラモデルと比較しても少し「太目」に設定されているのも特徴だと感じました。ちょっと切り離しにくくも感じますが、ランナーをつけた状態で塗装をするとき、パーツ固定用にこの太いゲートがとても便利なのです。また塗装を考慮したゲート設計だとも感じました。

 パーツ構成においてもエンジンの配管類や主脚のブレーキパイプなど、本商品よりも小さいスケールのプラモデルでは省略されることの多い部位も細かく再現されていて、より実機のディテールを楽しめるところも組み立てていて楽しかったです。

 もう1つ、プラモデルの材質に関してはその感触に好感を抱きました。他の製品と比べて、固すぎず、柔らかすぎず、ニッパーで切ったり、ヤスリで削るときに加工しやすく、パーツが破損しにくいちょうどいい堅さだと感じました。

 次章から組み立てに入りますが、今回はアフターパーツフル装備、新規造形となる250kg爆弾を装備した”Blue 6”で製作していますので、この点に特に注目してください。

完成時に単体でも展示できるBMW 801 D2エンジン

 それではいよいよ組み立てていきましょう。本キットにおける最初の工程はエンジンの組み立てです。「フォッケウルフ Fw 190 A-3」に搭載されるエンジンは14気筒空冷エンジンである「BMW 801 D2エンジン」であり、本キットではエンジン外形の組み立てではなく、エンジンそのものの組み立てを行ないます。

 本キットのエンジンはシリンダー内部にピストンの形状が彫刻されています。このピストンはシリンダーの組み立てを行なうと完全に見えなくなってしまうため、表現している製品は少ないです。しかし本商品の「本物のエンジンの内部はこうなっているんだ」という、妥協をしない再現こそ造形村のこだわりだと思いました。

 もう1つ「パーツ設計」にも強いこだわりが感じられます。プラモデルの造形しやすく、組み立てやすいパーツ分割ではなく、実際のエンジンに合わせてパーツ分割がされているのです。このためパーツの合わせ目が本物のエンジンに近いため、"合わせ目消し"の必要性が最小限に抑えられているのです。ここにも造形村とボークスの開発者の"本物志向"を感じました。

エンジンパーツのシリンダー内部にはピストンの造形が確認できます

 また、本キットの構造は内部構造も再現されたキットのため、各ブロックで塗装を行ないつつ組み立てます。

本キットはエンジンだけでも配管などかなりのパーツ数があります

 ここで組み立てたエンジンを機体へ搭載する前にしばらく他のパーツを組み立てる必要があるため、一旦保管することになります。「1/32 フォッケウルフ Fw 190 A-3」では保管中のエンジンも展示して楽しめるように一時保管用スタンドが付属します。筆者は博物館で旧日本海軍機の空冷式エンジン実物を見たことがありますが、「1/32 フォッケウルフ Fw 190 A-3」のエンジンは博物館で見たエンジンにも勝るとも劣らないと感じました。完成後にエンジンを色々な角度から眺めて楽しんでいました。

 本キットでも一時保管用スタンドにより、そのエンジンの魅力と模型となった造形の緻密さをたっぷりと味わえます。筆者は小一時間エンジンを眺めて遊んでしまいました。

完成した「BMW 801 D2エンジン」は一時保管用スタンドを使用し、展示しつつ他の工程を進めることができます
一時保管用のスタンドはEランナーにおけるランナー枠の一部がスタンドのパーツになります
エンジンは機体搭載後ほぼ見えなくなることになるため、現時点でしっかり楽しんでおくとよさそうです
完成後筆者は小一時間エンジンを眺めて遊んでしまいました

ユーザーの好みに合わせてアフターパーツを選択できるコックピット

 コックピットの組み立てはラダーペダルや操縦桿の造形だけでなく、そこから各部につながるコントロールリンクまで細かく造形されています。コントロールリンクとはコックピットからの操作をフラップやエルロンに伝える機構。他の機体のようなワイヤーではなく「ロッド(棒)」が使われているのが大きな特徴です。本商品ではラダーペダルから尾翼まできちんとロッドで操作する機構が再現されているのです。

 正直に言えば、本キットにおけるコックピットの組み立ては決して組み立てやすいものではありません。これはパーツが合わなかったり、細かすぎる、というわけではなく、飛行機プラモデルでは省略されることも多いコントロールリンクや燃料タンクからエンジンへと繋がる機構など、細部に至るまでしっかり再現されているため、結果として複雑なのです。

 組立には苦労がある一方で、この工程を経ることで実機のメカニズムを理解しながら組み立てを進められます。「ラダーペダルはこうやって尾翼のラダーに繋がっているのか」など、作っていて感心させられました。そしてこの組立の楽しさを増すのが「説明書」なのです。説明書にはパーツに関してただ番号や塗装が書かれているだけでなく、「ラダーペダル」、「スロットルレバー」というように、パーツが実機においてどういった役割を持つ部品であるか記載されています。この部品が実機でどういう役割を果たすのかわからないまま取り付けるということはありません。実機の構造に加え、部品の役割もしっかり学べるのです。

 もう1つのこだわりがコックピット下部に装備される燃料タンクです。外板を全て取り付けると見えなくなるのですが、「実機の構造はこのようになっている」と再現しているのです。塗装を省略しても問題ありませんが、作る側もしっかりこだわりたいところです。

 そして「フォッケウルフ Fw 190 A-3」はコックピット内の各種計器類はキット付属のパーツを使用して完成させることができますが、別売りのアフターパーツを使用して完成させることもできます。発売されている計器盤類のアフターパーツは「SWOP 1/32 Fw 190 A-3/-4 3Dアクリル製 計器盤セット」、ラダーペダルや追加シートベルトを再現する「SWOP 1/32 Fw 190 A-3/-4 インテリアセット」。今回はこれらをフルに使っています。なお、「SWOP 1/32 Fw 190 A-3/-4 インテリアセット」は飛行機プラモデル用アフターパーツで有名なエデュアルド製のフォトエッチングです。

「SWOP 1/32 Fw 190 A-3/-4 3Dアクリル製 計器盤セット」は計器盤の形状が立体的に造形され、細かいマーキングもあらかじめプリントされています。
アクリル製計器盤セット取り付け前に既存パーツの計器盤表面をやすりでならしておき、塗装後に瞬間接着剤で貼り付けます
ラダーペダルは「SWOP 1/32 Fw 190 A-3/-4 インテリアセット」を使用しました。エッチングパーツにすることで固定用バンドが追加されます
シートベルトも「SWOP 1/32 Fw 190 A-3/-4 インテリアセット」を使用しました。本セットのエッチングパーツにはフォトエッチングが採用されています

 今回特に感心したのが、コックピットパネルを表現する「SWOP 1/32 Fw 190 A-3/-4 3Dアクリル製 計器盤セット」です。筆者は正直なところ「コックピットパネルは塗装による再現でも十分なクオリティを発揮できる」と思っていました。しかし別パーツの計器盤を塗装したコックピット内部に貼り付けるため、まさに「実際の機体のように計器盤を機体にはめ込んでいる」という構造になります。筆者は博物館で実際の飛行機を見ることも多いのですが、機体と計器盤の質感の違いをこのように再現できるのかと、感心しました。

 もう一つ楽しかったのが「SWOP 1/32 Fw 190 A-3/-4 インテリアセット」のシートベルトです。シートベルトはパーツが分割により立体感のある仕上がりで、造形では表現しにくい質感になります。本物のシートベルトのような雰囲気です。

コックピットの組立で計器盤とラダーペダル、シートベルトはアフターパーツを使用しました
コックピット下部に装備される燃料タンクは塗装を省略しても問題ありません
本キットは計器盤裏のコントロールリンクまでしっかりと造形されています
コックピット組み立て時では腰部のシートベルトのみ先行で取り付け、肩部シートベルトは完成直前に取り付けます
コックピットの塗装は使用感を表現するために軽くウォッシングして汚れを表現しています

 本機のコックピットブロック完成後に強く感じたのが「重み」です。これまで組み立てた飛行機プラモデルに比べ、はっきりと重いのです。それは実機の構造に合わせたパーツ構成の「密度」によるものです。見えなくなるところでも「実機はこういう構造になっている」ときちんと表現され、各機器の配線なども再現しています。だからこそ「1/32 フォッケウルフ Fw 190 A-3」のコックピットブロックは重いのです。この重みは作った人を必ず満足させてくれると思いました。

内部の隔壁や無線機も再現された胴体内部構造

 本機の胴体内部はハッチを閉めた形態で組み立てると内部は全く見えなくなります。本作例ではハッチ開放状態で作成するため内部もしっかりと塗装していきます。また、本工程において尾輪の車輪を挟み込みますが、塗装後でも取り付けできると判断し、この時点での取り付けは見送りました。

胴体内部には隔壁や無線機、空気ボンベを挟み込みます
内部に挟み込む機器類は胴体前方に集中しています
垂直尾翼内部にはラダーの内部構造が再現されています
本工程で水平尾翼も取り付けます
組み立て後のハッチからは空気ボンベが確認できます

 本体の内部構造に注目するとコックピットから延びるラダーペダルのコントロールリンクは胴体中央を通過し、胴体後方まで接続されます。また、内部には各部隔壁が再現され、完成時の胴体は手に持った際に歪まず、しっかりとした印象です。

機関砲だけでなくフラップの可動構造も再現した主翼

 主翼の内部構造には機関砲の構造だけでなくフラップのコントロールリンクまで再現されています。なお、「フォッケウルフ Fw 190 A-3」は主翼内にMG 151機関砲を2門装備するため、MG FF機関砲の造形は切除してパーツを取り付けます。また、主翼内に装備されるMG 151 機関砲の砲身は「SWOP 1/32 Fw 190 A-3/-4 バレル&ピトー管セット」に交換します。

翼内のMG FF 機関砲の造形は切除します。
MG 151 機関砲の砲身は「SWOP 1/32 Fw 190 A-3/-4 バレル&ピトー管セット」に交換します
主翼の内部構造には機関砲の構造だけでなくフラップのコントロールリンクまで再現されています
主翼はMG 151 機関砲のハッチが開閉選択できます

 主翼内部の構造で特徴的な点として、MG FF機関砲の「土台」が挙げられます。本商品のモチーフである「フォッケウルフ Fw 190 A-3」は、それまでの機体で装備していた「MG FF機関砲」2門から、「MG 151機関砲」4門に換装しています。このため実機ではMG FF機関砲を撤去した名残である土台が残っているのです。

 「1/32 フォッケウルフ Fw 190 A-3」ではパーツの状態ではMG FF機関砲が装備されている形で表現されており、ユーザーの手でこれを撤去、そしてそこに銃があった"名残"として土台パーツを取り付けるのです。これは正直手間がかかりますが、実機の進化を感じさせる工程です。ここからも実機を忠実に再現するこだわりを感じます。

 もう1つアフターパーツ「SWOP 1/32 Fw 190 A-3/-4 バレル&ピトー管セット」の面白さも強調します。真鍮製のこのパーツによって、MG 151機関砲の砲口の"肉薄感"が完璧に再現されているのです。シャープな砲口の表現は、とても魅力的です。

全幅330mmの迫力ある機体外形が完成

 ここからはこれまでに組み立てたエンジン、胴体、主翼を一体化して機体の外形とその他細々したパーツを組み立てます。本キットの外装は沈頭鋲(ちんとうびょう)のモールドは控えめのデザインであり、すっきりとした印象です。手元にある資料を活用してリベット追加することも考えましたが、本作例においては新発売である本キットの素性を活かすため、リベット追加はせず組み立てを行ないました。

 機体組み立て時に搭載する機首のMG 17 機銃の銃身およびピトー管は「SWOP 1/32 Fw 190 A-3/-4 バレル&ピトー管セット」に交換し、その他、主脚は「SWOP 1/32 Fw 190 A-3/-4 メタル脚柱 2024年版」に変更、主脚および尾輪のタイヤは「SWOP 1/32 Fw 190 A 自重変形タイヤ」にそれぞれ変更します。また、組み立て時に「SWOP 1/32 Fw 190 A-3/-4 メタル脚柱 2024年版」はメタルパーツなのでシンナーで、「SWOP 1/32 Fw 190 A 自重変形タイヤ」はレジンなのでクレンザーでそれぞれ洗浄しておきます。

機首のMG 17 機銃は本工程で取り付けます。
組立を行なった機体外形はA3サイズのカッターマットに収まらないビッグスケールです
機首MG 17 機銃は銃身をメタルパーツに交換します。
銃身の交換はパーツの一部を切り取って交換します。
ピトー管は同一形状のメタルパーツと交換します。
メタル製の主脚は取り付ける際に瞬間接着剤を使用します。
自重変形タイヤは交換することでリアルなタイヤの変形を再現できます。

 主翼の取り付けに際してパーツの合いが非常に良いことに好感を抱きました。飛行機模型において、特に古いキットはパネルラインに一部隙間や干渉する部位が発生するものが多いです。しかし、本キットではそういった調整がほぼなく組み立てに掛かるストレスを感じませんでした。何よりも主翼と胴体ができたことで、1/32スケールならではの大きさが実感できとてもワクワクしました。

 また、ここまでの組み立てを行なうことで初めてハッチ解放時に確認できる内部構造の範囲が明確になります。この時初めてここまで見えなくなるものかと驚くと同時に本キットは飛行機のプラモデルを作っているのではなく、プラスチック製の本物の小型飛行機を作っているような気持ちになりました。

 アフターパーツにおいては本キットの自重変形タイヤはレジンパーツで再現されており、このレジンパーツは気泡もなく高精度に仕上がっています。また、メタル脚柱は造形はプラパーツと大差ないものの重量が大きく変わることもあり手に取った際に、楽しい気持ちがこみ上げました。

型紙を活用した立ち上げ塗装で迷彩塗装を再現

 ここからは機体のメイン塗装を行ないます。今回の作例ではハッチを全て開放状態で作成するため、機体本体には取り付けず、塗装していきました。そのため、各部ハッチ部分にはマスキングテープでマスキングを行なった後に塗装しました。

 キャノピーのクリアパーツには付属しているマスキングシールを活用してマスキングを行ないます。また、本機のキャノピーは開閉に合わせて2種類のキャノピーパーツが付属します。今回はキャノピー開状態で制作するため、閉状態のキャノピーは余りパーツになります。そこでこの余りパーツのキャノピーをコックピットのマスキングに使用することとしました。

キャノピーのマスキングにはマスキングシールを活用します
余剰パーツとなる閉状態キャノピーはコックピットのマスキングに有効活用します
ハッチを開放する箇所は全てマスキングテープで養生します

 機体の迷彩塗装は型紙を活用した立ち上げ塗装で迷彩を再現しました。最初に機体全体にプレシェードとしてガイアノーツの「075 ニュートラルグレーⅤ」を塗布します。プレシェードはパーツのエッジ部分やモールドラインに合わせてざっくりと塗布します。

 マスキングにおける反省点として、筆者は先にハッチ開放時に使用する外装の内張を接着してしまっていたため、仮付けをあきらめマスキングテープによる塗分けをしました。しかし組み立てている中で、「一度ハッチ関係を全閉で仮付けし、塗装すればより自然な塗装ができたのではないか?」と気がつきました。閉じた状態で仮留めし、塗装してから開けた状態に固定すれば良かったと反省しています。これから作る方は、参考にしてください。

プレシェードには黒に近いダークグレーで塗布しました

 迷彩色の1色目はGSIクレオスの「C37 RLM75グレーバイオレット」を立ち上塗装します。塗装範囲は説明書の塗装図を確認しつつパネル単位で塗り進めます。

迷彩色の1色目はRLM75です

 迷彩色2色目には説明書の塗装図を原寸大に拡大コピーし、型紙を作って塗装します。型紙の貼り付けにはこより状に巻いたマスキングテープを使用し、型紙と本体の間に隙間を設け、配色の境界にぼかしを入れます。迷彩の2色目はGSIクレオスの「C36 RLM74グレーグリーン」で塗装します。

型紙の貼り付けはこより状に巻いたマスキングテープを使用します
迷彩色の2色目はRLM74です

 迷彩塗装の塗分け後は機体側面と機体下面色を塗装します。機体下面色はGSIクレオスの「C117 RLM76ライトブルー」で塗装します。機体側面の塗分けはぼかしを入れるため、型紙を使用しますが、主翼付け根の塗分けはパネルラインに合わせた塗分けのため、マスキングテープで養生します。

主翼の塗分けはマスキングテープで養生します
機体側面の塗分けは型紙を使用しました

機体側面のドット迷彩はフリーハンドで再現

 本機の機体側面に施されるドット迷彩はフリーハンドで塗装します。今回の作例ではライトブルー部分にグレーグリーンとグレーバイオレットでドットを塗布し、最後にライトブルーをもう一度塗布して調子を整えます。

グレーグリーンで適当にドットを塗布します
グレーバイオレットでドットを入れます。この際にグレーグリーンに重なりすぎないよう注意します
最後にライトブルーで色味を調整します。ライトブルーもこれまでと同様にドットを入れるように塗布し、ライトブルーが残っている部分を狙って塗布します

 これで機体の迷彩塗装は完了です。この後差し色のイエロー等を塗装した後デカールの貼り付けを行ないます。

ハッチ開閉に合わせて使用するデカールを選択できる

 本キットのデカールはキットのハッチ開閉有無に合わせてデカールの分割有無を選択できます。これにより位置合わせしたデカールをナイフでカットし、別パーツに貼り付けるといった手間を軽減しています。

ハッチに重なる部分のデカールはあらかじめ分割しています

 今回の塗装方法は飛行機模型におけるエアブラシ塗装の一般的な手法を使用しています。しかし、機体即位面に置けるドット迷彩については筆者の技法だと淡いドットになるので好みがわかれるかもしれません。この点については作り手の表現方法によって個性が出る点だと思うので完成写真を参考に読者の好きな表現スタイルを楽しんでほしいと思います。

 これで基本塗装は完了しました。各部パーツを組み立てますがここで少し、ディテールアップを施します。

伸ばしランナーを活用してアンテナ線を再現

 レシプロ戦闘機には機体後部に通信用のアンテナ線が張られています。本キットにおいてはこのアンテナ線は省略されており、少し寂しい印象があるため、"伸ばしランナー"を使用してアンテナ線を再現しました。

 伸ばしランナーとは、ランナーを火にあぶり柔らかくして、両端を引っ張ることで長く細く引っ張るテクニック。アンテナやワイヤーを表現するのに使用します。アンテナ線を表現することでよりリアルになると思いました。

アンテナ線の再現には伸ばしランナーを使用しました
キャノピー内部にもアンテナ線を追加しています

 本キットの嬉しい点として、アンテナ線の終点がモールドとして再現されています。そのため、悩むことなく実機に忠実なアンテナ線表現ができたと感じます。

軽いウェザリングで使用感のある雰囲気を演出

 最後に機体表面に軽くウェザリングを行ない、使用感のある雰囲気を演出します。最初にGSIクレオスの「WC06 マルチグレー」で塗装の退色感を演出します。

ウォッシングで塗装の退色感を演出しました

 最後にタミヤの「タミヤウェザリングマスター<Bセット>」でエンジンの排気汚れと機銃のスス汚れを再現します。レシプロ戦闘機の排気汚れはかなり激しい汚れになるため、濃く塗布します。

排気汚れとスス汚れを描き込みました

 これでキットは完成です。次章から完成した「1/32 フォッケウルフ Fw 190 A-3」を見ていきます。

1/32スケールで迫力ある「フォッケウルフ Fw 190 A-3」

 ここからは完成した機体を見ていきます。最初に前後左右から見てみます。1/32スケールらしい迫力ある戦闘機が完成しました。

正面から見た「フォッケウルフ Fw 190 A-3」はどっしりと構えた姿がかっこいいです
本機の尾翼はイエローのアクセントカラーとなります
本機の側面はキツネのエンブレムが確認できます
胴体のハッチは左側面が展開します

 今回の作例では本キットの特徴である内部構造の再現を最大限感じられるよう展開できるハッチは全て展開状態で作成しました。ハッチを開放状態にすることで緻密に再現されたエンジンや機関砲を完成後も楽しめます。また、内部構造はどの角度から見ても隙の無い精密さでありまるで実機が自分の目の前に現れたように感じます。

 また、塗装については筆者の好みで型紙を使用した塗装にて再現し、胴体側面のドットはフリーハンドで描きました。ドットは機体下面色であるライトブルーを多めに吹き付け、淡い仕上がりとしています。ここはユーザーによっては側面ドットも型紙を使用したり、境界をよりはっきりと塗装するなど百人百色の表現方法ができるのです。

エンジンは左右からエンジンの造形を楽しめます
エンジンハッチは下面も展開するため様々な角度から造形を楽しめます
主翼ハッチは展開することでMG 151 機関砲の機関部を確認できます
胴体ハッチからは空気ボンベが確認できます
垂直尾翼ハッチからは尾輪のシリンダーが見えます

 そして、本キットは機体内部を余すことなく再現していることもあり、ハッチから覗くエンジンや機関砲を完成後も様々な角度から楽しめます。今回の作例においてハッチから見えない部分においては完成後目視で確認することはできませんが、制作者本人としては内部まで完成させた満足感があります。また、エンジンやコックピットの密度が高いため重心が前方にあり手に持った際も他のレシプロ戦闘機プラモデルとは異なった雰囲気を楽しめました。

 なお、今回使用したアフターパーツにより各部の更なるディテールアップがされています。金属砲身やピトー管はより真円に近い円柱形状になります。

「SWOP 1/32 Fw 190 A-3/-4 バレル&ピトー管セット」により、より真円に近い円柱形状になります

 メタル主脚は造形に大きな変化はありませんが手に取った際、どっしりと重量を感じます。

「SWOP 1/32 Fw 190 A-3/-4 メタル脚柱 2024年版」は手に取った際、どっしりと重量を感じます

 コックピット内部はアクリル製計器盤とエッチングパーツによりよりリアルに仕上がりました。

「SWOP 1/32 Fw 190 A-3/-4 3Dアクリル製 計器盤セット」と「SWOP 1/32 Fw 190 A-3/-4 インテリアセット」でコックピット内部がよりリアルに仕上がりました

 主脚および尾輪のタイヤは自重変形タイヤにより戦闘機の重量感をリアルに再現しています。

各部タイヤは「SWOP 1/32 Fw 190 A 自重変形タイヤ」で実機の雰囲気をリアルに再現しています

 今回唯一の改造箇所であるアンテナ線は伸ばしランナーを使用することで極細のワイヤーを再現しました。コックピット内部にもワイヤーを再現しています。

アンテナ線は伸ばしランナーを使用して再現しました

 「1/32 フォッケウルフ Fw 190 A-3」の感想を簡潔に言えば、「プラスチックで成型された飛行機を組み立てた」というものです。プラモデルとして組みやすさや成型のしやすさと行った「プラモデル的解釈」を極力抑え、実機を再現しようという強い想いが伝わってきました。

 組み立てると見えなくなるエンジン内部の表現、コックピットからラダーやエルロンにコントロールリンクがしっかり表現されているところ、説明書に細かく書かれた各部品の名称など、「本商品を組み立てて、ぜひ実機の構造を学んでほしい」という情熱を感じました。

 さらに今回は使用できるアフターパーツをフルに使用しました。こちらは全部そろえようとすればキットがもう1つ買えるような金額ですが、こちらも本キット同様金額以上の満足感がありました。アフターパーツを組み入れた「1/32 フォッケウルフ Fw 190 A-3」は、まさに「模型を作る人の夢がかなう」組み合わせだと感じました。

 本キットはパーツ数が多いもののパーツ同士の合いも良好で、組み立てやすかったです。難易度は高くなく、模型をやっている人ならばしっかり組み立てられると思います。筆者はもう1機作りたいと思っています。オプションパーツを使用しなくても十分に魅力を感じられ、オプションパーツを使用することでモチーフへの愛がさらに深まる、夢が実現した気持ちになれる商品です。ぜひ手に取ってください。

使用塗料

金属レジン下地 ガイアノーツ P-01a ガイアマルチプライマーアドバンス
プレシェード ガイアノーツ 075 ニュートラルグレーV
迷彩1色目 クレオス C37 RLM75グレーバイオレット
迷彩2色目 クレオス C36 RLM74グレーグリーン
機体下面色 クレオス C117 RLM76ライトブルー
外装イエロー等 クレオス C113 RLM04イエロー
エンジン等 クレオス C8 シルバー
エンジン等 クレオス SM202 スーパーゴールド2
機体内部色 クレオス C60 RLM02グレー
プロペラ等 クレオス C18 RLM70ブラックグリーン
コックピット クレオス C116 RLM66ブラックグレー
タイヤラバー クレオス C137 タイヤブラック
翼端灯右 クレオス C50 クリアブルー
翼端灯左 クレオス C47 クリアレッド
機関砲等 クレオス C28 黒鉄色
空気タンク クレオス C65 インディブルー
部分塗装 クレオス C29 艦底色
部分塗装 クレオス C45 セールカラー
部分塗装 クレオス C55 カーキ
部分塗装 クレオス C114 RLM23レッド
部分塗装 クレオス C131 赤褐色
部分塗装 ガイアノーツ Ex-06 Ex-フラットブラック
タッチアップ タミヤ XF-1 フラットブラック エナメル
タッチアップ タミヤ X-2 ホワイト エナメル
タッチアップ タミヤ X-7 レッド エナメル
タッチアップ タミヤ X-11 クロームシルバー エナメル
トップコート ガイアノーツ Ex-04 Ex-フラットクリアー
スミ入れ タミヤ スミ入れ塗料(ブラック)
スミ入れ タミヤ スミ入れ塗料(ダークグレイ)
ウォッシング クレオス WC02 グランドブラウン
ウォッシング クレオス WC06 マルチグレー
スス汚れ タミヤ タミヤウェザリングマスター<Bセット>